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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

ジェームズ・ガン監督『スーパーマン』

2025-07-18 13:20:41 | 映画を見てきた

2025/7/17

・紛争鎮圧への介入をきっかけに、スーパーマンが、侵略国家と癒着するアメリカの企業と対立する話。

・初めてのスーパーマンなので贅沢にIMAX鑑賞。

・アメコミのヒーローの中でも、戦闘力という点では群を抜いている印象。最初からびっくりする。

・突然出てきた犬がかわいい。スーパードッグ。見た目は普通の犬。赤いマントだけ。その安易さに初期のキャラなのかなと歴史みたいなものを感じる。

・必ずしも言うことを聞かない、はしゃぐとブレーキがきかなくなる、呼べばすぐ来る、それゆえの愛らしさと犬らしさが本作の重要な推進力になっている。

・何度か出てくる「おもちゃ」の見せ方が巧いし、スーパーマン自身が民間人に暴力を振るえないという制約を軽々と超えてくる。結果、観客もいい塩梅ですっきりできる。ある程度は犬だから仕方ない。

・頭ぐさぐさしている4thも不憫かわいい。

・ヒール側がイスラエルとネタニヤフ、トランプ、イーロンあたりがモデルになっている。

・現代社会のヒーローを描く作品だし、反映も的確だとは思うけど、こんなに直接的に世相を反映させて大丈夫なんだろうか。作り手の覚悟を感じる。

・世論操作の裏側描写に笑った。

・ヴィランと戦うシーンと同じくらい、人を救うシーンが多い。

・特に終盤の災害規模で死人が出ていないはずはないんだけど、それでも人助けを続ける。スーパーマンはものすごい特殊能力を持つ超人なのに、愚直と言うか泥臭さを感じる。

・不完全でも救助をあきらめていない。ヒーローの在り方を問う本作の結論めいたものにもなっている。

・ミスターテリフィックの見せ場、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのヨンドゥっぽい。かっこいい。

・特殊能力のない社長や政治家が、いかに圧倒的パワーを持つスーパーマンを封じ込めるのか、必死で知恵を絞っているのも伝わる。

・ただ、スーパーマンがヤケを起こしたら終わりなので、観客目線なら変なことにならないのはわかるけど、彼の自制心に依存する危険すぎる賭けである。

・ヴィランの彼の扱いが意外なところに着地していた。そう言えば演者のニコラス・ホルトはマッドマックスのニュークス役だったなと思い出して納得した。

(ユナイテッドシネマ札幌)

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ジョン・カーニー監督『ONCE ダブリンの街角で』

2025-07-13 16:49:47 | 映画を見てきた

2025/7/13

・ストリートミュージシャンの男性が、訳アリそうな女性と音楽を通じて仲良くなっていく話。

・書いてみると本当にありふれたよくありそうな話。

・展開に意外性がない一方で、細かい描写がおもしろい。

・冒頭のやりとりは好き。どう見てもイケてない、くたびれたおじさんにイケてるとほめられる悲しさ。

・悪態つきながらも小銭を渡すところも程よい。人柄が出ている。街全体がやや貧しい雰囲気。

・ビッグイシューを手にしたまま歌を聴きに来る女性。見た目が小奇麗でちょっと異物感がある。

・絶対そんな展開ではないのはわかっているものの、実際にこの感じで近づいてくる人がいたら、怪しい勧誘や押売りを警戒しなきゃダメだと思う。

・二人には音楽があるので、それほど警戒しあうようなことはなく、すぐに仲良くなる。

・二人をつなぐ掃除機の存在感。

・近所の人が当たり前のようにテレビを見に家に上がってくる。彼らは彼女の素性を知っているだろうから、突然現れた主人公を見てどう思ったんだろう。

・彼の曲がとんとん拍子に成功していくほどには思えなかった。彼女が作った曲のほうは悲しくてよかった。

・正確な引用ではないけど、「あなたが満足するほど、私は自分が嫌になる」みたいな歌詞。深く刺さる人もいると思う。

・車体後部の荷物置き場にセットされて、文句ひとつ言わないサポートメンバーたちがいい人すぎる。かわいい。

・「あとで」にこめられた色んな意味。

・だいぶんヨレヨレのお父さんに背中を押されるところも、変に回り道してなくて好き。「ママを喜ばせろ」。父親と息子が母のために共闘する構図、嫌いな人いないんじゃないだろうか。

・窓枠越しに見える彼女の表情。いずれ、「ちょっと思い出しただけ」になっていくのかもしれない。

・もう若者とは言えない、それなりに人生経験を積んだ二人の恋愛未満の距離感がよかった。

・手持ちカメラ映像は生理的に無理。

・映像表現ならではの繊細な表現が多かったように思える。9月頃に上演する舞台版ではどういう見せ方になるのかは気になる。

(サツゲキ)

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ジョナサン・デミ監督『羊たちの沈黙』(1991年)

2025-07-07 21:17:32 | 映画を見てきた

2025/7/7

・FBIの実習生スターリングが、収監中の凶悪犯罪者レクターから助言を受け、連続猟奇殺人犯に迫る話。

・サイコホラーの名作とは言え、最近こういう緊張感を煽ってきそうな作品は得意ではないので、楽しめるかどうか半信半疑で見てみる。

・結論、そういう自分でも緊張感が途切れず楽しめた。

・グロい描写もなくはないけど、思っていたよりはだいぶん気を遣われている感じ。

・主演はジョディ・フォスター。FBIの見習い的な立場。学生らしい青臭さを感じる。大女優になった今では出せない雰囲気。

・しっかり訓練は受けていても、いざ実戦になると、全く余裕がなくなる感じが初々しい。オーバーアクトとも感じたけど、実際、いきなりあれくらいの場面に遭遇したらああなるのかも。

・名前のない警察たちのほうがやっぱり頼りになりそうに見える。レクターには上をいかれるけど。

・油断ならぬ凶悪犯罪者の監禁と脱獄は、そのまんま『バキ』だし、皮膚を切り取って人形を作っている様子は『ゴールデン・カムイ』を思い出させる。

・なので、初めて見るのに初めて見る気がしない。

・他にもあるんだろうけど、それらの作品の元ネタに接しているような感じ。

・収監中の凶悪犯罪者とは別に猟奇犯罪者が出てくる。

・凶悪犯罪者のレクターが探偵役、FBI見習いスターリングがその助手役みたいになっている。

・もちろん、レクターが「いい人」なはずがなく、極悪人なのは確かだけど、彼なりの利害感覚でスターリングに助言を与える。そんな関係性の危うさが新鮮。

・実際、作中の出来事としてレクターの凶悪さはそれほど描かれていない。会話の中に出てくるくらい。

・終盤の大立ち回りも自由を得る千載一遇のチャンスだったと思えば、決して理解できない化物ではない。デコレーションはだいぶ悪趣味だったけど。

・ただのさらわれ役に過ぎなかったキャサリンが思いのほか頑張っていた。助けを待っているだけではない。こういう展開上の装置でしかない存在が、妙な人間味を発揮するところは好き。

・時々差し込まれるスターリングが見た記憶の断片のようなもの。意味はよくわからなかった。たぶんレクターなら説明できるんだろう。

(札幌シネマフロンティア)

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シャロン・マグワイア監督『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年)

2025-06-23 19:17:41 | 映画を見てきた

2025/6/23

・酒にタバコに行きずりの恋にだらしない生活を送る32歳の独身ブリジット・ジョーンズが、心機一転して本当にベストなパートナーと結ばれようとする話。

・タイトルになるだけあって、ヒロインのブリジット・ジョーンズの存在感がそのまま本作の魅力になっている。

・演じているのはレネー・ゼルウィガー。

・女優という人から見られる仕事をしている以上、どうしても小ぎれいに見えがちだけど、本作のヒロインは全体的に鍛えられてない感じの生々しい体型。

・かと言って完全に見た目をあきらめている感じでもない。

・変顔みたいな「あえてやってます」感のない、本当に追い詰められて顔が崩れる感じの表情。

・心機一転と言いつつくじけがちで、見た目から行動からすごく身近にいそう。

・英語だからよくわからないけど、そういうノリの人にしては日記の字がすごくきれいだと思う。

・一か所、座った状態で足を真上に上げる仕草だけ、やっぱり本当はちゃんと鍛えているよねとは思った。

・目の前の仕事をこなすくらいはできるけど、スピーチも世間話も絶望的にヘタ。料理も作れる料理を作りなさいよと言いたくなる。生きづらそう。

・そのわりに陰陽で言えば陽。そんなに仕事できなくても、愛されるタイプなんだなというのもわかる。

・彼女にとって友人連中がホントに救いになっている。どんな形であれ、すでにありのままの自分を許してくれる人たちがいるのは大きい。

・仮装パーティが中止になったことを知らされず、みんな普通の格好をしているところに、一人だけバニーガールって前にもどこかで見たような。コスチュームのサイズが合ってないのもこだわりなんだろうか。

・スピーチ中に紹介すべき上司の名前をド忘れしてしまう、中途半端な心霊現象より怖い会社員の怪談。

・浮気がバレたのに一点の曇りもないポージングを見せつける女。笑った。

・2001年の作品だし、結局女性の幸せは恋愛なのかとか、男性に助けられてキャリアと恋が発展みたいなノリは古い感じがしないでもない。

・弁護士マークが、あんなに思わせぶりだったララについて、何にも語らないのはかなりズルい。続編で拾われるんだろうか。

・ライトなラブコメなのは間違いないけど、まだまだ油断できない余韻も残した作品だった。

(サツゲキ)

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坪川拓史監督『ハーメルン(坪川拓史全作品上映)』(2013年)

2025-05-09 19:21:00 | 映画を見てきた

2025/5/8

・文化施設として利用されてきた元小学校の校舎が取り壊されることになり、ゆかりのある人々がそれぞれの距離感で残りの時間を過ごしていく話。

・実際にはもう少しはっきりしたあらすじがあるのかもしれないけど、うまく読み取れなかった。

・シアターZOOで映画を観るのは初めてかも。

・本当に全く前知識がない状態で映画を観るのは久しぶり。

・監督も会場にいらして最初に挨拶。小劇場っぽい空気感。監督自ら機械を操作して上映を開始する。邪道ではあるけど裏話は素直に楽しい。

・わかりやすいエンタメ作品としては作られていないし、時系列も結構前後している。

・わりと難しいなと思いながら見ていたけど、他のお客さんはどんな風に楽しんだんだろう。

・きれいに黄色に染まったイチョウの木をはじめ山々の紅葉が美しい。

・監督によると気まぐれな天候や震災の影響で、これらの映像を撮るのが大変だったそうだ。

・そういう苦労を思わせないくらい、作品全編に美しい風景がちりばめられている。大自然の中にぽつんと人間が歩いていたり佇んでいる絵がかっこいい。

・特にイチョウの木の陰が横に伸びていて、黄色と緑の地面の上を男が歩いているところ。具象と抽象の境界線が溶けてなくなりかけているような見た目が好き。

・厳しい冬の手前の美しい秋の風景を中心に描いているのは、人生の晩年が一番美しいという作り手側の意識が反映されているのかもと強引に解釈する。

・自分も年を取って、色んなことが変わっていくんだろうなと思うと、不安になったりする。

・演者として一番目立つのはやはり西島秀俊。画面に映っていると目で追ってしまう。作中の役割は、上の世代のさまざまな思いを受け止める存在。でいいのかな。

・笛を吹く人形が出てくる。見ていてゾクゾクするくらい写実的な顔立ちで、人形浄瑠璃のように、操作する人と、観る側の気持ち次第で色んな表情を見せてくる。

・よっこらしょという感じのカノン(パッフェルベル)がかわいい。

・折り鶴をきれいに降らせるのは多分それなりのテクニックがいる。

・美しい景色を眺めながら時間の移ろいに関する様々なことを考える話なんだろうなといったん解釈した。

(シアターZOO)

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ウィリアム・ワイラー監督『ベン・ハー 』(1959年)[2/2]

2025-04-29 07:59:00 | 映画を見てきた

2025/4/28

・前半の海戦。海賊と兵隊と奴隷たちが入り乱れるわ火がもえあがるわで、わちゃわちゃ。

・ガレー船のオールって外洋で役に立つんだろうか。動力としての費用対効果が悪すぎる気がする。

・ジュダが自分は逃げられるのに、ギリギリまで残って他の奴隷たちを助けようとしている。まさに英雄というか、主人公の行動。

・色んな意味で良くも悪くも野蛮。

・2000年前の話だから当然なんだけど、罪人とされる人たちの扱いが本当に酷い。

・岩がちの砂漠を長時間裸足で歩かす、ガレー船の動力扱い、年単位で牢獄に閉じ込めて食事だけ差し入れる、ただの洞窟でしかない「業病」の谷。死んだら捨てる。

・平和ボケした現代人に、人間の悪い意味の可能性を見せつけてくる。世の中、人権の一皮を剥けば、このくらい退行しかねないというのは心に留めおきたい。

・馬の統率が取れていない四頭引きの戦車のシーン。うまくできていない時のほうが撮影難易度は高そう。

・最大の見せ場は後半の戦車レース。観る前は戦争で戦車が活躍する話だと思い込んでいた。

・CGでなくても色んな映像技術を使っているから、見た目そのままの危険度ではないにしろ、普通に戦車から振り落とされて馬に轢かれている人が続出しているし、馬自体も暴れているし、動物愛護的な感覚も怪しいし、撮影現場もそれなりに野蛮だったんだと思う。

・そして、現代においては、その野蛮さが本作最大の魅力になっている。もうこんなの二度と作れない。

・レース中の救護班が活躍している。落ちたら次が来る前に運べという勢いがすごい。大変そう。

・メッサーラがクドいくらい鞭で馬を叩いている。そんなに悪党演出を強調しなくても。車輪の仕掛けもズルい。

・字幕上は「業病」。ライ病を指しているらしい。

・業病という言葉だと、前世の報いによる病気だから、今は使わないほうがいい言葉だと思う。

・恋人エスターの新興宗教にあてられた感じがちょっと怖い。彼女が言う「あなたは変わってしまった」も、お前ほどじゃないよと思ってしまう。

・最後は強引だと感じたけど、最初にキリストの話と出てくるので割り切る。聖書に似たエピソードあるのかな。

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ウィリアム・ワイラー監督『ベン・ハー 』(1959年)[1/2]

2025-04-28 21:29:29 | 映画を見てきた

2025/4/28

・ユダヤ人のジュダ・ベン・ハーが、不運な事故により罪人としてエルサレムを追放されるが、獄中の母と娘を助けるため、どうにか帰還しようとする話。

・いわゆる貴種流離譚。追放された英雄が艱難辛苦を乗り越えて故郷に凱旋する話。

・前半が141分、休憩が10分、後半が80分。

・誰もが知る古典だけど、これだけ長いと実際に観たことない人は意外と多いかも。

・最初に無地のスクリーンのまま壮大な音楽だけ長々と流れる。あまりに長いので映像機器の故障を疑う。こんなことしているから4時間近くかかる。

・解説によると西暦26年。場所はローマ帝国のエルサレム。キリストも出てきて重要な役割を果たす。

・特別な存在であるキリストの顔は映さない方針で、遠近感で存在の大きさを示したりしていた。

・寝不足もあり、最初の15分の間に30回くらいあくびをしてしまう。体調的に厳しいかとちょっと後悔する。

・それでも旧友であり宿敵でもあるメッサーラがクソ野郎ぶりを発揮しだしてからは最後まで退屈しなかった。

・優れた悪党は良いカンフル剤になる。

・メッサーラが手持ち無沙汰になって、鞭で部下にちょっかいを出すのは、しょうもなくて好き。子供か。

・ジュダみたいな有能な人は仲良くなったほうが絶対得なのに、民族や出世のために排除しようとすることで、手痛い反動を招いてしまう。

・それにちゃんと現場検証もしたんだから、母と妹は許してやれよと思ってしまう。ジュダは追放したから交渉のカードにもならないし。

・本当に復讐のため戻ってくるのを心配したのかな。

・母と娘が本当にかわいそう。どんな人なのか作中でほとんど説明がなく、しかも物語上の役割が母娘同じなので、わりと存在感が薄い。

・建物がかっこいい。ガラスが一般的ではないようで、窓は格子を板状にしたものを組み合わせた形状。

・同じ場所を繰り返し見せる構成は巧い。

・『テルマエ・ロマエ』の影響でお風呂のシーンに既視感がある。

・ジュダになつく馬たちがかわいい。ちゃんと人間の声と掛け合いができている。賢い。

(札幌シネマフロンティア)

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S.S.ラージャマウリ監督『RRR ビハインド&ビヨンド』

2025-04-22 18:18:00 | 映画を見てきた

2025/4/18

・『RRR』のメイキング。名シーンの撮影裏や完成した作品が世界的に広がっていく様子を紹介している。

・本編から時間が経っているので結構忘れている。

・ラーマが暴徒と化した群衆に飛び込んでいくシーンから始まる。ああ、あったあったと気持ちが上がる。

・殺陣と言うには泥臭い乱闘で一人一人に演技は付けられない。エキストラがとても興奮しているように見える。そういうノリの良さも作品の質に直結するんだと気づく。

・総じて、主演二人の超人的な頑張りと、演者スタッフがこぞって指摘するS.S.ラージャマウリ監督のイメージの明確さによって成立している。

・もともと親友の二人が主演でこんな映画が作られたら、役者人生のゴールなんじゃないかという気がする。

・役者さんの名前をちゃんと認識していなかった。ビームは、N.T.ラーマ・ラオ・ジュニア。

・時々、「まだやるのか」とボヤきながらも最高のパフォーマンスを見せるところは素直にかっこいい。暴れ狂うホースに内心冷や冷やしながらも微動だにしない。

・子供を助けるシーン。二人は何日も宙づり状態が続くし、水中のシーンでは溺れかけながらも、力強く、少しだけコミカルなシーンを撮影する。

・ビームがイギリス総督の公邸に乗り込むところ。猛獣たちはCGなので、撮影現場には存在しない。

・それでも、野生動物ならではのスピード感を損なわず、かつ人間たちの目線に不自然さが残らないよう、撮影現場では様々な工夫をしていた。

・動物たちが飛び出していくところで、インドやアメリカの映画館の観客たちが、声を出して喜んでいる様子が日本と全然違う。日本だとわざわざ「発声OK」と書いてある上演でも拍手くらいまで。

・ナートゥのシーン。メイキングで見ても感動する。

・二人のシンクロにこだわる監督が何度も何度もリテイクする。ここのシーンに限っては個性を認めない。

・とりあえず、朝のアラームをナートゥにしてみた。

・本メイキングでは、音楽のM.M.キーラヴァーニが裏主人公的な立ち位置。カーペンターズの「Top of the wprld」のくだりが好き。

・メイキングとしてはシンプルな作りだからこそ、作品の持つパワーをそのまま再摂取できる作品だった。

(サツゲキ)

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ギンツ・ジルバロディス監督『FLOW』

2025-04-04 00:18:24 | 映画を見てきた

2025/4/1

・陸地が水に沈みゆく世界で、生物たちが生き延びようとする様子を、一匹の黒猫を中心に描いた話。

・水の表現にかなり力が入っているので、洪水に嫌な記憶のある人は気をつけたほうがいいかも。

・(たぶん)鯨類も出てくるし、あれは海水でいいんだろうか。透明度の高さがちょっと違和感。

・人間は一切出てこないのに、生活の痕跡は濃い。

・たくさん動物が出てくる。喋らない。行動と環境の変化だけで進行する。

・それがどれくらいの難易度になるかは、目的によって変わる。誰もが楽しめる長篇娯楽映画ならほぼ不可能。本作も基本アート映画として見る感じ。

・ラジオ番組のアトロク2で言及されていた「神話的」というのは同感。

・黒猫は、人が残した空き家を住処にしていたが、その家も沈み、たまたま流れてきた小舟に乗って漂流する。

・人類が一切出てこないのに、生活の痕跡が濃い。

・話が進むにつれ小舟の乗客が増えていく。カピバラ、キツネザル、犬(ゴールデンレトリーバー?)、ヘビクイワシ。

・成り行きでは一番仲間になりにくそうなカピバラをあらかじめ船に乗せている。

・猫や犬、サルまでならペットや介護で人と深く付き合うこともあるからまだわかるけど、カピバラが積極的に利他的な行動をとるのは作為的に感じる。

・おバカな犬、かわいいけど、イラっとはする。

・ヘビクイワシが同族から黒猫をかばおうとするのはさすがにありえないように感じたけどどうなんだろう。

・動物の動きの再現度が高いだけに、少しでも人間的なそぶりを感じるとノイズになってしまう。

・かといって、ナショナルジオグラフィックの再現をしてもしょうがないので、バランス取りは難しい。

・友達から、猫を助けたら家の玄関にお礼と思われる小動物の死体が置いてあったという話を聞いたことがあるので、黒猫が魚を配るシーンはあり得ると思う。

・最初は犬、次がげっ歯類、そして猿が行動を共にする。次がちょっと離れて鳥類。最後のほうで、ついに植物までも助力してきたように見えた。

・危機に直面し異なる属性の者たちが団結していく、熱い展開に見えなくもない。

・一方で、動物らしく、彼らはたまたまそこに居合わせただけで、それぞれが自身に都合よく動いたら、結果的にうまくいったと見るほうが自然ではある。

・アカデミー長編アニメーション賞受賞作と言われると身構えちゃうけど、前知識なしにいきなり出くわしたら強く印象に残りそうな作品だった。

(TOHOシネマズすすきの)

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ジョン・M・チュウ監督『ウィキッド ふたりの魔女』(2回目)

2025-03-24 02:17:00 | 映画を見てきた

2025/3/22

・2回目。今回も字幕版だけど、声出しOK上映。

・シングアロング仕様。歌唱シーンになると英語歌詞が表示され、歌の進行にあわせて該当部分がキラキラする。

・歌詞の日本語訳は出てこないので、すでに歌を聴き込んでいる人や、一度は別ver.で見た人向け。

・歌詞は長くないので事前に調べておくべきだった。

・本仕様にあわせて、開演前に、シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデによる特別映像。エルファバじゃない時はこんな感じなんだと少し得した気になる。

・アトロクの映画時評を聞いて、1939年の『オズの魔法使』も見たので、少し落ち着いて見ることができた。 

・発声OKと言っても、一緒に唄うような雰囲気の曲でも映画でもないのでほぼ普通の映画として見る。

・序盤、エルファバが崖のふちまで出てきて歌ったところで客席から最初の拍手が出た。

・黒人白人その他、動物からカカシ人間まで存在する社会で、緑色だけ忌避されるのは不思議な感じがする。

・実際、クラスの人気者が仲良くなっただけで、他の生徒もあっさり同調するのは良くも悪くも軽い。

・「言葉を奪い、檻に入れる」が、動物に限って効果的という話ではない。人間だって同じ。怖い。

・自転車のカゴの扱いが1939年の『オズの魔法使』との対比になっている。排除と解放。この過去作の組み込み方はかなり好き。

・図書館のパート。本を足蹴にするのは自分もイヤ。いかにも指や腕を挟みそうな本棚も怖い。什器で遊ぶな。

・いい年のオズの魔法使いが、どことなく幼稚。二周目だと、手紙を運ぶミニ気球も子供だましに見える。あのペンギンの種類なんなんだろう。

・この規模の映画だから当たり前だと思っていたけど、アリアナ・グランデの演技がうまい。うまいというか、その人そのものにしか見えない。最初の含みのある表情から見入る。

・エメラルドシティにいる人たちの生活感の無さ。完全に舞台のショー演出として見せている。そういう割り切り方もあるのか。

・初回も二回目も、最後の二人の会話に停滞を感じたけど、溜めの時間なのかも。クライマックスへの自信の表れともとれる。実際、二回目でも「すげえ」となった。

・車いすの車輪、メガネの形状が好き。線路の下の歯車は何に使うんだろう。メンテ大変そう。

(3/21 札幌シネマフロンティア)

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