遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

「TGR2018授賞式」

2018-12-06 01:04:47 | 演劇を見てきた・TGR2018

TGR2018参加作品一覧

2018/12/5

・例年どおり今年もTGRの授賞式に行く(授賞式は入場無料で誰でも入れる)。

・例年と違うのは今年の参加全31団体のうち、24団体も観たこと。賞レース予想がいつになく楽しい。

・去年、全作品を見るのはどんだけ大変なんだろうという疑問が沸いたので、人体実験してみた。

・大賞と新人賞エントリー作品は、それぞれ1団体ずつ見落としたものの、ほぼ全部見ることができた。

・フルタイムの仕事をしつつ、脚本の締め切りを抱えながら、チケット代を払い、感想をブログに上げた。

・我ながら観客賞をもらってもいいのではないか。

・たくさん見たから偉いというわけじゃないけど、たくさん見たから言えることもある。

・正直なところ、もっと辛いかと思っていた。

・少なくとも今回に関しては、多少退屈な作品でもいいところは必ずあって全体的に好意的に見ることができた。

・つまり札幌の演劇作品のレベルが一時期に比べて確実に底上げされている。

・審査員の平田修二さんも似たことを仰っていて共感。

・賞レースは予想が結構当たってて逆にびっくりする。

・世界エイズデーシアターはすばらしかったんだけど、企画先行なのは間違いないので、優秀賞までは入っても大賞は難しいと思っていた。

・誰が見ても楽しめる会話劇が評価されたのは、作風が近い自分にとっても元気が出る。

・優秀賞二作は、空宙空地とこふく劇場。

・どちらも大賞の本命だと思っていたので、名前を呼ばれた瞬間は「おめでとう」というより「大賞じゃないんだ」という驚き。

・俳優賞には村上義典くんと木山正大くん。

・二人とも可能性はあるとは思っていたものの、それこそ空宙空地のおぐりさんが強いのかなと予想していた。

・予想は外れたけど、二人ともとても良かったので、勝手にうれしくなる。

・交流会では、関係者の方々に直接気になったところを質問できてよかった。

・『裸足でベーラン』は『裸足で散歩』とは関係なかった。さすがに強引だったか。

・それなりに散財したのは痛かったけど、全体楽しかった。

 

《TGR2018結果》(Twitterの公式アカウント参照)

◆TGR札幌劇場祭2018大賞◆
世界エイズデー札幌実行委員会
世界エイズデーシアター「TEA FOR TWO~二人でお茶を~」

◆TGR札幌劇場祭2018優秀賞◆
劇団こふく劇場 「劇団こふく劇場第15回公演 ただいま」

◆TGR札幌劇場祭2018優秀賞◆
空宙空地 空宙空地3都市ツアー札幌公演「轟音、つぶやくよう うたう、うたう彼女は」

◆TGR札幌劇場祭2018新人賞◆
演劇家族スイートホーム「裸足でベーラン」

◆審査員賞◆
RED KING CRAB「ガラスの動物園 The Glass Menagerie」

◆審査員賞◆
旅木演劇工房 「丘の上の桜の木に」小島瑚乃美さん
※俳優賞は大賞エントリー作品の出演者からの選出となるため、審査員賞での受賞です。

◆俳優賞◆
村上義典(世界エイズデーシアター「TEA FOR TWO ~二人でお茶を~」/世界エイズデー札幌実行委員会)
木山正大(RED KING CRAB2018「The Glass Menagerie ガラスの動物園」/RED KING CRAB)

◆TGRのホームラン王2018◆
☆1700個でトランク機械シアター「ねじまきロボットα~バクバク山のオバケ~」です!おめでとうございます!

◆TGRの首位打者2018◆
平均評価数4.88で、人形劇団ぱぺっとグース「人形劇「舌きりすずめ」ほか」

大賞は選んでなかったけど、意外と当たっていた予想。

ハンコもらい忘れただけで教文は「書を捨てよ~」、cube gardenも「DELETE」で行っている。本来の趣旨はスルーした。

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総合学園ヒューマンアカデミー 札幌校パフォーミング アーツカレッジ『The Nutscracker』

2018-12-05 11:04:33 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/12/2

・くるみ割り人形に出てくる王子が、いかにくるみ割り人形になったかを描いた前日譚。Aキャスト。

・元のくるみ割り人形ですら、わりとぼんやりした知識しか持ち合わせていないのでウィキで確認しつつ恐る恐る見る。

・出演者みんな見るからに若い。体つきも演技も若い。立ち姿のきれいな人が多いような気がする。

・歌に踊りに殺陣とできることは全部詰め込んでいる。

・歌にはマイクが入っていないように聞こえたけど、使えない事情があったのかな。

・小劇場系の劇団ではあんまり見ない豪華なドレス。普段見ないので、目が楽しい。

・ソーセージ(的な食べ物)がうまそう。

・「不味い苦しいと見せかけて旨い」と見せかけて「味が足りない」という見切り発車的なリアクション。

・敵がハツカネズミ。かわいい。あんまり害をなしそうな感じがしない。ハツカじゃなかったのかも。

・巨大ネズミに出てきてやっと悪っぽくなる。

・目先の利益で大衆の行動を縛るという権力者にありがちなイラっとするモデル。

・ネズミのボス、マウゼリンクスがかっこいい。

・敵の女ボスに風格があるとそれだけで満足感がある。

・魔法のくるみの名称。何度も聞いたのに発音がむずかしくて最後まで覚えられなかった。滑舌はいいので聞けばわかるんだけど。

・くるみを食べさせると呪いを解くことはできるけど、そのくるみを噛み割ることができるのが王子だけ。

・そのため、王子自身が呪いにかかると元には戻せなくなってしまう。凝っている。

・それに対して、元の話での解呪の条件がぼんやりしすぎているような。

・ドロッセルマイヤーとクリストファーのバディ感。

・ネズミの女王と戦う主戦力が天文学者と鍵屋。こんぺいとうの女王にくるみ割り人形。

・この物語世界かわいい。

・スパナってどうしてあんなに武器っぽいんだろう。ただの工具なのに。

・前日譚でバッドエンドは確定している。それでも、話を盛り上げて後味が悪すぎてはいけない。

・こういう制約のなかで話を作るのはとても楽しそう。

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劇団こふく劇場『ただいま』

2018-12-04 01:05:08 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/12/2

・突如提案された「あさ子」のお見合い話から始まって、各人の日常と事件を描いた話。

・寝不足がたたって、ログラインすら取れないレベルでウトウトしてしまう。

・なので説得力はまるでないけど、見せ方の様式が面白い(というか、表面的なところしかわからない)。

・HPによれば日常を描いた話なので、「何を描くか」ではなく「どうやって描くか」が印象的な作品、かも。

・登場人物はほとんど正面を向いて会話する。

・会話中は動かないか、ごく単純な動作の繰り返し。

・移動はほぼすべて腰を落としたすり足。

・20センチくらいの木の棒で大体の小道具を表現する。

・こんなエッジの効いた表現を受け入れる宮崎の人たちはどんだけ文化度が高いんだとおののく。

・アフタートークを聞くと、作品ごとに見せ方を変えているんだとわかって少しほっとする。

・ということは、題材に応じて、都度、様式を作っているんだという別の凄味が見えてくる。

・作演出の者の永山智行さんが「演劇を作るのに劇団という形式が最も有効」のようなことを仰っているのも、大変説得力ある。

・オールスターの代表チームより小さく密なクラブチームのほうが強いと言い切る感じ。こだわり方がすごい。

・ナレーション部分はシーンにいない人が語り上げ、時には群唱にもなる。揃った宮崎弁が心地よい。くわえて楽器演奏に様々な歌。

・メトロノームを鳴らしながら、一定リズムで語る練習をしていたという話はほんとなんだろうか。

・聴覚的に心地よすぎるので、ウトウトしてしまったのがほんとに寝不足だけのせいなのかという疑問もちょっと浮かぶ。

・ウトウトするたびに、鼓的なものがポンと鳴ってハッっとするパターンが続く。客席で何やってんだ。ほんとすみません。

・アフタートークで弦巻啓太さんが、その演出方針のストイックさを強調していた。

・小津安二郎の影響も指摘されてて納得。さすが。

・あまりに消化不良なので、台本を購入した。これ以上失礼を重ねないようにきちんと復習したい。

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ゆるりっか& おたから♪めがね 人形劇『クリスマスキャロル』『けしごむのゴムタとゴムゾー』ほか

2018-12-04 00:26:49 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/12/2

・人形劇『けしごむのゴムタとゴムゾー』『クリスマスキャロル』、劇間にお姉さんによる面白い話などなど。

・『けしごむのゴムタとゴムゾー』は、働きすぎで汚れたゴムタを見て、ゴムゾーが働くのを嫌がる話。

・自分が鉛筆と消しゴムを使っていた時期があまりに昔なので、今の子供もまだ鉛筆と消しゴム使うのかしらと勝手に心配する。

・そして、「あのゴムタってのは俺のことなのでは?」としみじみ自己投影してしまう。

・ただ、働くのを嫌がるゴムゾーの気持ちもよくわかる。

・消しゴムの角を潰す時の悲しみというか、ためらってしまう感覚はしっかり自分の脳の奥にも残っている。

・むしろ、ゴムゾーに共感すればするほど、ゴムタの人の良さが狂気じみて見えてくる。

・鉛筆の芯が折れたのは、いくら消しゴムが頑張っても…というのは、たぶん考えないほうがいい。

・劇間では、仕掛けの付いた絵本を使ったトーク。

・しおむすびが描いてあるページの一部を引っ張ると海苔が出てきたり、ピーマンのシールをひっくり返すとみじん切りになっていたりする絵本。

・そして、シマシマから何のイラストか当てるゲーム。

・ストローとか服とか出題者の塩梅じゃないかと思っていたら、子供たちからもしっかりツッコミが入っていた。

・ゴムタもそうだけど、こういう隙を見せるのも、子供の注意力を養うための工夫なのかもしれないと、うっかり深読みしてしまう。たぶん違う。

・内容は他愛なくても、大人がアナログな道具を使って本気で工夫した感じが伝わってきておもしろい。

・『クリスマスキャロル』は偏屈なけちんぼ爺さんが、不思議な力で現在・過去・未来を見せられ改心する話。

・最初紙芝居が始まるのかなと思ったら、額縁とその中の絵がそのまま舞台装置のようになって、人形たちがその前で演じる。

・各人形の頭に棒が付いていて、操作は上から行う。

・舞台装置や人形が緻密に作られていて、ドールハウスを覗き見るような魅力がある。

・最後、じいさんの気前が良くなりすぎて心配になる。

・寄付慣れしてないからハイな状態なんだろうな。老後の備えはちゃんとできていたんだろうか。

けしゴムのゴムタとゴムゾー
クリエーター情報なし
BL出版

※絵本見ると再現度の高さがわかる。

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劇団バカdeジャネイロ『笑いの階段 Vol.13』

2018-12-02 23:34:46 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/12/1

・劇団バカdeジャネイロはコント、ブレイカーズは漫才のネタを交互に披露するお笑いライブ。

・途中でロシアンルーレット式に誰かがまずい何かを食べるゲームを挟む構成。

・TGRのHPには「学生中心の劇団」とあって四人全員若い。

・EDiTは初めて。割と余裕を持たせつつパイプ椅子を並べて30席くらいか。

・ただ、開演の時点でお客さんが9人(うち1名は乳児)。

・途中で何人か増えたものの、こういう会場に遭遇したのは本当に久しぶり。

・こういう場だと、やるほうも大変だけど、見るほうも相当落ち着かない。

・お客さんは、よく笑う女の子二人が生命線で、若い男性で一人反応のいいお客さんもいた。

・舞台上は舞台上で頑張っていたと思うけど、客席もかなり健闘していた。

・実際、どんな形であれ、あの客席の状態でお客さんが笑うのはすごい。

・オープニングは四人が並んで出てきて一人ずつ自己紹介&拍手。段取りを少し変えるだけでかなりテンポアップできそう。

・相手が自分より若いことをいいことに、どうしてもダメ出し目線が抜けず、申し訳ない気持ちになる。

・ほとんどのネタの間に、演者さんの集中力が切れているように見える時間帯がある。

・その場の閃きに自信があったのか、客席がさびしかったからなのか。

・単純にネタ自体の尺を短くするとか、閃き勝負の部分と準備する部分は区別したほうがいいとか、ああ、もう、ホント門外漢がえらそうにすみませんという気持ちと闘いながら見る。

・ともあれ、集客の大切さを再認識する。

・ドリフのネタが今の若い人にも通用していて驚く。

・キャリア的にはたぶん下積みにあたるような企画。

・頻繁に入る内輪笑いとか、乱暴な客いじりとか、まだ加減がつかめていないようだし、トライ&エラーはできるうちにやっておいたほうがいい。

・シリーズを13回も続けているのもえらい。

・ネタ的にはオカルト研究会が一番好き。

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世界エイズデー 札幌実行委員会『TEA FOR TWO ~二人でお茶を~』

2018-12-01 02:18:42 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/29

・一年に一度、おなじホテルの一室で逢引するゲイの二人を25年間定点観測する話。

・村上義典くんと梅原たくとさんの二人芝居(面識のあるなしで敬称が逆転している)。

・最初はベッドに二人。ベッドから起きた一人が動揺して部屋をうろうろしていると、もう一人の男が半身を起こして彼の様子を見つめる。梅原さんが小動物感のある顔で表情だけで会話している感じ。

・最初の1~2分で状況と関係性が大体わかってしまうというスピード感と、村上くんがパンツと靴下片方だけ身につけた、ほぼ全裸でただただ慌てている15分間。緩急。

・ほぼ5年おきくらいに二人の再会の様子が描かれる。

・その間でそれぞれの立場や関係性がどんどん変わる。同時にゲイをとりまく環境が少しずつ変わっている。

・演者二人がそのギャップをうまく笑いに変えている。

・急激に変わる人間と、ゆっくり変わる社会、そんな変化を、変化しないホテルの一室で見せるのがおしゃれ。

・場転の見せ方もおしゃれ。

・舞台が札幌。使い古された地元ネタが多くて、基本的には道外の人向けの話なんだと思う。

・それでも、ゆかりの話題が出てくると嬉しいし、東京に住む人は、東京が舞台の映画やドラマをこんな気持ちで見ているのかとわかって、ずるいと思ってしまう。

・北海道弁は、少し前の話であることを差し引いても、ああいう話し方をする若い人は少なかったはず。

・ただ、梅原さんの北海道弁は滑らかで、何なら真似したくなるような温かみもあって地域語の再評価的な意義も感じる。

・基本的に二人のやりとりをケラケラ笑って見れいればいんだけど、名前を教えることの重さや、恋人の意味合い、当事者感覚をなんとなく共感できて勉強になる。

・脚本ほしい。教科書にしたい。

・現実のシビアさをユーモアでくるもうとする全体の構成と相似形を成す象徴的なクライマックス。

・村上義典くんが完全に実写版「シロさん」。

・結局、ジージャンを着なおすところが好き。

・おそろにするんだったら、もうちょっと高そうなパンツにすればいいのに。

・ゲイの二人で始まって個人と個人で終わるところもとてもよかった。

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劇団コヨーテ『優しい乱暴』

2018-11-30 14:13:27 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/28

・ある男が、紙にしたためた10個の目標を、二人の友人とともにかなえようとする話…でいいのかな。

・どんな話かと聞かれるとよくわからない。

・そもそもわからないように書かれているので、わからなくてもいいという居直り根性で見守る。

・それでも見所はありすぎるほどある。

・大和田舞さん、ナガムツさん、かとうしゅうやさん、亀井健さん、自分が見たことあるだけでも、一人で20~30分は場を持たせられる一人芝居経験者が四人もいる。

・そんな語り巧者が揃っている中で、オープニングの一人語りは横尾寛さん。

・曲と言葉が足りない音を補い合うような、危ういバランスで語る。計算されたたどたどしさが聞きどころ。

・一昔前の作品の似たようなシーンに比べて、最近は一人語りが格段に聞きやすくなっているような気がする。

・ラップを聴いてるみたい。

・赤ら顔、洋装の城島イケルさんがステップを踏んで楽しそうにしているだけのシーンも目が離せない。

・85歳のおばあちゃんという、ナガムツさんにしかできない適役。そしてあんなに羽が似合う人もいない。

・かとうしゅうやさんの一昼夜テッシュをばらしている動き、大和田舞さんのミュージカル風の語り口。

・それぞれが全然違うフロウを持っているので、まず飽きない。

・共通しているのは楽しそうに見えること。暗いことを言っていても何だかポジティブな空気が出ている。

・協調しながらも存在感を奪い合う、そんな役者さんたちの群雄割拠ぶりが最大の見どころ。

・ちょっとだけロードムービー感もあって、そこは話を追いたい人にも優しい。

・顔ハメのパネルから顔を出すおじさん三人。揃いも揃って目つきが怖い。顔ハメパネルで強調されている。

・スーパーの惣菜売り場から、異国の戦場まで。

・時間軸で言えば、戦場は過去だと思うけど、未来に繋がっているようにも見える。

・矢野絢子さんの曲が終わるまでが作品。

・見終わった後、勢いで戯曲を買った。

・パンフのキャスト紹介の写真、一貫性がなさすぎて面白い。

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プロト・パスプア『春のめざめ』

2018-11-27 23:36:13 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/24

・少年たちが、性の衝動やらコンプレックスやらの暴走で取り返しの付かないことをしてしまう話。

・wikiによると原作は1891年。初演1906年。ドイツ。

・劇団四季でミュージカルになっているし、去年白井晃さんの演出で上演されてたりしている。

・今回の上演は70分弱。切れ味がいい。

・朝から貧血気味で調子が悪かったのと、序盤の言葉が頭に入ってこず、早々にウトウトしてしまう。

・あらかじめ上演時間が短いことを知っていればもう少し頑張れたのかなと、後でTGRのHPを見たら100分と書いてあった。意味なかった。

・個人的な好みの部分で短くなるのは歓迎なんだけど、どんな経緯でそうなったんだろう。

・舞台は空間に引っかき傷をつけたような、やや傾いた(ように見える)縦線が無数に並んでいる装置。牢屋っぽい。青の池っぽくも見える。

・派手な感じではないけど美しいし、作品のテーマにも沿っている。最適解。

・舞台でキスやセックスはどうしても照れてしまう。苦手。映画やドラマだったらわりと平気なんだけど。

・風船その後の色あいが気持ち悪くて効果的。あの見せ方はオリジナルなんだろうか。かっこいい。

・勝手に副題をつけるなら、「こんなにくだらない顔なら撃ち抜いてしまえ」。

・単に顔の造形という話ではなくて、顔=アイデンティティみたいな解釈。直接的すぎるか。

・序盤からいろんな演出的な手法を繰り出して、見る側を飽きさせないように工夫している。

・もうちょっとじっくり会話のほうを聞きたかったような気もするけど、そちらを優先していれば「もっと演出的にサービスしてほしい」と思うかもしれず、バランスが難しいところ。

・そんな調子だったせいか、最後のほうのシーンがちょっとコミカルに見えた。たぶんコミカルなシーンではないので、見終わったあと罪悪感にさいなまれる。

・とは言え、こういう作品は、どんな形であれ、見るほうもやるほうも必ず血肉になる。

・最近、古典に取り組む団体が多くてありがたい。戯曲読むより見たほうが早いし。

※人生で初めて、自分と同じ名前の人を見て「ああー!」と思った(苗字はよくいるのでなんとも思わない)。

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エンターテイメントユニット TRIBE『To Row~二匹の狼~』

2018-11-26 01:30:00 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/23

・新撰組の原田左之助と長倉新八が、坂本龍馬との出会いをきっかけに、「正義とは何か?」という問いに自分なりの答えを出そうとする話。

・自分自身、新撰組にはほとんど思い入れがなくて、学生時代に司馬遼太郎で少し読んだくらい。

・あと、坂本龍馬は信者がめんどくさいイメージがあるのでやや嫌い。

・カンパニーの知識はほとんどなく「殺陣がすごいんでしょ」くらい。そして、終わった後の感想も「殺陣がすごかった」。

・高い期待値をさらっとクリアするのはプロの証。

・プロの基準は人それぞれだけど、自分は「もらったものに対して、付加価値をつけて返せること」が条件だと思う。

・受付の壁が花スタンドで覆われている。花屋の匂い。

・オープニングからさっそく殺陣。わんわんズのような「乱闘らしい乱闘」も魅力的だったけど、こちらはわかりやすくて見栄えがいい。一口に殺陣と言っても色々。

・殺陣での当たり判定やSEでミスが見つからない。

・なにぶん新撰組なので、登場人物が多い。それでも殺陣によるキャラの描き分けでバリエーションが尽きないのはすごい。

・オープニングの流れは、一人が出てくる→ばっさばっさと人を斬る→名乗り、のほぼワンパターンを人数分繰り返す。

・それだけでチケット代(4500円)の元が取れたような気持ちになる。斬られ役の役者さんはほぼ同じだというのに!

・特に土方歳三の羽織で敵をあしらう動き、山南敬助(めがねキャラ)のゆったりした敵を払いのける動き。

・特に山南の達人然とした動きは、体が動きにくくなったベテランの役者さんが、それでも殺陣をやらなきゃいけないときに参考になりそう。

・土方歳三が怖い。人斬り集団の副隊長然としている。

・あと、坂本龍馬。やや嫌いだったのに、見終わるとちゃんと好きになっている。くやしい。

・もともと見栄えのする大きな体を活かして、ゆっくり強く剣を振るう。どうせなら銃も見たかったかも。

・ほぼ2.5次元と言っていいような大らかな世界観を活かし、ケレンのある完成度の高い作品に仕立てていた。

・完全な漢芝居のなか、札幌チームの西森妃奈さんが、ほとんど唯一の笑わせシーンを背負っていてえらかった。

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きっとろんどん『ひみこ~る』

2018-11-26 01:20:34 | 演劇を見てきた・TGR2018

2018/11/22

・「触わると死んでしまう小箱」という都市伝説の真相が明らかになる話。

・一人主人公を決めて話を進めるのではなく、各登場人物の断片を繋ぐことで、真相らしきものが見えてくる構成。

・見たのは初日。全日程で前売券が完売しているのはすごい。

・TGR参加作品の中でも最若手グループに入る団体だと思うけど、券売もそうだし、座組み、グッズ展開など、公演全体のパッケージングがうまい。

・前説の安心感。外郎を売るように諸注意のアナウンスをしている。

・客席の隣に、たまたま先日のTHE SAN-DAIで優勝した氏次啓くんがいて、会場中「名古屋に行くの?」とか聞いていたら開演早々名古屋がディスられていて気まずい。

・途中、テロリストに捕まっていたジャーナリストをいじったりもしているし、いかにも怒られそうなギャグが好きなのかな。やめろとは言わないけど、都度、怒られたらいいと思う。

・配役が巧み。さすが、かつて遠藤みたいなド素人役者を舞台に上げて成立させただけのことはある。

・北海道から岐阜に行く民俗学者と院生、オカルト雑誌に配属された女性記者と彼女に思いを寄せる後輩、大学生バカップル、ユーチューバー。政府の役人。

・廣瀬詩映莉さんの演じる院生。なにをするにも一捻り入っているし、モノローグも安定している。自分は見れなかったけど、過去の一人芝居の成果もありそう。

・加えて、どういうわけか、いかにも味噌カツにつられて行っちゃいけない場所に行っちゃいそうなウッカリした感じの人に見える。配役と役作りが両方うまい。

・見た瞬間に「これは…ひどい」と口に出してしまいそうになるヤバいバカップルに、いろいろこじらせてそうなユーチューバー。

・噂と真相でテンションを変えて見せるのうまい。

・国の人だけ完全にファンタジーな感じだった。

・モノローグを中心に話を進めていく構成のわりに、全体的に滑舌が怪しかったのはご愛嬌。

・息が合わない人の会話は、役者さんどうしの息が合っていないとできない。

・作中最大の秘密はさらっと明かされる。

・もっとわかりやすく盛り上げる方向にも作れそうだけど、作り手側はそういうのが好みではなかったのかな。

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