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ツリーハウス |
角田 光代 | |
文藝春秋 |
天気 ソファーカヴァー洗濯しました
角田光代 著 : ツリーハウス
を、読みました。
新宿角筈にある、薄汚れた中華料理店“翡翠飯店”の先代の祖父が急死する。
その孫である良嗣は、その日から家族に対して抱いていた違和感が
どんなものか理解した、まるで我が家は“簡易宿泊所”のようだと。
祖父の死をきっかけに、第二次世界大戦以前の日本、満洲、戦後の新宿、
行動経済成長真っただ中の東京と、街角の名もない人々が
時代に流され、歴史にのみこまれながらも、生きてゆく姿を描く物語。
本の帯に、『著者新境地、新たな地平へ』とありますが、
ほんとうに、この物語は今までになかった作品です。
歴史時代小説ですが、壮大な時間の流れを描いていても
やはり角田光代の筆力は変わりなく、
そこに生きた、人々の心理を丁寧に描いていました。
学歴も知名度も、人より秀でた部分が何一つない人々が
時代の変化をうっすらと感じ取り、勇敢に挑もうとする姿は、
『平和で、不気味に退屈』な今を、生きている私たちに
なにか警鐘を鳴らしているような気がしました。
ベリーの感想文 500回
感想文の300回の時も、角田光代でしたが
この500回もまた、天才角田光代でした。
これからも、沢山読むぞーーーー!!
目指せ1000回