遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

アガリスクエンターテイメント『発表せよ!大本営!』

2020-05-08 10:16:07 | 観劇三昧・演劇動画を観て劇団を応援しよう

観劇三昧:アガリスクエンターテイメント『発表せよ!大本営!』

2020/5/4

1942年、日本の海軍報道部が各部署との二重三重の板ばさみに苦しみながら大本営発表をしようとする話。

同劇団としては珍しく場面転換を多用しながら、シチュエーションコメディの手筋で盛り上げつつ、物語として収束させていく手際はさすが。

何気に大本営発表っぽさを支える平入大佐の声質。

代田中佐が電報越しに体育会系の軍人をねじふせるところがかっこいい。

電報周りの雑な処理は好き。こういうところをリアルにやっても何の意味も無い。

わりとハートウォーミングなコメディ風にまとめていたので、ちょっと戸惑う。

下山中佐のくだり、もう一山あるもんだと思って見ていたので、すっきりしない。

考えるのはあなた自身だってことなんだろうけど。

わかる人はわかる…では微妙なので、「ブラックコメディ」と銘打つことが結構重要だったんだと思う。

 

詳細(観劇三昧HP、キャストは動画内のテロップと劇団HPより)

■公演時期 2019/08/18

■地域 関東

■キャスト
浅野:淺越岳人
藤井放送員:伊藤圭太
三並綾子:榎並夕起
赤島放送員:鹿島ゆきこ
熊川ハル:熊谷有芳
代田中佐:津和野諒
前畑:前田友里子
平入大佐矢吹ジャンプ(ファルスシアター)(以上、アガリスクエンターテイメント)
甲斐谷勇太:甲斐優風汰(さるしばい)
川上献心(劇団風情)
富澤大佐:北川竜二
木田大佐:木内コギト(\かむがふ/)
三神中佐:斉藤コータ(コメディユニット磯川家)
高櫛中佐:高木健(エンニュイ)
下山中佐:山下雷舞

アンサンブル:加糖熱量(裃-這々)

■スタッフ
脚本・演出:冨坂友
ドラマターグ:中田顕史郎
文芸助手:淺越岳人
演出助手:加糖熱量(裃-這々)
稽古場代役:川口知夏
舞台監督:大地洋一
舞台美術:袴田長武
音楽:三濱徹也
音響:久郷清
照明:山内祐太
衣装:熊谷有芳
宣伝美術:津和野諒
舞台写真:石澤知絵子
記録:井上良
制作:佐伯凛果
制作助手:樫村健人
当日運営:宮野風紗音(エンニュイ)
企画・製作:アガリスクエンターテイメント
協力:NPO法人S.A.I・エンニュイ・officeKEEL・\かむがふ/・劇団風情・コメディユニット磯川家・さるしばい・俳協・ファルスシアター・フォセット・コンシェルジュ

■あらすじ

1942年6月。行け行けドンドンの楽勝ムードで臨んだミッドウェー海戦にて歴史的な大敗を喫した日本軍。
戦勝パーティーまで準備していた海軍は、ショックも冷めやらぬまま新たな問題に直面する。

ーーーこの結果を国民にどう発表する?

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株式会社オフィスインベーダー『ヒストリーズ・ジャパン』

2020-04-27 17:09:36 | 観劇三昧・演劇動画を観て劇団を応援しよう

観劇三昧:株式会社オフィスインベーダー『ヒストリーズ・ジャパン』

2020/4/27

歴史上の登場人物が10本の漫才で古事記から昭和の終戦後まで日本の歴史を振り返る話。

1本あたり10分程度とは言え、多い、長い。

基本的には役者さんによる漫才。

同じ人前で話す仕事なんだけど、漫才師と役者の領域の違いを探りつつ楽しむ。

そんな中でも、きれいに台本どおり話すというより、アドリブ混ぜてみたり、間を外したり、色々チャレンジしている感じ。

一人で何役もこなしているうえに、収録回がその日の3回目らしく、疲れるのか、明らかにグダグダなくだりもある。

お客さんは臨場感と取ってくれるのかな。

「ナマハラミオオグイノカミ」とか「わが国は鎖骨出てた」とか、細かい言い間違いが好き。

固有名詞がちょいちょい古い。2015年で「ウィッキー」とか通じるんだろうか。

自分は門外漢だけど、「歴史」と「漫才」は詳しい人ほど厳しいイメージ。

そのあたりの人の評判はどんなものなのか気になる。

※動画時間/02:17:48

 

詳細(観劇三昧HP)

■劇団名 株式会社オフィスインベーダー

■公演時期 2015/10/22

■地域 関東

■キャスト
森本亮治
松本寛也
松原夏海
柏木佑介
土井一海
山崎大輝
岡田地平
ナカムラアツシ
安藤ヒロキオ
小野由香
佐藤蕗子(mizhen)

■スタッフ
総合監修:なるせゆうせい
歴史監修:後藤武士(代表作「読むだけですっきりわかる」シリーズ)
音楽:Co.慶応
企画:オフィスインベーダー

■あらすじ
歴史上の登場人物たちが漫才形式で史実を大暴露。
知的好奇心を刺激する抱腹絶倒の歴史漫才。

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アガリスクエンターテイメント『卒業式、実行』

2020-04-20 19:15:39 | 観劇三昧・演劇動画を観て劇団を応援しよう

観劇三昧:アガリスクエンターテイメント『卒業式、実行』

2020/4/20

・卒業式を計画どおり実行したい生徒と、国歌斉唱や国旗掲揚をねじ込みたい校長が対立する話。

・卒業式開始30分位前の舞台袖から始まる。

・卒業式のステージ上や体育館のフロアで何が起きているのかは、基本的に見せない。場面転換はない。

・卒業式という装置が秀逸。お客さんに外の様子を想像させるのは、ワンシチュエーション物のごく基本的な考え方だけど、そもそも感傷的になりやすい行事だということに加えて、自然な流れで、各人に、大きなリスクと制限時間を背負わせることができる。

・作中で卒業式が始まって終わる。

・ごく少人数の卒業式実行委員会が、狭い舞台袖で、大人も含む、たくさんの参加者を動かしている様子にもスリルがある。共感できる人は多そう。

・動画のテロップに、「式(ショウ)・マスト・ゴー・オン。」とあるとおり、東京サンシャインボーイズの『ショウ・マスト・ゴー・オン』が下敷きと考えてよさそう。

・物作り担当がスランプになっているところや、大きな旗状の物を振り回すところ。

・蓋があかないのは『王様のレストラン』か。

・最初の三分で問題点の説明が終わっている。

・始まってから最初の笑いまで早い。回転も速い。

・さすがに本家から四半世紀も経っていると、錬度も精度も相当進化している。

・登場人物が打算で動いていて魅力が無い、というのは、こういうタイプの作品ではありがちな批判なんだけど、本作では信念だったり愛情だったり、魅力を損なわずに残念な感じの人物設計できていて楽しい。

・式次第の件とか、熊谷さんの行動が非常識すぎるんだけど、そこに説得力を持たせる立ち振る舞い。ブレーキが壊れたダンプカーみたいだった。

・結構な数の登場人物全員にちゃんと見せ場がある。

・見た目チャラいのにしっとり美声のアナウンス担当、話し方まで浮世離れした美術教師。特に思想と技術が一致していない吹奏楽部に爆笑した。

・基本的に軽さと勢いで見せる話なんだけど、国旗掲揚や国家斉唱のエピソードは重い。

・価値判断はしていないので、見た人がそれぞれ考えらればいいんだけど、ただのライトコメディで終わらせない一発もしっかり入っている。

 

詳細(観劇三昧HP)

■劇団名 アガリスクエンターテイメント

■公演時期 2018/02/25

■地域 関東

■キャスト
淺越岳人
榎並夕起
鹿島ゆきこ
熊谷有芳
甲田守
沈ゆうこ
津和野諒
矢吹ジャンプ(ファルスシアター)
前田友里子
(以上アガリスクエンターテイメント)
星秀美(レティクル東京座)
前田綾香(トツゲキ倶楽部)
山岡三四郎(ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン)
斉藤コータ(コメディユニット磯川家)
藤田慶輔(EFFECT)
中田顕史郎

スタッフ
脚本・演出:冨坂友
文芸助手:淺越岳人
演出助手:岡田リオス拓人
舞台監督:大地洋一・鈴木沙織
舞台美術:袴田長武
音楽:三濱徹也
音響:久郷清
照明:山内祐太・中佐真梨香(空間企画)
衣装:熊谷有芳
小道具:沈ゆうこ
式次第:前田友里子
宣伝美術:津和野諒
宣伝・舞台写真・着物監修:石澤知絵子
フライヤーモデル:榎並夕起
校歌演奏:鴻陵楽団(国府台高校吹奏楽部)
制作:佐伯凛果
制作助手:樫村健人
制作協力:しむじゃっく
企画・製作:アガリスクエンターテイメント
協力:EFFECT・NPO法人S.A.I・コメディユニット磯川家・JCM・ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン・トツゲキ倶楽部・ファルスシアター・4C・フォセット・コンシェルジュ・レティクル東京座
スペシャルサンクス:千葉県立国府台高等学校

■あらすじ

3月8日朝、卒業式実行委員長・榎並夕起は頭を抱えていた。

自主自律を重んじ、卒業式の企画・運営も生徒が主体となって行ってきた国府台高校に、突如降ってきた「卒業式での国旗掲揚・国歌斉唱問題」。
職務命令のために実施しなければならない教員側と、自治のために反対する生徒側。政治思想も巻き込んで、校内世論は真っ二つ。解決のための協議も決裂。
どちらのプログラムで式を執り行うのか、決まらないまま式当日を迎えてしまったのだ。

校門前には街宣車。火花を散らす生徒と教師。介入してくる保護者にOB。
果たして卒業式実行委員は無事に式を遂行することができるのか!?
委員長は憧れの先輩の卒業式を成功させることができるのか!?

ーーーそして、開式の時間がやってきた‼

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劇団うんこなまず『タンバリンが赤い』

2020-04-13 12:34:15 | 観劇三昧・演劇動画を観て劇団を応援しよう

演劇三昧:演劇動画を観て劇団を応援しよう

2020/4/13

作中人物の「俺」が、自室や自分の説明をしている間に、客や前説が割り込んでくる話。

ほんとに「話」なのかもよくわからない。演劇の中に出てくるノイズで演奏している感じ。

舞台上にいる演者のモノローグ中に、客席の前を身をかがめた男性がささっと横切る。

客だったり、スタッフだったり、演劇を見に行くとたまに見かける様子なんだけど、その男性が接触した女性観客は、そのまま立ち上がって演技スペースに入ってくる。

普通に見たら上演中の事故なんだけど、もちろん計画されたもので、今度はその女性観客が訥々ともモノローグを始める。

難しいことは言っていないので、言葉の意味はわかるけど、全体でなにが言いたいのかは理解できない。

いかに言葉が内包する情報を利用せずに、配置や順番で印象を残そうとしている感じだった。

大分前のことなので、清原の後の野村ってどの野村だったのか思い出すのに一晩かかった。

 

詳細(観劇三昧HP)

■カテゴリー ドラマ

■劇団名 劇団うんこなまず

■公演時期 2016/02/13

■地域 近畿

■キャスト
『大大阪舞台博覧会 vol.2』参加作品

■スタッフ
作・演出:繁澤邦明

■あらすじ

『大大阪舞台博覧会 vol.2』参加作品

「大阪にはどんな劇団があるの?」
「どのパフォーマーが面白い?」
大阪市が主催する「アーティストを発掘・育成・サポートしていくのはファンである観客である」 というコンセプトに基づいた舞台公演企画。
応募総数57組から選ばれた、関西を代表する若手・ベテラン24組の短編舞台作品を一挙公開!

▼団体紹介
大阪大学や大阪市立大学などの学生劇団OBを中心として結成し、活動するインディーズ劇団。「無執着な脚本」「時空間で遊ぶ演出」「役者の人間味とチームプレイ」が入り混じった作風は、時代に垂直に立つ、中毒性のある『うんなまワールド』を形成している。近作でいただいた感想は「意味不明」「無意味」「寂寥感」「現代性と猥雑さの両立」「音楽的」「心地よい散文詩」「ストイック」「ジグソーパズル」「体験」「演劇」など。

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伊藤えん魔プロデュース『百物語2018「不死女」』

2020-04-12 21:29:37 | 観劇三昧・演劇動画を観て劇団を応援しよう

演劇三昧:演劇動画を観て劇団を応援しよう

2020/4/11

百物語を主催した男が、この世のものとは思えない赤い服の女に付きまとわれる話。

ジャンルはホラーでいいんだと思う。

演劇は、映画と比べると少しホラーとの相性が悪い印象。

映像効果的なものはつかえず、生身の人間が演じているので、人あらざる物を見せるのは大変。

特殊な身体表現能力が無いとなかなか難しい。

ほんとは落語や怪談みたいに想像力を喚起する方向が王道なんだと思う。

本作はそのへんも折り込み済みで、記号的な演技多め、心地よい音楽の使い方、コミカルのシーンも節々に入れて、ほどほどに怖くて、気軽に楽しめるように調整している、ように見える。

上演時間も1時間弱で見やすい。

ライトホラーという言葉はあんまり聞いたことないけど、仕事終わりに見て、ちょこっとお酒飲みながら感想を語り合うのに、ちょうどよさそうな作品。

娯楽の基本だと思う。ライブで見たら全然違うかもしれないけど。

バットで頭殴るシーン怖い。自分だったらプレッシャーでホントにやってしまいそう。

 

詳細(観劇三昧HP)

■カテゴリー コメディ, ホラー・スリラー

■劇団名 伊藤えん魔プロデュース

■公演時期 2018/08/10

■地域 近畿

■キャスト
宮都謹次
西原希蓉美(満月動物園)
上原日呂(月曜劇団)
鈴木洋平
西川さやか(月曜劇団)
橋本真衣乃(ジョーカーハウス)
南光愛美(劇団猫の森)
田村K-1
川添公二(テノヒラサイズ)
鈴木麻由
メイスン
長谷川健
乾真弓瑠
大田芽依
松嶋唯那
吉田桜
延命聡子(中野劇団)
伊藤えん魔

■スタッフ
作・演出:伊藤えん魔
舞台監督:田村K-1
照明:池田一星
音響:Motoki Shinomy
衣装:山口夏希
小道具:水季遙
舞台写真:山田徳春(STUDIO 500G.)
舞台記録:武信貴二
制作:天野美帆・星川葉月
企画制作:オフィス・ファントマ
協力:近鉄アート館・シバイエンジン・松竹芸能

■あらすじ

その男は平凡だった。
ただすれ違った奇妙な女。
その女と出会った瞬間から男の日常が崩壊する。
執拗なストーキング。身の毛もよだつ偏執狂。
そして起こる悲劇的な事故。女は死んだ。
だが、その女は何度も姿を現すようになる。
「あいつは…なぜ死なないんだっ…!?」
悪夢か現実か? 繰り返される恐怖の連鎖。
不死の女に追われる無限の恐怖…

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