遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

TGR札幌劇場祭2019 授賞式

2019-12-05 13:44:13 | 演劇を見てきた・TGR2019

2019/12/5

無事授賞式終わりました。

とは言っても遠藤自身作品を提供したわけではないので、完全にお客さん目線でしたけども。

予想はこちらにあげております。

小生意気に有料記事にしておりますが、予想部分を読むには支障ありません。

TGR大賞エントリー全15作品+4作品(今年は去年より少なかったです)。全部観劇し感想を書ききった遠藤をねぎらう意思のある方だけ、ご購入ください。

大賞はRED KING CRABの作品『ありあけ』。

予想4作品にRKCとトランク機械シアターもあわせて横一列くらいの印象でした。

というか、感想を書ききって授賞式まで時間がなかったので、自分の記憶を頼りに予想したわけですが、レギュレーションから大分間違えてました。2年前で止まっていた。

4~5作品ノミネート→大賞作品および大賞作品出演者から俳優賞だと持っていたのですが、各種特別賞、優秀賞2作品、大賞1作品、俳優賞は大賞作以外からも選出、でした。

RKCは脚本的に他と比べてちょっと気になるところもあったんですが、全体で見れば面白い作品なので、違和感はありません。

候補にあげた4作品+次点2作品のうち、5作品で特別賞・優秀賞2作・大賞・観客賞を取っているので、実質当たったと言っていいと思います。ほんとに。

こうなると東京のメロトゲニさんにも何かあってもよかったのではという見方になります。

交流会で聞いたんですが、推していた審査員の方もいらっしゃったので、ちょっとした風向きで結果が変わっていた可能性もあったようです。

自分は作品と社会とのつながりという意味で、座・れらを予想したのですが、全体的に将来性を重視していた印象です。今後も面白いことをやってくれそう、という。

去年のように未知の実力派団体が来てくれるのも楽しいですし、実際に作品賞も取っているので、道外劇団も是非エントリーしてほしいです。怖くないです。

交流会では、対人スキルの低さを再確認。

木山くんに「なぜ今頃2015年の授賞式のブログ記事をツイッターにあげたのか」と高橋正子さんに「結局、あの町のモデルはどこか」を聞くのも忘れていました。

高橋正子さんと言えば、TGRアカデミーのレポートがかつてないほどしっかりしていました。

各審査員の講評とあわせて、詳細楽しみにしたいと思います。

 

とにかく、受賞された皆様、おめでとうございます。

楽しい一ヶ月でした。ありがとうございました。

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座・れら『私 ~ミープ・ヒースの物語~』(TGR2019)

2019-12-04 15:16:45 | 演劇を見てきた・TGR2019

2019/12/2

・アンネ・フランクの一家を支援したことで知られる、ミープ・ヒースが最後まで信念を貫こうとする話。

・戯曲が北海道戯曲賞の最終選考に残っているのは知っていたものの、『アンネの日記』の関連作品はすでに沢山あるので、最初は半信半疑。

・序盤は晩年の彼女が当時を回想する形式。

・少なくとも自分の知っている範囲で大きなアレンジはなく後半に繋がる種を巻きつつ史実の確認。

・竹江維子さんと小沼なつきさんがミープを演じる。

・誰かを救うことが別の誰かを見捨てることに繋がる。その正義感ゆえに彼女は疲弊していく。

・彼女は正義の人だけど、後年の自分たちはその結果を知っている。彼女はアンネの一家を守れない。

・それでも、彼女の人生は続く。お話の凄みを感じたのはそこから。

・平和にするのも難しいし平和を維持するのも難しい。

・彼女は正義を貫こうとしても、親友の危険思想を止めることすらできない。

・やっと終戦になったのに、早くも「戦前」とシンクロしている。そういう意味で、彼女の戦いは敗北続き。

・彼女の戦いは100歳で亡くなるまで続く。

・そして、同じ戦いは、同じ信念を持つ人たちによって、現在も世界中で続いている。もちろん日本でも。

・ただ、ミープさんがそうであったように、世の中から差別や戦争をなくすことはできない。いつもどこかで平和が破られている。

・できるのはあきらめないことを続けるだけ。

・本作がすごいのは、浅はかな「こうすればいい」ではなく、「私はいったい何と戦っているんだ」と何度も何度も「私」とやりとりしながら、その逡巡をそのまま舞台に上げているところ。わかりやすい解決策なんてない。

・だからアンネは沈黙している。

・映画の『主戦場』に近いテーマ。平和を維持する戦いは、いま平和な場所すべてが主戦場になる。

・本作を見てのんきに「ミープさんは偉いね」と言うだけなら、あのレイシスト夫婦でもやっていると気付いてゾッとする。弱さは言い訳にならない。

・物言わぬアンネは、自分たちのすぐ隣にもいる。

・それはともかく、ツイッターを見ていたら、打ち上げで、ゆるんだ感じのアンネ(役の鈴山あおいさん)の画像がアップされててなごむ。なんか、よかった。

(2019/11/30 18:00の回)

※パンフ行方不明のため、座・れら公式HPからの転載です。申し訳ありません…。

■出演

竹江維子
小沼なつき
工藤康司
西村知津子(劇団にれ)
町田誠也(劇団words of hearts)
信山E紘希
鈴山あおい(Studio MAZUL)
つくね
杉浦朋子
みきと
松永ヒサ子
齊藤雅彰(超級市場)
青坂章子(ゆうの会)

■脚本・演出:戸塚直人

■スタッフ
装置:高田久男(セットアップ)
照明:鈴木静悟
音響:西野輝明
衣装:佐々木青
制作:佐藤紫穂(ex.fiction)、竹内麻希子(CAPSULE)
小道具:中島朋子
ちらし:佐藤みきと
演出助手:神しのぶ
舞台監督:寺沢英幸
手話通訳:舞夢サポーターズ

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総合芸術ユニットえん『半神』(TGR2019)

2019-12-04 15:02:52 | 演劇を見てきた・TGR2019

2019/12/3

・体のくっついた双子のシュラとマリアが世界のハテと向き合う話。と、書いてみたものの、どうまとめたらいいのやら。

・近年の日本演劇史で燦然と耀く大ネタ中の大ネタ。今年のTGR作品中だと『十一ぴきのねこ』と双璧。

・自分は、夢の遊眠社時代の演目をVHSで見た。

・劇団回帰線に所属していたころ、三人芝居に脚色した作品にかかわったけど、それも20年くらい前の話。

・そのとき脚色演出をされていた西脇秀之さんが、今回の音響を担当している。不思議な感覚。

・ほんとに久々に本作に触れるので、内容についてかなり記憶がぼんやりしている。期待と不安。

・会場に入ると、すでに役者達が舞台上に集合していて遊んでいたりウォーミングアップしていたり思い思いに過ごしている。

・演出の仕切りで始まる。途中でストップがかかってやり直してみたり、パッと見、リハーサルを見学しているみたいな感じ。

・変わってると思ってあとで検索してみると、野田秀樹演出の2014年の再演が似た感じだったみたい。どういう意図なんだろう。

・シュラは中野葉月さん、マリアは田中雪葉さん。二人が所属しているあづき398と言えば、前に見た北海道短編エンゲキ際2019。面白かったので印象に残っている。

・ほんとは、知性が高く醜いシュラと、知性が低く美しいマリアの対比なんだけど、どう見てもふたりともかわいらしい。

・舞台中央に六角形の回り舞台があってスムーズにまわる。舞台に使うに足る安定度合いで作るの大変そう。

・独特の掛詞を重ねて強引に世界を広げていくところと、演者たちが技術や経験でその強引さをねじふせていくところが見どころ。

・ところどころ集中力が続かず、意識が飛んでしまう。

・野田秀樹作品は、たしかに話は強いんだけど、言葉が詩的でリズムがよすぎるので、そうなりがち。

・作り手の力量にあわせてどこまでも広がっていく戯曲に挑む大変さは今も昔も同じ。

・色々思い出してしまって、とりあえず穴を掘って入りたくなってしまった。

(2019/11/30 14:00の回)

■キャスト

シュラ:中野葉月(あづき398)
マリア:田中雪葉
先生:大槻紘照
老数学者:平野たかし(劇団風蝕異人街)

スフィンクス:斉藤秀規
ハーピー:金野翔太(演技研究所tesoro)
ユニコーン:イノッチ
マーメイド:金路陽子
ガブリエル:島津茜
ゲーリューオーン:高田竜弘

父:高山和也
母:野口理恵
右子:森安ひさえ(第九企画)
左子福原野乃

HAR'u:HAR'u(レンコンズ・蛍火桜月)
岩渕:岩渕拓也
塩田:塩田蒼唯
下村:下村恒悦
岸:岸夏香
金戸:金戸一基


■スタッフ

原作・脚本:萩尾望都
脚本:野田秀樹
脚色:総合芸術ユニットえん
演出:かねとかずき
助演出:大槻紘照
照明:清水洋和((株)ほりぞんとあーと)
音響:西脇秀之(劇団回帰線)
衣装:成田愛花(あづき398)中野葉月(あづき398)田中雪葉(あづき398)
制作:五嶋アキ 久慈優花

企画・製作:総合芸術ユニットえん

※当日パンフ参照(なにぶん手入力なもので誤りがあればご指摘ください)

 

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RED KING CRAB『ありあけ』(TGR2019)

2019-12-04 14:52:13 | 演劇を見てきた・TGR2019

2019/12/3

・精神的支柱の工場長を失ったおもちゃの製作所が、新しい工場長を迎えて廃業の危機を乗り越えようとする話。

・ちょっと昔、終戦後の札幌の話。

・具体的な時期の説明があったか覚えていないけど、終戦直後ではなく、だいぶ落ち着いてきたころのよう。

・人情系の先代に対して、ゴリゴリ合理主義者の新工場長。しかも女性。保守的な既存メンバーとの対立。

・朝の連続テレビ小説のような設定。

・かなり丁寧に取材をして作られたという話だけど、どこまで実在の話かは確認する時間がなくてよくわからず。

・もちろん、本来は実在の話かどうかが大事ではなく、実在感があるかどうかが問題。

・そういう意味で成果は間違いなくあって、しっかりした設定に支えられて、きちんと人間ドラマが出来上がっていた。

・目先の派手なオモシロに飛びつかず、いいドラマを作ろうという姿勢にますますの活躍を期待したくなる。

・とは言え、本当にプルバック式(wikiで知った言い方)の動力を発明した人がいたのかとか、後のチョロQにどうやって繋がるのかとか、やっぱり気になってしまう。

・派生企画や台本を買ったりすると、そのへんの深いところもわかったんだと思うと、プレステージツアー行っておけばよかった。

・単純に資料集めとかどうしているのか気になるし、題材選びの話も聞いてみたかった。

・こわもてヒゲおじさんが不器用に優しい。リストラされそうな彼に寄り添って、何も思いつかなくて物理的に寄り添うだけという。

・見終わった後、チラシから「ともだち」の話なんだと知って「トモダチ、トモダチ…?」と自我が芽生え始めたロボットのようにくりかえしてしまう。

・どんぐりさんと他の人たちとの関係性が友だち的ということでいいのかな。

・横のつながりは、あんまり友だち的ではない。映画の『横道世之介』の感じに似ているかも。

・どんぐりさん亡くなったのかな、匂わす表現はたくさんあるけど、その情報伏せる意味もよくわからんし…と悩む。(あとで亡くなったと聞いた)

・この時期の札幌は色々面白いのでもうすこしだけ地域色出して道外公演とかしたらたぶん楽しいと思う。

(2019/11/30 11:00の回)

■出演

木山正大(RED KING CRAB)
井藤淳矢(RED KING CRAB)
飯綱いるか(RED KING CRAB)
湊谷優(スリープリズム)
山崎亜莉紗
高田敬助
阿部大介

■スタッフ

主催:RED KING CRAB
脚本/演出:竹原圭一(RED KING CRAB)
照明プラン:鈴木静悟
照明操作:松本紀子
音響:山口愛由美
作曲/演奏:山崎耕佑(劇団fireworks)
舞台美術製作:岩崎陸來
小道具:井藤淳矢
小道具補佐:みふる
舞台監督:山田雄基(演劇家族スイートホーム)
衣装:RED KING CRAB
衣装協力:竹内里奈(劇団しろちゃん)
宣伝美術:飯綱いるか(RED KING CRAB)河合華穂

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メロトゲニ『こぼれた街と、朝の果て。 ~その偏愛と考察~』(TGR2019)

2019-12-03 21:38:26 | 演劇を見てきた・TGR2019

2019/11/27

・気がつくと鎖に繋がれていた男女が、原因究明や脱出を目指して右往左往する話。

・まず、雑な感じでそのへんにいる人たちの記憶を飛ばして一か所に集め、鎖に繋いでみた、という感じの不条理な状況。

・見た目も登場人物の目的もわかりやすく、不条理のオープニングとしても、とても優れている。

・いかにも意味ありげで、目下何の役にも立たなそうなアイテムが箱に入っている。やったことないけど、リアル脱出ゲームってこんな感じだと想像。

・不条理な状況だからこそ、演技はリアル度高め。

・各人が意識を取り戻してから、状況に戸惑い、記憶をたどり、混乱する。そのリアクションを丁寧に描いているので、臨場感を持って楽しめる。

・これだけ設定が強いと、その説明で手一杯になりそうなところ、役者さんの気の利いた演技でエンタメとしての強度も高い。

・氏次啓くんの床ドンとか、白鳥雄介くんのギョッとする姿勢からの話の割り込み方、廣瀬詩映莉さんと片山英紀さんとの掛け合い、「タピッ」などなど。

・深刻な空気を壊せない中でも、うまくスキをついて面白いことを差し込んでくる。

・手数の多そうな演者たちなので演出の取捨選択がいいのかも。

・早めに構造をほのめかしていくのもクレバーな方針。

・食事やトイレの話がうやむやになっているのも、ソフトな伏線。

・情報の小出しの仕方がうまい。設定的には、それこそ「どこにでもある話」なので引っ張る意味がない。

・そして、盛り上がりどころは別にちゃんと用意している。

・コマ切れのセリフが重なっていくところのスピード感。かっこいい。

・判明した状況そのものよりも、判明のさせ方が良かった。

・アキラさんの最後の行動、自分だったら書けない生々しさ。

・多くの人が経験するであろう「どこにでもある話」を、どこにもなさそうな方法できれいに組みなおす。

・遠くの不条理と思って楽しんでいたら、いつの間にかすぐ隣に座っていた感じでヒャッとなる。

2019/11/29 20:00の回)

■CAST
コマチ:原彩弓(メロトゲニ)
アキラ:まちだまちこ(メロトゲニ)
マルカワ:白鳥雄介(メロトゲニ)
ナオユキ:戸澤亮(NEXTAGE)
タカノ:青地洋
サリ:廣瀬詩映莉
アヤメ:西澤香夏(ソラカメ)
ナギ:山田桃子(ブルドッキングヘッドロック)
ハマタニ:片山英紀(劇団ピーチロック)
ショウ:田畑賢人

札幌公演限定キャスト
ユキノ:五十嵐穂
マミコ:泉香奈子(パインソー)
サノ:氏次啓


■STAFF
作・演出:村田こけし(メロトゲニ)
音楽:森脩平(本棚のモヨコ)
振付:めんたいこ(メロトゲニ)
舞台監督(東京):中野雄斗(株式会社ステージワークURAK)
舞台監督(札幌):上田知
照明(東京):川島唯
照明(札幌):高橋正和
音響(東京):島村幸宏
音響(札幌):奥山奈々(Pylon inc.)
舞台美術・宣伝美術:金子ゆり(メロトゲニ)
宣伝写真:金子ゆり(メロトゲニ)奥山奈々(Pylon inc.)
映像:22エモン(トウキョウトガリネズミ)
制作:白鳥雄介(メロトゲニ)岩間麻衣子(大人の麦茶)中野莉久 午来有彩
札幌制作:寺地ユイ(きまぐれポニーテール)鎌塚慎平(木製・ボイジャー14号)主催:メロトゲニ 

※当日パンフ参照(なにぶん手入力なもので誤りがあればご指摘ください)

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OrgofA『Same Time,Next Year -来年の今日もまた-』(TGR2019)

2019-12-03 06:47:48 | 演劇を見てきた・TGR2019

2019/11/28

・既婚者男女の年に一度の逢引を、1951年から25年間、5年ごとに抜き出して見せる二人芝居。

・有名な戯曲だけど未見。コンセプトを聞くだけで想像が広がる。去年のTGR大賞作品『TEA FOR TWO』の元ネタでもある。

・普通の演劇は役者間で協力し合うものだけど、二人芝居は対決要素も強い。役者と役者の演技合戦。

・出演は遠藤洋平さんと飛世早哉香さん。札幌演劇に詳しい人なら、多くの人がワクワクできるマッチメイク。

・こんな感じで見るほうはのんきに盛り上がっていたけど、想像するまでもなくやるほうは大変。

・10分の休憩を除くと130分ちょっと。長い。しかも二人しか出てこない。セリフを覚えるだけでも重労働。

・「絶対笑える」というところもそんなに多くないので、稽古期間中の暗中模索感を想像すると恐ろしい。

・最初のうちは「おまえ(ら)は続けたいのか別れたいのか続けたいのか別れたいのか」というバカップルの痴話ゲンカを見守る楽しさ。

・細かい仕草や言い回しがいちいちおもしろくクスクス笑いながら見ていたので、変なところで笑うタイプの客になってしまった。

・序盤は比較的笑い要素が多いけど、初日だからなのか慎重な入り方に見えた。会話のリズム優先。

・終始会話が心地よく、何なら上品な感じもする。こういうベース作りは演出の増澤ノゾムさんの調整だと思う。

・WS受けた人ならもうちょっと深く見られるのかな。

・基本的に、「笑い」要素は長時間持続させられないけど、「心地よさ」なら可能だと思っている。

・かと言って簡単にできるわけじゃないのは言うまでもなくて、愛聴するラジオ番組のようにいつまでも聞いていられる掛け合いができるのはすごいこと。

・結局、対決というより、支えあうように、二人で難局を乗り越えたような感じ。公演期間中にもう一伸びしてそう。

・あと、最後の年、ピアノの上に花瓶を置くドリスが照明の加減もあって油絵みたいな美しさだった。

・年を重ねたことを老けメイクではなく、より美しく見せることで表す演出の方針におののく。

・理屈で考えても、お互いの主観で見ていると解釈すればおかしくない。ゆったりとした動きもきれい。

・当時現地の世相がわかると、もう少し深く楽しめるんだろうなとちょっと悔しい気持ちになった。

(2019/11/28 20:00の回)

※OrgofAは「おるおぶえー」と読む。三回くらい続けて音読すると覚えられます。
 

■CAST
ジョージ:遠藤洋平
ドリス:飛世早哉香

■STAFF
舞台監督:植津恵
制作:小川しおり(劇団fireworks)
舞台:高村由紀子
照明:秋野良太(秖王舎)
音響:大谷岱右(DACT)
衣装:丹野早紀
小道具:大川ちょみ
宣伝美術:後藤カツキ 飛世早哉香
アドバイザー:町田誠也(劇団 words of hearts)
著作権代理:株式会社シアターライツ

作:バーナード・スレイド
訳:青井陽治 堤孝夫
演出:増澤ノゾム

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札幌山の手高校演劇部『み・ん・な・の・お・し・ば・い』(TGR2019)

2019-12-01 23:11:02 | 演劇を見てきた・TGR2019

2019/11/30

・イチロー先生の42年間の演劇部顧問生活で、特に印象的な出来事を振り返る話。

・師匠筋にあたるニジコ先生との出会いと別れ、高文連でのハプニング、とにかく本が書けず苦しむこと。

・教文小ホールのサイズにも負けない、30名を超える演者たちがPatosでも役を変え時間を越え次々と現れる。退屈するヒマがない。

・高文連でも見ている作品。最初の「緞帳Q」の言い方が好きで、気分的にはそれをもう一度聞きに行く感じ。

・ちょっと考えれば当たり前なんだけど、パトスには緞帳がないので「音響Q」に変わっていた。残念。

・やや馴れ馴れしい、そして、とにかく聞き心地のよい語り手は、相変わらずの安定感。

・初見の楽しさもあるけど、話の理解で精いっぱいになってしまうことがある。一回見ていると、あらかじめ構成や好きなシーンがわかっているので、ペース配分して楽しむことができる。

・ニジコ先生の最初の怒鳴りっぷりも「待ってました!」と一声かけたくなる。

・「焼きナス!」も的確過ぎて、このあと校長(教頭?)が焼きナスにしか見えなくなる。

・ジョニー、好きなのでもうちょっと見たかった。

・生徒というより先生側の話なので、高文連の作品としては少し違和感あったけど、TGRなら気にならない。むしろ、高文連よりTGRに照準をあわせた感じすらする。

・台本全然できてないのに、全部人任せにしてのんきに踊っていられる強心臓ぶりはすごい。

・大人の役がちゃんと大人に見える。ニジコ先生はもちろん、イチロー先生、加藤先生、るみるみ。

・特にイチロー先生と加藤先生は、年月の経過もちゃんと役に落とし込んでいる。普段から、くたびれた先生の振る舞いをたくさん研究していることが容易に想像できる。

・嬉しくないかもだけど、るみるみは三十前後のやや面白いローカルタレントにしか見えない。役作り完璧。

・カーテンコールのイチロー先生。役が抜けず、「先生」として話しているように見えた。なので、台本なんかないだろうに、とても聞きやすい。

・演じることで、演じてないときの立ち振る舞いにフィードバックされているのもおもしろいところだった。

(2019/11/26 19:00の回)


■CAST

イチロー:高田竜弘
若村虹子:上村亜未

石原悦子:淺利沙智伽
部員イ:荒井ゆかり
部員ロ:橋本和奏
部員ハ:原田瑠々
部員二:本谷将
教頭:山田俊輝
女子高生1:松井美久理
女子高生2:亀山愛香

部長2:荒井ゆかり
部長3:藤原由衣

明菜・愛音:榎本愛音
スケバンA:鈴木佳代
スケバンB:米澤舞桜

ゆかこ先輩:郷由佳子

部員C:荒井ゆかり
部員D:橋本和奏
部員E:原田瑠々
部員F:本谷将

校長・会館スタッフ:山田俊輝

アナウンス:淺利沙智伽

ほのか:小口穂香
ルミルミ:藤原由衣
部員1:坂田紋菜
部員2:渡部蓮
部員3:島田悟朗
部員4:中島颯太
ディレクター:長嶋悠紀
カメラマン:石川倫太郎

加藤先生:加藤郁也

ストーリーテラー:菅原花奈

■STAFF
演出:高田竜弘 上村亜未 坂田紋菜
舞台監督:郷由佳子 加藤郁也 藤原由衣 小口穂香 秋葉孔輔
制作:榎本愛音 淺利沙智伽 石川倫太郎 橋本和奏 荒井ゆかり 松井美久理
音響:後藤涼海 野口卓治 山田俊輝
照明:小田雅貴 大越遥香
装置:本谷将 山田佳輝 永島悠紀 渡部蓮 原田瑠々
衣装メイク:鈴木佳代 菅原花奈 亀山愛香 米澤舞桜 中島颯太  

作:なかねゆうすけ

※当日パンフ参照(なにぶん手入力なもので誤りがあればご指摘ください)

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琴似工業高校定時制 演劇部『ロボダン』(TGR2019)

2019-11-30 00:44:38 | 演劇を見てきた・TGR2019

2019/11/24

・ロボットコンテスト準備中のロボット研究部のところに、謎の侵入者が現れる話。

・高文連のときの上演は見られず。そのときのパンフによると現在の部員は三人。それでも、平成27年度の全国大会に出場している。つい最近。

・開場中、舞台上にロボットが立っていてお客さんを迎える。みんなの期待する工業高校感が楽しい。

・アマゾンって言うからあとでアマゾンで探したけど、見つけられず。探し方が悪いのか。アマゾンのフリしてほんとは作ってたんだったらかっこいいけど。

・開演早々、ベイマックスみたいな見た目のハジメくんと、その持ち主みたいなアキラくんが真顔でボックスを踏んでいる。最高のツカミで早々に笑う。

・主導権がアキラくんにあるように見えて、彼の理屈っぽさもめんどくささもしっかり受け入れるハジメくんの包容力。

・見た目も性格も間逆の二人が、お話が進んで険悪になるでもなく、ただひたすら仲がいい。ほほえましい。

・アキラくんが足を細く見えるぴったりしたの履いているのも、対比を強調する計算なのか。

・三人目のダイゴくんが出てきても、そこまでギスギスする感じでもなく、三人でイチャイチャし始める。

・ポジネガどちらにも振れる事件に対しても、ひたすら「楽しい」「面白い」で通しているのでストレスがない。

・役者三人とも、立ち振る舞いの玄人感が強い。

・ギャグも勢いに頼らない感じで安心して笑える。

・定番のカルチャーギャップ描写もおさえつつ、終盤の前フリもしておく。構成しっかりしてる。

・『七つの海』方式にするのかと思ったけど違った。多少強引でも超自然的な出来事の理屈はほしいかも。

・オタ芸、あんまり話に関係ないけど、三人が仲良くなったということの抽象表現でいいんだろうか。

・というか、若者文化の代表みたいに紹介されてからしばらく経つけど今でも現役なんだろうか。

・このあたりも、よその人が期待するオタク感みたいなのをあえて見せているような気がする。

・終盤、感傷的な方向に急カーブしていくのもそうしたほうが盛り上がると判断したのかな。ちょっとサービスしすぎな感じもする。

・若者らしからぬ客観目線が徹底した作品だった。

2019/11/24 15:00の回

 

■出演/畠山 暁臣・後藤 一・三木 大介

 

作/松本=進藤(琴工卒業生)
演出/後藤 一
協力/鷲頭 環

 

※パンフを紛失してしまったようで、
 TGRの公式ホームページから引用。すみません…。

 

 

七つの海―岩泉舞短編集 (ジャンプコミックス)
岩泉 舞
集英社


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厚別高校 演劇部『七人の部長』(TGR2019)

2019-11-27 20:39:36 | 演劇を見てきた・TGR2019

2019/11/24

・部活動の部長たちが集まって予算会議でもめる話。

・2000年に書かれた台本。翌年上演した川之江高校演劇部は全国大会で最優秀賞。

・生徒会室。壁がしっかりしてて、ちゃんと閉じられた空間が出来上がっている。

・置きっぱなしの私物やチョーク跡の残る黒板も実在感がある。

・高文連は未見。今回のほうが設営に余裕あるはずだけど、やっぱり色々変えてるのかな。

・そもそも本作のスケールだとZOOのほうが見やすい。

・『十二人の優しい日本人』の高校生版という感じ。

・「怒れる男」よりも、お互い何となく知っていたり、学校という狭い社会でもあるので、対立するにしてもより空気を読もうとする感じ。

・こういう話のお約束である心底感じの悪い人。

・今回は剣道部の部長。桁外れの部費を割り当てられ、彼女一人だけ空気を読もうとしない。

・仮に、反抗期の娘にあんな嫌悪感丸出しの顔されたら、お父さん泣いてしまう。

・その心底感じ悪い剣道部部長役を演じた渋谷彩来さんは、演出を兼任している。

・集団をまとめつつ、嫌われ役を引き受けてしっかり演じ切る。かっこいい。

・選択肢が山ほどあるなかで、ああいう時に選ばれるDVDは『ふたりはプリキュア』なのか(たぶん)。

・自分自身が陸上部で長距離だったので、陸上部もっと言い返せよと感情移入しすぎてきれそうになる。

・普通にセーター買ってきたのかと思ったら、予想を一段こえていた。

・ハイレベルな文化部は、中途半端な運動部よりよっぽど実戦的。

・本作で一番よかったのは、終盤の生徒会長の独白。感情的にならずに、深い絶望感が伝わってくる。

・真顔で規則を捏造するところも素直に笑えた。

・脱線が多かったり、各人の目標が見えにくかったり、エピローグ部分が長かったりで、会話劇にしてはちょっと強引。

・最後、普通に出て行ったように見えたけど、ちゃんと鍵はかけたのかな。

(11/23 15:00の回)

■出演

蓮美詠子(手芸部部長/生徒会長):藤川萌夏
佐藤晴海(文芸部部長):塩入渚沙
大野朋子(ソフトボール部部長):堀川香奈
岬潤子(アニメ部部長):山田小初羽
窪マサミ(陸上部部長):金山美貴
椎名美奈子(剣道部部長):渋谷彩来
福岡ゆみ(演劇部部長):庄司千咲

■スタッフ
舞台監督・照明:長谷来実
音響:齋藤彰
演出:渋谷彩来
演劇部顧問:愛澤知潤・戸塚直人
演技演出指導:納谷真大(イレブンナイン)

作:越智優

協力:さっぽろアートステージ2019実行委員会
 札幌劇場連絡会

※当日パンフ参照(なにぶん手入力なもので誤りがあればご指摘ください)

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ELEVEN NINES『六人寄れば修羅シュシュシュ』(TGR2019)

2019-11-25 01:53:38 | 演劇を見てきた・TGR2019

2019/11/23

・不思議な部屋に集められた六人が謎のオーディションに挑む話。

・登場人物と若手の演者それぞれの個性と、その個性のぶつかり合いを楽しむ感じ。

・白い壁の密室に六脚のカラフルな椅子。シンプルな舞台美術なのに賑やか。

・そこまで変なオーディションに見えないうちから、参加者が激しく警戒やら動揺やらしている。

・後から説明はあるものの、その時点では大げさに見えてしまい、気分的に半周遅れくらいでテンションの高さと展開についていく感じ。

・おそらく若者らしくとにかく腕を振っていこうという方針。

・ちょっとの隙間にも熱なり知恵なり何かをねじ込んでいく。多少強引でも演技のアイディアで繋いでいく。

・それでも何とかできるし何とかなっている。

・宮田桃伽さんの動きとポーズがいちいちおもしろい。服の影響か、人より腕の関節がひとつ多く見える。

・のと☆エレキを見ていたので、菊地颯平さんの声を聞くだけでちょっと楽しい。

・若手と言っても、梅原たくとさんは去年のTGR大賞作品(しかも二人芝居)に出演しているくらいだし、他の演者さんも発声から体のキレから基本スキルが高い。

・後半のエチュードを見ても、観念的なセリフと演技で、観念的な作品が成立していたように見えなくもない。よくわからないままかっこいい。

・エチュードをする場面で、自分の役を守りつつ、作中の役の状態と素の状態を切り替えながら演技するの、かなり難しいと思う。

・ちょっと第三舞台の『リレイヤーⅢ』を思い出した。

・オーディションをさせる側の配役を考えても、ある程度はメタ的に見ざるを得ない作品だと思う。

・スマートにやれないこともなさそうだけど、あえてテンションで押すのは今後を見据えてのことなのかな。

・同じ劇団内に演技うまい方々たくさんいるし。

・中途半端な「引き算」とか「余白」の概念は嫌いなので、どんどんねじ込むスタイルは好き。

・ソフトバンクのネタ、何年も前のyhsの『しんじゃうおへや』からあったけど、いつまで電波弱いままのか。

・結局最後まで故郷を見捨てなかった納谷さん(の声)の役が一番かっこよかったような気がする。

(2019/11/22 20:00の回)

 

■出演

 

梅原たくと

大作開

菊地颯平

城田笑美

ふじむらたかし

宮田桃伽

 

(声の出演)

納谷真大

上總真奈

 

■スタッフ

演出助手:後藤七瀬

舞台美術・舞台監督:上田知

照明:岩ヲ修一

音響・宣伝美術:奥山奈々(pylon Inc.)

宣伝美術:小島達子

 

プロデューサー:小島達子(tatt Inc.)

アシスタントプロデューサー:後藤七瀬

ゼネラルマネージャー:カジタシノブ

制作:ELEVEN NINES tatt Inc.

協力:北海道演劇財団 さっぽろアートステージ2019実行委員会

 札幌劇場連絡会

制作協力:ダブルス

企画・製作:ELEVEN NINES

 

※当日パンフ参照(なにぶん手入力なもので誤りがあればご指摘ください)

ELEVEN NINES

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