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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

Jeda de Brí『ファイヤー・ソウル』

2025-08-20 23:42:29 | SAMANSAで見た

Jeda de Brí『ファイヤー・ソウル』

2025/8/20

ガソリンスタンドでワンオペ夜間勤務している女性エマが、環境テロの男に絡まれる話。

アイルランドの作品。

おそらく防犯上の理由から、ガソリンスタンドの事務所内には、外部の人間が入れないようになっている。

原則、客とはガラス越しにマイクで話す感じ。車の運転をしないからわからないけど、日本でもそういう感じなのかな。

街を出た人間と、残った人間。

エマは狭いオフィスの中で、外に出ない選択をした側の人間。

それでも、見ていると、街の外に出たか出なかったかは、大した問題ではないという展開になっていく。

意外なほどポジティブなテーマでその部分には共感する。クライマックスも楽し気でよい。

ちょっと老けた感じの自信の顔が自身に映るシーンや、ネオンの色味など、映像もかなり凝っている。

ただ、やっぱりガソリン事故の扱いが、楽しめる範囲を超えていて、素直に楽しめない作品だった。

あと、警察は仕事しろ。

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College Humor『ジェギンズは絶対禁止』(Part.1~3)

2025-08-19 23:31:40 | SAMANSAで見た

College Humor『ジェギンズは絶対禁止(Part.1)』(SAMANSA)

2025/8/19

授業の前に臨時の教師が、ジェギンスをはじめとする生徒の不適切な格好を咎め、キレ散らかす話。

さすがにアホらしくて、Part1から3までまとめて書く。一話あたりおおよそ2分。

完全にテンション芸で、ぼんやり見ていたら、あっけにとられているうちに終わった。

どの話も、教師が素っ頓狂な格好(あるいは全裸)の生徒にツッコミを続け、最終的にはその教師が一番ひどいことをするという構造。

ジェギンスはジーンズとレギンスの中間みたいなものらしい。アメリカではどういう位置づけの服装なんだろう。

確かに体のラインがくっきり出るのでエロいと思えばエロいのかもしれないが、そんなことは話の枕にすらならない程度に、下品な展開になっていく。

ほんとにどうしようもない作品だけど、テンション芸らしくテンポがいいので、後味はそんなに悪くなかった。

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溝口健二監督『雨月物語』(1953年)

2025-08-18 23:34:59 | DVD・VHS・動画など

2025/8/18

・スコセッシが4K復元したというブルーレイで見る。

・戦国時代、貧しい農村で陶磁器を作る男が、街で不思議な女性に見初められる話と、武士になることを望む男が、戦のどさくさで武将の首を盗んで出世する話。

・この二人の男が近所に住んでいてそれぞれの妻と暮らしている。

・陶磁器を売りに街に出るところまでは一緒だけど、それぞれに異なる体験をする。一つの話に二つのエピソードがあってほとんど絡まない。

・解説の冊子に、原作の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の二篇を脚色したとあったので、それぞれの主人公なのかなと思ったけど、そういうことでもないらしい。

・AIに聞いてみたら、富と名声という庶民の欲に溺れた男たちをモザイク状に描いているということらしい。あんまりぴんと来ない。

・たしかにそれらを諫める村人は出てきたけど、陶磁器を売る源十郎の商いは生きるためだし、武士になりたい藤兵衛のなりふり構わぬ行動はとても正気とは思えない。

・二人の行動にはだいぶん温度差があるし、その顛末もそういうまとめ方に思えない。男が許される結末は男映画だなと思わないでもない。

・何かあるのかもしれないから、結論出さずに保留しておくのが今はよいのかもしれない。

・映像は確かにきれいで、特典に比較映像もある。

・スコセッシが好きなシーンとして挙げていた琵琶湖上も水面がぬめぬめしてきれいだった。幽玄と言われればそうかなと思う。

・最初はギョッとする見た目の女性、若狭もちゃんと魅力があるように見えてくる。

・農村の貧しい暮らしぶりが生々しい。

・そして、武士が怖い。野蛮そのもの。飢餓状態の武器を持った集団が不定期に村に現れる。イナゴの集団みたいだった。

・武士に関しては徹底して卑俗に描かれている。

・悲劇的な意味で見せ場になるシーンも、武士の動きがグダグダすぎて、少しも見栄えしない。

・戦乱の悲惨さを描く意図もあるようなのでこのあたりはたぶん意図的。

・武器を持った飢餓者がまともに行動できるわけがない。やっぱり武士道とか嘘だと思う。

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Nata Metlukh『気まずいあるある』

2025-08-17 23:43:46 | SAMANSAで見た

2025/8/17

日常にある気まずい瞬間を寄せ集めたアニメ。

道端ですれ違おうとして同じほうに避けてしまう二人や、山積みの果物を一つ取ると全体が崩れてしまうようなベタなものから、ほんとうにそれはあるあるネタなのかという独創的なものまで色々ある。

個人的には、空港の受付で、長蛇の列を誘導するグネグネした簡易柵のエピソードが気に入った。

白杖のふたりの正面衝突や、足のない男の登場など、日本の作品よりも普通の幅が広い感じがする。たぶんこれはいいこと。

あるあると言っても、大きなザリガニを抱いた紳士をはじめ、明らかに様子のおかしい列車の乗客。

果物の山積みも、結局何屋のどんな種類の果物かわからないうえに、崩れたあと台の底からどんどん果物が沸いて出てきたりする。店のレイアウトもだいぶん変。

思っていたよりちょっとだけおもしろかった。

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Tom Furniss『あいつのロシェル』

2025-08-16 22:31:47 | SAMANSAで見た

Tom Furniss『あいつのロシェル』

2025/8/16

へんなダンス好きの若い男が、友達が遺した愛車を改修してボロ車レースに参加する話。

主人公は、変な動きと変な髪型でちょっと間が飽くとクネクネしている。

そのうえで、あんまり説明なく、ほこりをかぶった車を買い取ったり、修理にだしたりするので、ほんとに変な人に見える。

ただ、その変な行動にはちゃんと理由があって少しずつ明らかになっていく。

大枠はわかるようになっているんだけど、他の登場人物の気持ちや発言にはよくわからないところが多い。余白を大事に作られているし、実際に良い余韻として機能している。

ボロ車レースというのも味わい深い。そんなのあるんだという驚きもあるし、取り繕うことの得意な男が選ぶ晴れ舞台として、おさまりがいい。

変な髪型の理由は明かされていなかった。

あの巨漢のおじさん、スタジアムでの観戦態度が自分にそっくりで親近感が沸いた。

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北海道大学総合博物館「人文的昆虫展覧会 – たどり着いたらメーリアン」

2025-08-15 23:21:48 | 今月のソロ活

2025/8/15

北大の総合博物館の企画展。

ヘルマンヘッセの作中で登場する蝶や蛾を、テキストと実物を一緒に展示しているなど。

「少年の日の思い出」は、友だちの希少な蛾の標本を盗んだあげく、壊してしまう話。

取り返しのつかない思い出というのは誰にでもあるし、普遍的な罪悪感を描いた作品だけど、本展では問題になったクジャクヤママユガを深堀りしている。

クジャクヤママユガは3種類いるが、本編にでているのはたぶんクジャクヤママユガだろうという考察が出ている。オオクジャクヤママユガでもヒメクジャクヤママユガではない。ややこしい。

オオクジャクヤママユガも展示されているので、「たしかにこれ子供の手じゃ無理だわ」と納得できる。

その他、ドイツの虫愛ずる姫君として紹介されているメーリアンの立体昆虫図譜。神と名付けに関する展示。

とかく、文字情報の多い展示だった。

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Wibout Warnaar『パッチ』

2025-08-14 23:52:18 | SAMANSAで見た

2025/8/14

髪の毛が薄い人がかつらをかぶって婚活する話、でいいんだと思う。

婚活という説明がなくても、なんとなくマッチングアプリなど利用して、次から次へと違う女性と食事しているんだろうなというのはわかる。そういう時代。

そこまでしてパートナーを見つけたいのか。みんな寂しいんだなと考えてしまう。

西洋人だとスキンヘッドでかっこいい人いっぱいいるから、あんまり薄毛で悩む人がいるイメージがない。

トランプでもそういうネタがあるくらいだから、ないわけではないんだろうけど。

女性の「ごめんなさい」という言葉が意味深でいろんな解釈ができる。

人間見た目じゃないというのが建前だとしても、人間、見た目よりももっとシビアに品定めされる要素があるのも事実。

たぶん、主人公の男性はそのシビアな現実に直面して、自己と向き合わざるを得なかった。たぶん前進なんだと思う。

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星くずロンリネス「INDEPENDENT:UED」

2025-08-12 22:56:06 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2025/8/12

上田龍成くん作演の一人芝居を三作品を動画で視聴。

『みそやだ』『ポタリポタポタ』は初見。

 

岡田怜奈『みそやだ』

・味噌の蔵元で生まれた、やたら運の悪い女性が、幸運を引き込むために「ん」の付く言葉を集める話。

・落語の演目がベース。構成や言葉遊びはシンプルなので、言い立てのリズムや迫力が見どころになる。

・ミソが付くのは避けられない人生なので、そのマイナスを「ん(運)」のプラスで逆転しようという前向きな発想。

・でも、子供からしたら母親が年柄年中こんな調子だったら不安になりそう。ん廻し二世。

 

荒木宏志『ポタリポタポタ』

・九州のサッカーチームのサポーターが、左遷先の北海道で地元チームのサポーターとして再起する話。

・今まで見た一人芝居の中で一番うるさいオープニングで笑った。鳴り物はずるい。

・スポーツチームの応援ほど非生産的なものはないけど、それでも応援でしか得られない何かはある。

・その無駄なようで無駄とも言い切れない言葉にできない何かを垣間見える作品だった。

・絶対この人バズると思ったらやっぱりバズっていた。

 

「幕間映像」

長崎で活動する荒木さんが長崎の料理を15秒で説明し、岡田さんきゃめさんが想像をまじえて再現する。

オムニバスでこういう一息つける動画はありがたい。

 

きゃめ『カウント9.99』

・ある女子プロレスラーが人生の引退式を全うする話。

・見るのは3回目。過去二回はライブ。映像だし3回目だし、さすがに楽しめるかなと心配してたけど杞憂だった。

・実際、見たのは結構前なので過去と比較もできない。目の下の白いのは前からあったかな。目力が強い。

・ほぼモノローグのみの序盤。説明要素多く、笑いは抑えめなのに、メイクとコスチューム、ヒールらしいふてぶてしさで悠々と乗り切っていた。存在が強い。

・大河ドラマとしてのプロレスで考えると、やっぱり同期ライバルとの関係性がおもしろい。恩讐の彼方。

・前も似たようなこと書いたけど、10カウントのその瞬間こそが最も華々しいという、人生に夢を与えてくれる作品だった。

 

星くずロンリネス「INDEPENDENT:UED」(アーカイブ動画)

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Toni Yammine&Maya Zankoul『永遠の傷』

2025-08-11 23:58:55 | SAMANSAで見た

2025/8/11

誕生日を祝われている女の子が、ベイルート港爆発事故の被害を受ける話。

土地柄、戦争の余波なのか、また中東の国が何かやらかしたのか、色々想像してしまったけど、貯蔵していた化学薬品が爆発した事故らしい。2020年。

爆風が迫ってくる描写も、大型の爆弾が炸裂したような見え方だった。

幸せな瞬間を狙いすましたような事故に、作り手の作為を感じないでもないが、事故の規模的には現実にも似たようなことはいくらでもあったんだろうと思う。

基本亭には事実をそのまま切り取ったスケッチのような作品だけど、事件が事件だけに、それだけで見ごたえがある。

ちょっと素人っぽい感じの絵柄がかわいい。

意図しているものかどうかはわからないが、絵柄の拙さに、近さを感じる。

原因は色々あれど、本作の女の子のように突然の喪失に遭遇した人は世界中にたくさんいる。

自分がそうなりたいとは思わないけど、そういう人がいるという事実は忘れないようにしたい。

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Oh Jihyeon『アニマルズ』

2025-08-10 23:30:35 | SAMANSAで見た

2025/8/10

ある女が色んな動物たちと付き合う話。アニメ。

ある女のデザインが、全く特徴のないプレーンな見た目。扱われ方も全体的に雑。

動物は、ウサギ、キリン、ブタなど。

それぞれその動物の特徴を残しつつ擬人化されている。

ウサギならせわしない感じとか、ブタなら食欲旺盛とか。キリンはよくわからない。ナルシスト?

恋人生活を描いてセックスで終わる。

女は大部分男に合わせて行動している。というか、主体性が全く見えない。相手本位。

唯一、真顔でケーキを写真に撮っているところだけ、自我が出ていた。女のステレオタイプはそこでいいんだろうか。

ピンキリの男と、特徴レスになりがちな女という要素は、一応世の中の一定の心理を付いているような気がする。

男女で感想が全く変わりそうな、バカバカしくも、深みと余韻を与えてくれる作品だった。

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