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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

オレンヂスタ『白黒つかない』

2016-09-10 22:11:06 | 観劇三昧

オレンヂスタ『白黒つかない』PV

観劇三昧:白黒つかない

2016/9/10

ほぼブラック企業である広告代理店で不幸な事件が起きる話。

いきなり「血尿出して一人前」というトンデモ名言が出てくる。

そういう現場は当たり前のように実在するんだろうし、自分は絶対に生き残れないと思うので、序盤から息苦しい気持ちになる。

おそろしく現実的で苦しい題材を、とても無機質で様式的な動きで表現する。

コンテンポラリーダンスっぽいという感想でいいんだろうか。

感情が入っているのか入っていないのかよくわからない動きにせりふ回しだが、その錬度がすごい。

写実的な考え方からすると無駄な動きばかりなんだけど、その無駄が大事な要素。

幸福から遠ざかる労働は無駄なんじゃないかと思い至るような仕組みになっている。

様式的かつ風刺的。

題材と表現形式がきれいに一致していた。

※余談だけど、キャスト一覧だけでなく配役表もほしい。好きな役者さんを見つけても追いにくい。

 

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北三条ラムネ工場演劇部『食べごろ図鑑』

2016-09-09 22:35:57 | 演劇を見てきた

2016/9/9

白い家をより白くするために住み込みで働いている人々が、そこで起きた事件の真相に迫っていく話。

舞台が白くて凹凸があって出入り口が妙に小さくてかわいい。

マシュマロが直接的な伏線になっていないところは、発想がすっ飛んでて好き。

あのマシュマロはうまそうに見える。そういうのは大事。

有田哲さんのリーダー感。ちょっと座長感もある。

役者さん全員が家族っぽくて、プロデュース公演でもいいチームワークが出来ているように見える。

DVシェルターの話かと思ったら全然違った。

それぞれの登場人物が、なぜそのときにその内容の話をするのかが良くわからず、ついていくのに苦労する。

それでも、最後の仕掛けは楽しい。

裏の人が大変そうだけど、ああいうのはどんどん派手にやったらいいと思う。

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井口昇監督『ヌイグルマーZ』(2014年)

2016-09-07 02:15:27 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

「ヌイグルマーZ」DVD 通常版
クリエーター情報なし
キングレコード

2016/9/7

夢子が、ヌイグルミの戦士ヌイグルマーとなって、ゾンビの集団から姪を守る話。

その夢子役には中川翔子。ある意味、大看板。

ヌイグルマーがやけに動けるなと思ったら、武田梨奈。

それならヒロインは武田梨奈でよかったんじゃないかとも思うけど、中川翔子の適材適所感もすごく強いので、これはこれでいい。

ゾンビ役の方々が実に楽しそう。

でも、踊るか襲うかどっちかにしてほしい。

無理やりお色気はねじ込んでくる。

「女たちがおっぱいを見せ、その恥ずかしさで空を飛ぶ」は楽しいのに、「超能力者の設定があぶなっかしい」や「黒いのが離れてもまだ変身状態が維持できている」は納得できない。

雑なところにも、許せる雑さと許せない雑さがあって、その境目がどこにあるのかよくわからない。

もう少し丁寧でも良かった気はするけど、作り手側だってそのバランスは難しいんだと思う。

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月曜劇団『世の中の率』

2016-09-06 01:42:33 | 観劇三昧

観劇三昧:世の中の率

2016/9/6

学校の教室で卒業の時を待つ生徒たちの話。

…でいいんだろうか。

始まってしばらく引き気味で見ていたら、10分くらいたってやっと正しいツッコミが入ったので、それからはリラックスできた。

絶対に大阪にしかいないタイプのオジサンが出てきて笑ってしまう。自分に全然免疫がない。

各登場人物の性格が安定しないというか、あえて裏表に描き分けしているんだと思うけど、切り替えに着いていくのが大変。

突然別役実の名前が出てきてびくっとする。

笑えるところははずさないけど、話の意味はよくわからない。

わからないけど、全員堂々としているので、納得しないほうが悪いんじゃないかと思わされる。

いつまでも卒業できない劇団運営のメタファーにもなっているのかもしれない。

劇団というより集団運営全般に言えることだと思うと普遍性もあるのかもしれない。

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U.M.I Film Makers『くまと羊』

2016-09-05 20:46:21 | 観劇三昧

観劇三昧:くまと羊

2016/9/5

一人芝居の映像化したもの。約40分。

女の子の部屋で、どこまでが夢でどこまでが現実かわからなくなる話。

あわせて彼氏と付き合っているんだか付き合っていないんだかわからなくなる話。

夢のまた夢のまた夢~(ループ)という話は、非常によくある設定なので、そのなかでフックになりそうなところを探す。

一人芝居の映像化というのはかなり珍しいような気がする。珍しいというか、難しい。

独り言は、一人芝居なら形式として受け入れられるけど、映像になるとかなり不自然に見える。ずっと見てたら慣れるんだろうか。

彼氏に軽く見られていることを、うすうす自覚しているのに、思いを断ち切れずに、何度も同じところに同じ傷をつけている感じが痛々しい。

そういうところを狙ってのこういう構造にしているのかもしれない。

どちらかというと、キン肉ドライバーではないか。

とりあえず、先に一人芝居のほうを見たい。

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ジリアン・シュレシンジャー監督『メイデントリップ:世界を旅した14歳』(2013年)

2016-09-05 04:02:58 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2016/9/5

14歳のローラが最年少単独世界一周航行をするドキュメント作品。

無寄航ではないので、あちこち寄り道して2年かかっている。

日本じゃ有り得ない遠い海外の話だと思っていたけど、出発地のオランダでもやっぱり有り得ない話だったらしく、航行禁止令が出たり、児童裁判所に保護依頼が出たりしている。

親の虐待を疑われていたっぽい。

海外のドキュメントを見るといつも思うのが、出てくる若者がしっかりスピーチできるということ。

そこらの日本人の大人よりきちんとできる。

本作でも、ナレーションを全て彼女自身で行っている。

すでに考え方が船乗りのそれ。

そりゃ学校でも浮くはずだ。楽しそうには見えるがやってみたいとは思えない。

「別れが辛いほど再会のときの喜びが増すんだ」「愛しても憎んでも良いが信用はするな」

なんて言葉も太平洋上で一人でいるところで出てくるから説得力がある。

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BLOCH PRODUCE『大喜利寺 ―涅槃―』

2016-09-04 18:03:55 | 演劇を見てきた

2016/9/3

腕自慢を集めて大喜利を続けるイベント。

普通に聞いて楽しむもんだと思うけど、せっかくなので参加者側の気持ちで、一緒に答えを考えながら見る。

修行なので、終わった頃にはぐったりしてしまう。

メタ的な視点で見るクセがついているようで、どうしてもみみっちい回答しか出てこない。

「私は神。~地球(ガイア)とひとつになりなさい!」のお題が楽しかった。

お題読みは塚本奈緒美さん。

もともとオーギリングの佐々木琥太郎さんが好きなんだけど、こういうお題読みにあわせたお題があるのはいいアイディア。

三浦セピアさんやすえひろさんが、わりとコンスタントにお題に沿った秀逸な回答をしていく一方で、楽太郎くんとかアキトさんは、場を荒らす方向で考えている感じ。

大喜利の回答にも個性があるし、こういうイベントだと、ある程度個性をコントロールしなきゃイベントとしてはおもしろくなりにくい。

そのへん、うまくいったので楽しかった。

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Mami『バイリンガルニュースMamiの文字おしゃべり』

2016-09-03 23:01:03 | 読書感想文

 

バイリンガルニュースMamiの文字おしゃべり
クリエーター情報なし
幻冬舎

2016/9/3

大人気ポッドキャスト「バイリンガルニュース」のMamiによるコラム集。

普通の本だと思って読むと、すぐに読み終わる。

ポッドキャストの聴き始めは、「声がかわいい」くらいの印象だったが、長く聴いているとだんだん凄みを感じるようになる。

公共放送では絶対出てこないようことも下ネタなんかも話しているけど、別に過激さを狙っているわけではなく、すごく頭が良くてかわいい声の女の子による、地に足の着いた世間話という感じ。(英語担当のmichaelは男性だけど)

あの伊集院光が、ラジオ番組のアシスタントオーディションに来た彼女に対し「彼女を採用したら俺がアシスタントに回ってしまう」という意味のことを言っていて、畏怖の気持ちが生まれる。

「ラジオの王様、伊集院が恐れた女」だと思うとすごい。

常人離れした行動力と、それを支える頭の回転の速さ、トピックスが途切れない。読んでいても気持ち良い。

あと、こういうアウトプットの仕方や収入を得る方法があるんだと思うと、ほんの少しだけ気持ちが軽くなる。

才能の差はいかんともしがたいけど、感化されて電子書籍の勉強をしたくなった。

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満月動物園『ツキノオト』

2016-09-02 00:19:15 | 観劇三昧

観劇三昧:ツキノオト

2016/8/31

・死神シリーズ三作目。

・最初が1時間48分、次が1時間46分でまとめているのに、本作はいきなり2時間24分。

・作・演出の戒田さんが煽るスタイル。

・ゲストで主演の客演さんに三作続けて前説をさせる、その際に客席を温めるようリクエストする、ほぼ演技きっかけで物語を始める。

・いきなり多方面から主演役者を追い込んでいる。背負わせている。

・歌のスペシャリストがいる上に、役が変わっているのに、とりあえず『愛しさとせつなさと心強さと』を唄わせること。

・ただ、そういうときでも元気に明るく唄いきれる役者は信頼できる。

・死神のミスで自らの死因を知ってしまった女の話。

・前二作で死神を演じた河上由佳さんが、死神に絡まれる側にまわる。

・死を悟っても全く動揺を見せない彼女は不自然なほど強いのに、親の離婚で泣く。

・人の弱点をつくのがうまい脚本。

・西原希蓉美さんが時々見せるオドオド顔。

・婚約者役の上原日呂さんのソフト男前ぶり。

・やさしい関西弁がずっと聞いていられる感じ。

・にじみ出る腰の低さと演技の安定感。追い込まれる設定で輝くタイプ。とてもコメディ向き。

・その、プロポーズをほっとかれる説得力たるや。

・なんとなく将棋の木村一基八段の雰囲気に似ている。

・どの役者さんも語りの圧が強く、安定感がある。

・加えて音と光の連携が巧み。

・こういう演出効果とクラブDJの関係を、詳しい人どうしが話せば一晩くらい余裕で語り明かせそう(自分は詳しくないので無理)。

・靴下の中に紐をいれるくだりは、さすがに2時間30分近くある話でわき道に過ぎる。

・そういう展開の細かな疑問はあっても、この長い時間を気持ちよく見せられた豪腕演出ぶりがすごい。

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