遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

成瀬巳喜男 5/10

2010-06-09 19:20:07 | 成瀬巳喜男
女が階段を上る時 [DVD]

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2010/6/9

例によってそんなに話に起伏はないけど、高峰秀子と仲代達矢、映像の味わいで2時間見ることができた。特に若い仲代達矢がかっこいい。あと、前に見た「浮雲」より高峰秀子が美しいと思う。
同じ監督の映画を5作品も見ると、だんだん馴染みの役者さんもできてくる。花形とは言えないけど、加東大介の小物っぷりがすばらしい。また出てくるんだろうけど、次はどんな小物ぶりを見せてくれるのか楽しみだ。
舞台は銀座の「バア」。高峰秀子は雇われママ…という言い方でいいのかな。
彼女の生活の中で、少し特別な日常が描かれている。そんなに大した事件はおきないし、あってもありがちな感じ。なんで映画として成立しているのかよくわからない。
それでも日常におけるストレスが丁寧に描かれていて、50年以上前の日常(1960年公開)だからそれだけで見ごたえがある。
古くなることでますます価値のあがりそうな不思議な作品だと思う。
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成瀬巳喜男 4/10

2010-06-07 22:28:35 | 成瀬巳喜男
浮雲 [DVD]

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2010/6/7

主演は高峰秀子。
甘ったるい声が印象的。
妻子のある男と関係を持ち、付いたり離れたりを繰り返しながら、屋久島で病死するまでの半生。どこが山場というわけでもなく、淡々と話は進む。
特にどのシーンが見所という感じでもなく、終戦直後の映像が全体的にとてもひきつけられる。風景であったり、衣装であったり、家屋であったり、絵面の凄みがある。BBCのシェイクスピアシリーズを思い出した。
恋人が更に浮気していたり、妊娠して中絶したり、半世紀前の話だけど、不倫モノの基本形が見られ、なんだか落ち着いてしまう。
「みんな僕が悪いんだよ。僕だけが悪いんだよ」だって。フィクション、現実社会問わず不倫中の男女の会話には必ず出てきそう。
「人なんか信用させちゃえばいいのよ」は、作中のうさんくさい宗教家の言葉。
この作品のテーマそのものかもしれない。
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成瀬巳喜男 3/10

2010-06-02 20:58:45 | 成瀬巳喜男
流れる [DVD]

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2010/6/2

成瀬巳喜男「流れる」のDVDを見る。
眺めていただけ。熟睡。大敗。
成瀬巳喜男のDVD-BOXには10作品入っているが、これで2勝1敗。
女芸者達の悲哀を描いた作品…らしい。
最初の数分見た時点で嫌な予感がしたんだけど、具体的な敗因はなんだったんだろう。
いかにも人間関係が複雑そうとか、絵面が地味だったとか…自分のコンディションの問題が一番大きかったような気がする。
あとでウィキペディアを見ると、女優陣が超豪華だったとか。そうだったんだ。
そう思って見れば少しは違っていたのかも。
ただ、田中絹代、山田五十鈴、高峰秀子、岡田茉莉子、杉村春子など役者の顔は結構くっきり覚えている。話の筋はまるで覚えていないのに。
もう一回この作品を見直すことはないだろうけど、メインの役者さんは覚えたので、これから成瀬作品見ていくにはプラスになる…はず。
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成瀬巳喜男 2/10

2010-06-01 23:17:35 | 成瀬巳喜男
山の音 [DVD]

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2010/6/1

2010/6/1

成瀬巳喜男監督「山の音」を見る。
前回の「めし」に続いて地味なタイトル。主演は原節子。「めし」よりも所帯疲れしていてかわいそうな感じ。
この映画でも夫婦間のズレが描かれている。
よくこんなにリアルでくっきりと、感情がすれ違っていく様子を描けるもんだなとうらやましく思う。人間関係はそんなに複雑じゃないんだけど、見えてくる感情は複雑。
若い夫婦がいて、夫の父親が主人公(山村聡)。嫁(原節子)は明るく面倒見がよいが、夫(上原謙)にだけは冷たく扱われている。
それが主人公にはおもしろくない。ただ主人公たちが嫁に優しくするほど、夫がおもしろくないのもわかる。ゆるやかな悪循環。
「めし」よりは重い内容の話なので、ちょっと苦手な雰囲気。見ていて間が持たない。
主人公の妻(長岡輝子)が明るくておもしろいくらい。ただ、川端康成の原作読むよりはとっつきやすいんじゃないだろうか。
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成瀬巳喜男 1/10

2010-05-31 22:32:39 | 成瀬巳喜男
めし [DVD]

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2010/5/30

成瀬巳喜男監督「めし」を見る。
倦怠期の夫婦を描いた作品。90分ちょっと。
演劇好き向けに説明すると、平田オリザっぽい雰囲気。順番逆だけど。
淡々としてときどきユーモアがある。どうでもいいけど、主演の原節子が鈴木京香っぽい。
もっとどうでもいいけど、タイトルが地味すぎる。そこがいいと言えばいいんだけど、当時映画のチケット買ってた人も恥ずかしかったのではないか。
「めし、ください」だもの。
嫁が実家に帰ってしまうまでの過程がとてもさりげない。大して悪意はない。取り立てて激しいケンカがあったわけでもない。
最後の嫁の感情の流れは、正直よくわからない。嘘だとは思わない。「理解はできないんだけど、そういうものかもしれないな」という感想。もう少し人生を重ねていけばわかるようになるのかも。
地味だけど軽い。そして深い、気がする。
コメント (1)
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