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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

Dan Hodgson『恋は盲目』

2025-09-08 15:11:41 | SAMANSAで見た

Dan Hodgson『恋は盲目』

2025/9/8

男女が性的にいちゃついている家に、女の恋人が帰ってきてしまう話。

最初から前振りなく男女のことが始める。

日本の実写ドラマの場合、セックスシーンになると急に様式的になることが多いけど、二人ともちゃんと「これからやるぞ!」という感じにあふれている。文化的にキスのハードルが高いことも影響してるのかも。

基本、前情報なしに見るので、女の本来の恋人がろう者なのに面食らう。

必然性がなくても当たり前のように登場しているは多分いいことではある。

話自体はそのろう者の特性を生かして、間男が大声で女とコミュニケーションを取りながら家からの脱出を図る。ろう者の特性は記号的に扱われている。

いくらろう者と聞いていても本当に全く聞こえないかはわからないんだから、いくらなんでも油断しすぎなのではと気が気じゃない。

最後のオチも、意味は分かるし上手いとも思うけど、気づかないもんかね。

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Ariel Heller『マンモス』

2025-09-07 23:50:29 | SAMANSAで見た

Ariel Heller『マンモス』

2025/9/7

末期の病気で安楽死を選択した男が、弟の運転で寄り道をしながら母親の家へ向かう話。

マンモスは母親のいるところ。イギリスの地名。アメリカだと思いながら見ていた。

死ぬ前にやることのリストを作ってひとつずつ潰していく。

似たようなコンセプトの邦画を見たことがあるような気がするけど、全く思い出せない。

お調子者の兄と真面目そうな弟。誰よりも親身になって行動しているのに、どことなくよそよそしい。

いい年した兄弟っぽい感じがよく出ている。

文字通り死に水を取ることになった弟の精神的負担は相当なもんだと思うけど、まさか母親に任せるわけにもいかない。つらいけどやるしかない。

思い返すと死んだふりジョークはストレートすぎる結末に余白遺すためなんだと後で気づいた。

一本道の切ない話だけど、クソ上司へのショボい復讐とか、親友家族とのじゃれあいとか、しっかり笑えるところもあっていいバランスだった。

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Jeremy Lee Mockenzie『森の中の刑務所』

2025-09-04 23:18:48 | SAMANSAで見た

2025/9/4

SAMANSAアンケートの返礼としての限定公開。

リーアジャストメントという実在する私営の矯正施設か刑務所かで起きた暴動を、受刑者の一人のVR目線で再現する話。

この事件自体、日本語のサイトにはあんまり情報がないようで、英語サイトのほうでそれっぽい事件を見つけた。

そもそも犯罪者を収監する施設が私営というのがアメリカらしい。

日本じゃ考えられないけど、今は日本もそういう倫理観みたいなものは削減される方向に世の中が動いているから、どうなるかはわからない。

だいぶん粗い絵でも直接受刑者から話を聞いているだけあって、生々しさを感じるし、単純に知らない世界のことが知れて楽しい。よくも悪くも世の中は広い。

簡易寝床に窓があって、木が風に揺れているのを見るのが好きだったらしい。

しんどい生活だからこそ、それが癒しになっていく感じは、全然立場の違う自分でも共感できた。

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Charlotte Karas『獣』

2025-08-28 22:35:31 | SAMANSAで見た

Charlotte Karas『獣』(SAMANSA)

2025/8/25

服や顔に血を付けた男の子が、夜の街中を走っている話。

女の子かと思っていたけど、後であらすじを見たら男の子だった。

言葉をほとんど使わず、少しだけ超現実的な映像表現と、少年の動きと表情をじっくり見せる。

ちゃんと適切な環境で撮影できているのか心配になるほど、男の子の極限状態の演技がうまい。

テーブルの下が秘密基地っぽくなっているところで、これが男の子にとっての日常なんだとわかる。

事が起きる前に、彼らが男の子を事務的に誘導しているところがつらい。

最後の救いにならない救いでもちょっとほっとしてしまう。

前半パートのただ走っているだけのシーンにいろいろな情景を重ねていくところが好き。

演劇だとどうやっても走るという行動は様式的にならざるを得ないので、不穏ながらも楽しかった。

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Ivar Aase『コンプリケーション』

2025-08-27 07:05:00 | SAMANSAで見た

Ivar Aase『コンプリケーション』(SAMANSA)

2025/8/25

リモートSM嬢が、プレイ中の顧客に発生したアクシデントを解決しようとする話。

自分が真っ先に連想するのはオパンポン創造社の名作短編演劇『最後の晩餐』。

SM嬢のオンオフのギャップを面白がる構造が似ているし、探せば類型もありそう。

必ずしも爆笑を狙う方針ではないようだけど、しっかりギャップを引き出しつつ、思いのほか爽やかにまとめられている。

リモートSMという最近の技術を使ったよくわからない仕事。

それで満足できるんなら、たしかに身バレも避けられそうだし、SM嬢側の安全も確保されるし、いい仕事なのかも。

正攻法だと『オペレーター』になるし、こういう変化球もおもしろい。

自分だったら、こんなことは二度とごめんだけど、ああいう切り返しができるのは、やっぱり若者らしいエネルギーがあるんだなと感じた。

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Jaime Ng『小さな胸、大きな悩み』

2025-08-23 23:39:31 | SAMANSAで見た

Jaime Ng『小さな胸、大きな悩み』(SAMANSA)

2025/8/23

女の子が胸が小さいというコンプレックスと向き合い続ける話。アニメ。

小さい胸を揶揄するような表現は昔からほんとにたくさんある。

以前なら男が女をからかう時の常套句みたいなところがあったけど、単純にハラスメント味が強いし、今はそういう表現に接すると面白さよりも古臭さを感じてしまう。

これって言われているほど普遍的なテーマなんだろうか。

実際、胸が大きい方がいいという価値観も、男側と女側でかなり温度差はありそう。

本作では、女の子が「大人の女性の象徴としての胸の大きさ」に憧れているように見える。

絵柄は全く色っぽくないし、男が性的に消費するための作品には見えない。

それでもやっぱり既視感のノイズが強くて、あんまり楽しめなかった。

シンデレラのガラスの靴のかわりに、胸パットを持って王子様が白馬で駆け抜けていくところはちょっと面白かった。

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Eric Kissack『ザ・ガンファイター』

2025-08-21 23:44:00 | SAMANSAで見た

Eric Kissack『ザ・ガンファイター』(SAMANSA)

2025/8/21

西部劇のナレーションの声が、登場人物に筒抜けになっているという設定のコント。

一見、古き良き時代の西部劇という感じ。

役者さんも西洋人が西部劇をやるので、ビジュアル的には申し分ない。

日本人がやったら本当にフザケ要素が濃くなって、良くも悪くもゆるゆるになるところ、しっかり枠組みが作られている。

日本人で似た空気を作るなら時代劇とかになるんだろうな。

いわゆる天の声とか、神の視点に立つ声が登場人物の内面から秘密から乱れた性生活まで次々と暴露する。

10分もない短編なのに登場人物が多すぎて固有名詞の多さについていけないし、ハラスメント味のある言動がユーモアだと勘違いしているような雰囲気も感じる。

長篇でこれをやるならともかく、短編としてなら斬新というほどでもないし、最後の展開はいいとしても、もう一ひねりほしい感じはした。

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Jeda de Brí『ファイヤー・ソウル』

2025-08-20 23:42:29 | SAMANSAで見た

Jeda de Brí『ファイヤー・ソウル』

2025/8/20

ガソリンスタンドでワンオペ夜間勤務している女性エマが、環境テロの男に絡まれる話。

アイルランドの作品。

おそらく防犯上の理由から、ガソリンスタンドの事務所内には、外部の人間が入れないようになっている。

原則、客とはガラス越しにマイクで話す感じ。車の運転をしないからわからないけど、日本でもそういう感じなのかな。

街を出た人間と、残った人間。

エマは狭いオフィスの中で、外に出ない選択をした側の人間。

それでも、見ていると、街の外に出たか出なかったかは、大した問題ではないという展開になっていく。

意外なほどポジティブなテーマでその部分には共感する。クライマックスも楽し気でよい。

ちょっと老けた感じの自信の顔が自身に映るシーンや、ネオンの色味など、映像もかなり凝っている。

ただ、やっぱりガソリン事故の扱いが、楽しめる範囲を超えていて、素直に楽しめない作品だった。

あと、警察は仕事しろ。

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College Humor『ジェギンズは絶対禁止』(Part.1~3)

2025-08-19 23:31:40 | SAMANSAで見た

College Humor『ジェギンズは絶対禁止(Part.1)』(SAMANSA)

2025/8/19

授業の前に臨時の教師が、ジェギンスをはじめとする生徒の不適切な格好を咎め、キレ散らかす話。

さすがにアホらしくて、Part1から3までまとめて書く。一話あたりおおよそ2分。

完全にテンション芸で、ぼんやり見ていたら、あっけにとられているうちに終わった。

どの話も、教師が素っ頓狂な格好(あるいは全裸)の生徒にツッコミを続け、最終的にはその教師が一番ひどいことをするという構造。

ジェギンスはジーンズとレギンスの中間みたいなものらしい。アメリカではどういう位置づけの服装なんだろう。

確かに体のラインがくっきり出るのでエロいと思えばエロいのかもしれないが、そんなことは話の枕にすらならない程度に、下品な展開になっていく。

ほんとにどうしようもない作品だけど、テンション芸らしくテンポがいいので、後味はそんなに悪くなかった。

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Nata Metlukh『気まずいあるある』

2025-08-17 23:43:46 | SAMANSAで見た

2025/8/17

日常にある気まずい瞬間を寄せ集めたアニメ。

道端ですれ違おうとして同じほうに避けてしまう二人や、山積みの果物を一つ取ると全体が崩れてしまうようなベタなものから、ほんとうにそれはあるあるネタなのかという独創的なものまで色々ある。

個人的には、空港の受付で、長蛇の列を誘導するグネグネした簡易柵のエピソードが気に入った。

白杖のふたりの正面衝突や、足のない男の登場など、日本の作品よりも普通の幅が広い感じがする。たぶんこれはいいこと。

あるあると言っても、大きなザリガニを抱いた紳士をはじめ、明らかに様子のおかしい列車の乗客。

果物の山積みも、結局何屋のどんな種類の果物かわからないうえに、崩れたあと台の底からどんどん果物が沸いて出てきたりする。店のレイアウトもだいぶん変。

思っていたよりちょっとだけおもしろかった。

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