岡崎直司の岡目八目

歩キ目デス・ウォッチャー岡崎が、足の向くまま気の向くまま、日々のつれづれをつづります。

法華津峠の松村建築、その後。

2006-12-10 09:23:18 | 建見楽学
法華津峠展望台。

その後の調査で以下のことが判明。
発注者は宇和町卯之町で旅館業を営む富士廼家さん。先代の片山寿氏が松村正恒氏に依頼、昭和34年に完成した。(従って、あの日土小完成の翌年)
富士廼家は、大正2年の創業、地元では五十番の愛称(電話番号の関係)で親しまれている。郷土料理、なまず粥(かゆ)でも有名。
戦前期から、法華津峠に別荘があり、食堂を経営されていた。法華津湾を見下ろす絶景の地にあって、展望台の建設を企画したようである。
しかし、最もビューポイントである崖(がけ)の所には建てず、建物自体が邪魔にならないよう少し手前に控えて建てられている。オーナーの意思と松村美学が融合している、と言うべきだろう。
ちなみに、写真の丸窓の位置はトイレ。階段を上がり、屋上の展望台からは宇和海・法華津湾のパノラマが広がっている。