2025/8/4
・小松美和さんの作品がマンガ『ブルーピリオド』にてある登場人物の作品として使われていたので、聖地巡礼感覚で見に行く。
・当然、小松さんの許可を得て作品を使わせてもらっているのに、マンガの作中で、「アートを知らない人のためのアート」「未熟な絵に見える」など、結構な言われようだった。
・もともと小松美羽さんは「美しすぎる銅版画家」としてメディアに出てきた。
・本展でも銅版画家時代の代表作、「四十九日」や「六道輪廻」も展示されている。水木しげるを思い出す。
・道案内人のウサギと毛めだまみたいな魂がかわいい。
・解説を見ると、四大要素、自然、魂、自然、瞑想と、やたらとスピリチュアルな言葉が出てくる。
・人間と動物は魂においては平等とか、大調和(グレートハーモナイゼーション)などの言葉が出てくると、このまま素直に鑑賞してよいのか不安になる。
・魂や死後の世界のような人間が勝手に考えた概念を動物に押し付けるのは違和感ある。
・美術館の外におおきな狛犬風のオブジェがある。かわいい。屋内にも少しずつバージョンの違う一対の狛犬風の動物が展示されている。
・動物が好きな人なんだということはわかる。
・ギャラリーツアーに参加できた。学芸員の方が薄めのバインダーの資料だけで40分強よどみなく解説する。すごい。
・西洋美術業界ではジャンルにヒエラルキーがあって銅版画は市場価値が上がりにくいという話、ダイマクションマップ、絵画内の聖獣が鑑賞者と正対していても目を合わせてないという指摘が興味深かった。
・小松さんはアメリカに行ったものの、銅版画では評価されず油絵を中心に製作するようになる。売れるための生存戦略として作品ジャンルを選んでいるようにも見える。
・スピリチャルな作品と、俗っぽい売り出しの共存がおもしろい。
・そんな自身の立ち位置を自覚するからこそ、ブルーピリオド内の表現も許容できるのかも。作中で言われているようなことは、実際に言われているんだろうし。
・六月のライブペイントも興味あったけど、こういう作品だといつ終わるかの目安がわかりにくいので、実際見てみたら結構しんどかったかもしれない。
・世田介くんがどの部分にシンパシーを感じたのかはよくわからなかった。
(2026/8/3 札幌芸術の森)
※ミュージアムショップで狛犬のキーホルダーを探したけどなかった。だいぶ残念。