
「文法のない言語の文法」を大雑把にまとめていく。文法用語などはかなりいい加減に書いている。自分の学習のために書いているので、興味を持った人は、原文を読んで頂いた方がよい。
第1章.エスペラントの基本的な原則
1.1 エスペラントはとても易しく、例外のない言語である。ただ馬鹿者だけが、国際言語に例外を持ち込む。そういう者たちが残念ながらエスペランチストたちの中にもいるが、君はそういう者たちの中にいてはいけない。
1.2 エスペラントはヨーロッパの言語ではない。フランス語や英語・ドイツ語などを話す人は、その知識に頼りすぎてはいけない。エスペラントは英語とは違う働きを持っている。それぞれの単語はその働きを示す語尾を持っているからである。英語の love はエスペラントでは、amo, amon, amas, amu, ama, ame などの形を持つ。英語話者はこのことを学ばねばならない。
1.3 エスペラントは、単語要素の合成のみである。 例えば、fratino は frat/ino/o という、3つの不変の部分から成っている。
1.31 エスペラントの単語はどのように機能するか エスペラントでは、機能語のグループを除いて、2つの部分から成る。
A 伝統的に語根と呼ばれる基本語 例えば、hom, amik, tabl, manĝ
B 伝統的に語尾と呼ばれる機能語 例えば、o, a, as/is/os/i, e, j, n
完全な、普通の単語はこの2つの部分を持つ。amik-o, hom-a, ir-as
hom manĝ pom はエスペラントの文にならない。homo manĝas pomon または homoj manĝis pomon などと言わねばならない。
A の部分は一般的な意味を与え、B の部分はその語の機能を与える。
C 語尾を必要としない機能語は、あらかじめ決められた限られた数の語である。前置詞・接続詞・代名詞・数詞・表単語とエスペラント以外の固有名詞である。
1.4 エスペラントの文はどのように機能するか
エスペラントでは、すべての文はよく分けられた3つの部分から成る。
A 主語、一般的に行為者
B 動詞、行動または状態
C その他の部分(補語・行為の条件・方法・時など)
以上は基本的な原則である。これをしっかり頭に刻みつけておかねばならない。
Aの部分は、関連する語が名詞を示す o 以外の語尾を持たないことで判別できる。
Bの部分は、関連する語が動詞語尾の一つを持つことで判別できる。
Cの部分は、動詞に結びつくための何かを持つ(前置詞や接尾辞 n、副詞語尾など)
助言 語根・基礎単語を学ぶ時には、常にその意味も学ぶこと
このことは、そのあとの変化のために重要である。
語根が名詞的である場合、その動詞は、「その物・事によって普通に行う」ことを表す。また形容詞は、「そのもの・ことに関連した」を意味する。maltel は名詞的な語である(槌・ハンマー)marteli は槌で打つ、martela は槌の、槌のような、bicikl(自転車)、bicikli 自転車で走る la martela bato estas ĝena. la bicikla sidilo estas malkomforta.
語根が形容詞的である場合の例:bela, agrabla
- Ĉi tiu knabino estas bela./Tiu ĝardeno estas agrabla.
- Ĉi tiu knabino belas./Tiu ĝardeno agrablas.
- La belo de ĉi tiu knabino estas granda./La agrablo de promenado estas multa.
語根が動詞的である場合の例:paroli、skribi
- parola ekzameno, skriba ekzameno
※ この部分についての具体例が表にまとめられているので、一見の価値がある。[bona lingvo」で検索して探してみてほしい。また、ここまでの分についての練習問題も沢山ある。
エスペラントの文では語順は自由か?
そうであるが、共通する分別を持って
エスペラントの構造は、英語や中国語のような語尾を持たない言語のような厳格な語順はない。
{la forta homo} {kruele mordis} {la malgrandan hundon}.
上記の文を次のように変えることは出来るが、
{la malgrandan hundon} {kruele mordis} {la forta homo}
それぞれの構成部分内では順序を変えることは出来ない。例えば、
Homo forta la とか malgrandan hundon la とは出来ない。
エスペラントの冠詞 la は常にそれが関係する語の前に置かれる。
このあとに別項で、英語話者への追記があるが、英語で書かれており、省略する。
アジアの人たちのための追記(1)
「語根・基礎単語を学ぶ時には、常にその意味も学ぶこと」というのは、語根は、その語尾がつく前からすでに意味を持っているということである。
それらの意味には4つの種類がある。
● 名詞-物、事
● 形容詞-質。この中には副詞も含まれる。
● 動詞-行為、状態
● 特別な性格を持たないもの-前置詞など
1.1 名詞とは何か ヨーロッパの言語の文法では、ラテン語由来の語で、具体的なものの名前であるが、その他に、感覚や考え、行動、場所も含まれる。tablo , pomo , viro , hundo ĝojo , malĝojo , varmo , malvarmo aŭ iro , reveno , Japanujo , Pekino .
1.2 形容詞とは何か 同じくラテン語由来の語で、他の語の質を表現する語である。bel a , grand a , malgrand a , long a
1.22 副詞とは何か 同じくラテン語由来の語で、行為の方法を表す語である。bel e , grand e , malgrand e , long e
1.3 動詞とは何か 同じくラテン語由来の語で、行為や状態を表す語である。manĝ as , ir as , skrib as , est as
1.4 特別な性格を持たない語とは 語と語を結びつける語やその他の機能語であり、それら自信も意味を持っていて、完全な語根としても働き、語尾を持つことも出来る。kiel per, por, kun, tamen, sed; pere, pera, peri, kuno, pora
※ この部分については、学習を始めた頃に、先輩から「単語の品詞性」という言葉で聞いたことがある。今の辞書には見出し語に品詞語尾がついているからわかるが、ザメンホフが最初に発表したエスペラントと5か国語の辞書には品詞語尾が無くて語根だけで示されている。
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