住宅や土蔵の壁面には、必ずと言っていいほど、こうした数段の水切り瓦が施されている。
吉良川には数度訪れているのだが、横殴りの風雨から壁を守るためとは言え、ここまでの念入りな施工を必要とする風土建築というものに、いつも感動を覚える。
また今回教えてもらったことで驚くのは、上の段ほど瓦の角度が急になっているとのこと。
物理的な効果まではよく分からなかったが、もしそれが下から見上げた際の意匠的な配慮だとしたら、これまた凄い。
水切り瓦の分布密度は、高知県でも東部方面、安芸から室戸に集中していて、西部中村(四万十市)方面では少なくなる。台風の当たり加減の差となっているのは歴然。
愛媛県側でも一部に見られるのは愛南町(一本松)や久万高原町の高知寄りにわずかに、というところが面白い。