Mrs.ベリーのVeryな一日

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壬生義士伝(下)

2005年11月16日 14時28分52秒 | ベリーの感想文(本・映画)
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天気  朝チョッと昼から


浅田次郎 著 : 壬生義士伝(下)を、読みました。


壬生【みぶ】とは、京都の地名。そこに、最初の屯所を構えた新選組の隊士たちは壬生の浪人集団、壬生浪と呼ばれ、人々から恐れられています。そんな新選組の隊士の一人、吉村貫一郎という男がこの物語の主人公です。吉村は文武両道に秀でた、優しい、実直な男ですが、苦労と努力が、報われぬ足軽侍から、脱藩して、新選組に加わります。物語は、彼がボロボロに傷ついて、大阪の南部藩蔵屋敷にたどり着いた末に、切腹を言い渡されるシーンから始まり彼が覚悟を決めて、切腹にいたるまでと50年後、彼と係わった、友人や隊士たちが語る、彼の人物像が、交互に続いていきます。幕末の激動の時代に、生きた一人の侍の健気さに心打たれる感動の物語です。本当の強さや、優しさを、侍の目を通して、静かに語りかけてくる、作品でした。幕末から、50年後の大正時代に、当時を振り返って「昔は・・・。」と主人公を語るという設定も面白かったです。明治もも、大正も私にとっては、どちらも遠い昔なのに。いつか、私が生きるこの時代も、同じくらい昔になるのでしょうね。