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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

星くずロンリネス「INDEPENDENT:UED」

2025-08-12 22:56:06 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2025/8/12

上田龍成くん作演の一人芝居を三作品を動画で視聴。

『みそやだ』『ポタリポタポタ』は初見。

 

岡田怜奈『みそやだ』

・味噌の蔵元で生まれた、やたら運の悪い女性が、幸運を引き込むために「ん」の付く言葉を集める話。

・落語の演目がベース。構成や言葉遊びはシンプルなので、言い立てのリズムや迫力が見どころになる。

・ミソが付くのは避けられない人生なので、そのマイナスを「ん(運)」のプラスで逆転しようという前向きな発想。

・でも、子供からしたら母親が年柄年中こんな調子だったら不安になりそう。ん廻し二世。

 

荒木宏志『ポタリポタポタ』

・九州のサッカーチームのサポーターが、左遷先の北海道で地元チームのサポーターとして再起する話。

・今まで見た一人芝居の中で一番うるさいオープニングで笑った。鳴り物はずるい。

・スポーツチームの応援ほど非生産的なものはないけど、それでも応援でしか得られない何かはある。

・その無駄なようで無駄とも言い切れない言葉にできない何かを垣間見える作品だった。

・絶対この人バズると思ったらやっぱりバズっていた。

 

「幕間映像」

長崎で活動する荒木さんが長崎の料理を15秒で説明し、岡田さんきゃめさんが想像をまじえて再現する。

オムニバスでこういう一息つける動画はありがたい。

 

きゃめ『カウント9.99』

・ある女子プロレスラーが人生の引退式を全うする話。

・見るのは3回目。過去二回はライブ。映像だし3回目だし、さすがに楽しめるかなと心配してたけど杞憂だった。

・実際、見たのは結構前なので過去と比較もできない。目の下の白いのは前からあったかな。目力が強い。

・ほぼモノローグのみの序盤。説明要素多く、笑いは抑えめなのに、メイクとコスチューム、ヒールらしいふてぶてしさで悠々と乗り切っていた。存在が強い。

・大河ドラマとしてのプロレスで考えると、やっぱり同期ライバルとの関係性がおもしろい。恩讐の彼方。

・前も似たようなこと書いたけど、10カウントのその瞬間こそが最も華々しいという、人生に夢を与えてくれる作品だった。

 

星くずロンリネス「INDEPENDENT:UED」(アーカイブ動画)

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神奈川県立神奈川総合高等学校『パノラマランナー2024』(春フェス2025)

2025-07-25 22:58:31 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

神奈川県立神奈川総合高等学校『パノラマランナー2024』(春フェス2025)

2025/7/25

ある女子学生が、電車に乗って自分探しのようで違うらしい旅に出る話。

圧強めな車掌から始まって、学祭前のホームルーム、かさぶた少女、チーム納豆力、駅弁コンシェルジュ、お子ちゃま秘密組織、それほど統一感のない短いシーンを並べて、自分探し(仮)でパッケージする。

それぞれのシーンはある程度入れ替え可能だし、いくらでも応用が利く。

デフォルメ部分も含めて、学祭前ホームルームの解像度が高い。さすが高校生。

反面、営業職の仕事できる描写が「しつこさ」なのが結構雑。

わちゃわちゃしているようで、何だかしっくりきていない人生のなかで、自分は何を大切にして生きていけばいいのか、みたいなテーマが潜んでいる。

話のベースは「星の王子さま」みたいな感じ。

全景映像なのでよくわからないけど、最初と最後のモノローグで、ヒロインの背筋の伸び方が変わって見えた。

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栃木県立真岡高等学校『伝説の脚本』

2025-06-10 00:03:21 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

栃木県立真岡高等学校『伝説の脚本』(OpenREC)

2025/6/9

弱小演劇部員たちが、部の存続のため、大会で好成績を狙う話。

話の構造はテンプレそのもの。定型の強さで設定の荒っぽさを抑えこもうとしている感じ。

最初から、すがすがしいくらいの説明ゼリフで、ものすごくわかりやすい。

ギャグがうまくはまっていて、よく客席から笑いが起きる。おかしな声色、動き、どこかで見たようなギャグをリズムよく並べる。

たぶん全員同じようなギャグだったので、演出の趣味なんだろうなと思う。

安西先生がいまだにウケているのがすごい。

そんななかでも主役の男子生徒の演技が頭一つ抜けている。

言葉も聞き取りやすいし、動きのキレもある。見得を切るところも堂々としている。抜群の安定感だった。

ツッコミどころは山ほどある作品だったけど、上演している側もそんなことは百も承知でやり切っている感じで、歪な魅力のある作品だった。

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北海道帯広三条高等学校『お昼の放送』(春フェス2025)

2025-04-25 23:25:07 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2025年 上演2北海道帯広三条高等学校「お昼の放送」(OPENREC)

2025/4/25

放送部がお昼の放送を始めるが、アナウンサー役の生徒の病気が進行し放送を続けられなくなる話。

ちょっとパワハラ気質の部長と、何を考えているのかよくわからないエンジニア系の後輩、進行性の病気を抱えるアナウンサー後輩の三人。

ウザがらみする部長とエンジニア後輩の掛け合いは、見ていてわりと冷や冷やするけど、後輩も月日が経って対抗できるくらいに成長していく。

病気(具体的な病名は不明)が進行するアナウンサーの生徒との残酷な対比も読み取れる。

場面転換は、放送部という題材と既存曲の相性の良さで乗り切っていたけど、もう少し何かできそう。

感動を呼び込むための病気要素という点が否めないところや、本人の希望だとしても事情を知らずあの放送を聞かされる他生徒の気持ちを考えると素直に乗れないところはある。ちゃんと放送上で説明してほしい。

それでも、配役は的確で狙いどおりの笑いが取れる。結果、最後まで集中してみることができた。

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『野田版 鼠小僧』

2025-04-15 00:30:03 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2025/4/6

・芝居小屋の近くで棺桶屋を営むドケチの三太が、成り行きで鼠小僧のまねごとをする話。

・平成15年に上演された作品。20年以上前。

・映画館の客席は半分くらい埋まっていた。結構入っている印象。

・本編開始直前にシネマ歌舞伎アプリで解説も聞けることを知らされる。慌てたけど、野田版なら大丈夫だろうと結局利用せず。でもお知らせはもう少し早いタイミングでほしい。

・棺桶屋は中村勘九郎(当時)。舞台上はもちろん、客席も含めた会場の空気を一手にコントロールしている。場の支配力がすごい。

・話は鼠小僧の劇中劇で始まる。屋根の上の殺陣。

・歌舞伎特有の間の取り方がかっこいい。斬られ役が前宙しながら倒れている。派手。

・町民たちが勝手な感想を言いながら芝居小屋からぞろぞろ出てくる。ここからの数分で何度か笑う。すでに楽しい。

・弱っている人の思い切りのいいメイクで声出して笑ってしまった。しょうもない。

・結構体を使ったギャグをやっている。

・廻り舞台を利用してどんどん装置が切り替わっていくのも楽しい。ドリフを思い出した。

・死体役に中村獅童。明らかに動いている。というか、ちょっとふざけている。笑ってしまった。ズルい。

・予想どおり、セリフで特にわかりにくいようなところはなかった。ちゃんと聞き取れる。

・三太はまったく善人ではないし、ケチなりの信念もある。なのに、彼の信念とは対極の存在である鼠小僧のまねごとをしてしまうという構図。

・芝居小屋の前に棺桶屋ってどういう発想なんだろう。何か元ネタあるのかな。

・成り行き要素もあったけど、ケチと泥棒は全然違う。

・「善人のフリをしていると善人だと思われる」(細部は違うかも)のような何かしらの本質をつくセリフ。

・重要な子役の演技がわりと棒読み棒立ちなのに、良いシーンに仕上がっている。配置の妙。

・ただ、途中の成りすましコメディ的な展開はあまり飲み込めず、雰囲気だけで楽しむ。

・色んなレイヤーで登場人物が演技をするシーンが出てくる。芝居で始まって芝居で終わった芝居だと言えば、うまく煙にまけた感じはする。

(札幌シネマフロンティア)

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SPAC『守銭奴 あるいは嘘の学校』(2022年)

2025-04-06 20:09:34 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2025/3/31

ケチな資産家の老人アルパゴンが息子の恋人と結婚しようとして、周囲を振り回す話。

落語の小話みたいな内容だけど、2時間近く使ってじっくり見せる。

戯曲の内容はほぼ忘れているけど、だいぶん現代向けに調整されているのはわかる。

老人の息子と娘がチャラ男とギャルの組み合わせ。

資産家の家族でも彼が金を使わせないので、その辺から拾ってきたような貧乏くさい布切れを身にまとっている。

そんな雑多な組み合わせでも舞台上の色味をしっかりまとめている。

そして、話の全ては、終盤の金以外すべてを失ったかのように見える彼の姿に集約されている。いい構図。

実績のある演者さんが集まっていると思うけど、特にアルパゴンの娘が印象に残った。

わりとごちゃごちゃしがちな舞台上で、自然と目が行く。姿勢なのか表情なのか動きのキレなのか。

古典作品の良さというより、演出の楽しさが勝っているという印象の作品だった。

(U-NEXT)

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Yoko Oike & Bilkent University "The Radiant City(かがやく都市)"

2025-03-31 10:17:43 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

Yoko Oike & Bilkent University "The Radiant City(かがやく都市)"(Youtube

2025/3/28

・広場のある街で、教職を辞める男と、都市計画の立案を試みる生徒、宇宙人の後輩女子、その兄で工場を運営する宇宙人、宇宙人に因縁のある女性の五人がそれぞれに交流していく話。

・ラジオ番組アトロク2にて国際交流基金の活動として紹介されていた。

・トルコ語に訳された大池容子さんの戯曲を、自身の演出でトルコの人が演じるという、なかなかカオスな座組。

・設定をトルコ人向けに調整したりもしてないそうだ。

・トルコの人が日本語で日本の歌を唄うところが混沌のピーク。よくわからないけど、リズムで笑った。

・トルコの人は、言葉の意味はわからないだろうけど、歌の持つ切なさみたいなものは伝わったんだろうか。

・人生ゲームみたいな遊びはトルコにもあるのかな。

・英語なら少しは知ってる単語もあるけど、トルコ語なので、ひとつもわかる単語がない。

・基本、YouTubeの翻訳字幕があるので大体わかるけど、時々字幕が出ず不安になったりはする。あえてそうしている感じでもないし。

・コミュニティと部外者、属性と個性のズレといった解釈を楽しむタイプの話ではある。

・宇宙人を登場させることで、人間だけなら単なる人生の不条理でも生々しくならない。湿っぽくない。

・日本人が演じないことで、その傾向が強まっている。

・急に「人間の工場」に言われても、すんなり受け入れてしまう。人間という一言にも解釈が生まれる。

・触覚の整い方が兄と妹で違ってそれぞれの個性になっている。

・宇宙人を「他者と違う自分」と解釈すれば、その疎外感とか、真の友人とは、ここではない場所とか、共感するのはそんなに難しくないと思う。

・宇宙人と言いつつ、あの兄妹が本当に宇宙人なのかも明言されていない。

・テレパシーとか、工場の勤務形態とか、たぶんそうなんだろうなとは思うけど、最後のほうで触覚が消えてしまっていることで、急にわからなくなる。

・みんなが他者だと思っている人たちが本当に他者と言えるのかを考える話と、仮に解釈することにした。

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ストスパ『キロキロ』

2025-03-08 23:36:57 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2025/3/7

・ピン芸人、都市伝説ネタ、カラオケボックスの従業員の顔を持つ青年が、本命のピン芸ではなく、都市伝説ネタでスター発掘番組の審査を勝ち進んで葛藤する話。

・カラオケボックスの一室が舞台で、彼が高校生時代に好きだった人の結婚式の二次会で使われることになる。

・ほとんどの登場人物は仕事と出産育児と夢のバランスが不安定な人たちで、35歳はそういう生々しい年齢なんだと思う。ぎりぎりシンプルな恋愛が入る余地もある。

・客の吐しゃ物を掃除するところから始まる。

・営業の人も大変そう。ハーブの人は別途バイトもやっているらしいし、だいぶんグレー。買ってあげることがホントに応援になるのか心配。30%オフに説得力がない。

・関係性が微妙になりかけている嫁に聞く質問でないのはホントそう。

・大変な環境で生活を続ける人たちがいる一方、主人公は芸人として芸に妥協するかどうか選択を迫られる。

・自分は評価された芸で頑張ればいいと思うほうなので、このあたりのこだわりはよくわからない。売れ方が選べる立場じゃないんだし。

・スマホでああいう感じで二次審査できるのは今風のバックステージ感があって新鮮。実際にそういうチャンネルあるんだろうな。

・ちゃんと評価された芸を舞台上で見せるところは信頼できる。たしかに審査とおりそう。

・都市伝説で彼のファンになった人だって少なからずいるだろうし、古参ファンなら逆に背中を押してほしいところ。芸に貴賤があるとは思いたくないし。

・ファンとしての好意と異性としての好意は全然違いそうな感じ。とにかくとても繊細なものらしい。

・売れない芸人と古参ファンの共依存みたいな状況は、お笑い以外にも結構ありそう。

・カラオケボックスの照明で遊ぶの楽しい。

・特徴的な結婚式なんだけど、構成的な事情なのか、その特徴的な部分はだいぶんあとに明かされる。事前に彼に教えてあげないのはだいぶん意地悪だと思う。

・売れない芸人の悲哀や、生活の苦しさみたいなエピソードが多いので、コンサル業の幹事がだいぶん良い空気を作っている。手足が長くて動きが切れている。

・舞台上にいない芸人よりもよっぽど芸人っぽく振る舞っているのは面白い。仕事で成功しているのも納得。

・そんなに複雑なことじゃないんだけど、無意識に恋敵へいいパス出していたところが好き。

(ステージチャンネル)

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札幌座『民衆の敵』

2025-02-14 14:03:59 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

札幌座第62回公演「民衆の敵」

2025/2/12

・街の温泉施設の危険性を訴えた学者が、実の兄である町長らの反感を買い、集会で民衆の敵と認定される話。

・作者は『人形の家』で有名なイプセン。

・1882年に書かれた。140年以上前の作品なのに、扱う題材が完全に現役。イプセンがすごいのか、世間が進歩していないのかはよくわからない。

・本作は主に学者だけど、大手マスコミの記者とか、違法建築を目の当たりにした技術者とか、パンデミックを予見する医者とか、いくらでも今の構図に置き換えられる。

・一般的な民衆には、学者とインチキ学者の対立があった場合に、なかなか判別できない。

・そういうときって、学者は油断しているし、インチキ学者は必死だから、逆転現象も起きやすい。

・町長の主張も正直妥当性がわからない。

・この傾向はSNSのある今のほうが先鋭化している。

・民衆の敵を押し付け合う集会の様子は既視感しかない。

・いかにも翻訳劇という重厚なセリフのやり取り。

・登場人物もれなく存在感が強い。声の圧も強い。

・たまに変なポーズしたり、突飛な行動をする人もいるんだけど、コミカルな演技にすら迫力が伴う。

・町長役のクドクドした言い方にイライラさせられる。出てくるたびに、「またお前か!」と思わされる。敵役として理想的。杖と帽子が良く似合っている。演者は笠木誠さん。

・今すぐ健康被害が出ているわけではないようだし、あの兄弟、もう少しずつ妥協しあえば、あれよりはマシな結論出せたんじゃないかなと思ったりする。

・町長は結論ありきで話すから難しいか。

・結局、人事権を握っていると強い。

・温泉の配管モチーフと思われる舞台美術。

・広い空間を使い切っている。高さもある。工場萌え分野の人でも結構満足できそう。

・幕間で見せる、広義で言えばダンスのような人々の動き。脈絡のないダンスの挿入は嫌われがちだけど、具象と抽象の距離感が丁度よく馴染んでいるように見える。

・舞踏と演技のどちらかなら、演技なんだと思う。

・『人形の家』も人間100年くらいじゃ進歩しないんだなと思ったので、他のイプセン作品も気になってきた。

・まずは本作の戯曲にもあってみたい。

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『ダイアナ:ザ・ミュージカル』(2021年)

2025-01-18 23:44:49 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2025/1/16

・王室に嫁いだダイアナの泥沼の結婚生活とその顛末を描いたミュージカル。

・積極的に気にしたことないけど、当時は「ダイアナ妃」としてテレビから勝手に情報が入ってきたので、作品を見ると素直に「似てる!」と思える。

・有名な話なんだろうけど、開始早々、プロポーズはするが、好きな人は別にいるという言動不一致な皇太子のねじれ方に戸惑う。

・当然、うまくいくはずもなく後に破局する。

・立場もあるのに、なんでそんなに軽率なのか理解しがたいけど、要するに彼はダイアナを大人しくコントロール可能な女だと勘違いしていたという話。

・本作には彼を取り巻く三人の女が出てくる。それぞれ立場は違っていても、自分の意思や主張ははっきりしていて見ごたえがある。

・「世が世なら断頭台送りだ」みたいなことを言うエリザベス女王が物騒。

・反面、嫌われるためだけに存在しているチャールズが不憫。まさか現実でもこんな感じなんだろうか。

・実在かつ存命かつ立場のある人をこんなに薄っぺらく書くことができるのはすごい。逆にこれが許されているのは懐が深い。日本の偉い人では無理。

・歌とダンスはさすがに迫力がある。王室のスタッフに扮するアンサンブルキャストが凛々しい。常人離れした姿勢と仕草の美しさが世界観によく合っている。

・トレンチコートに中折れ帽の集団パパラッチも、それはそれでかっこいい。

・バッハとクイーンのハイブリット。高尚とされているものと、広く親しまれているものの対立は、作品全体のテーマとも一致している。

・楽曲で話が停滞せず、関係性やその変化を描くのに活かされている。

・ダイアナの衣装が目まぐるしく変わるのも楽しい。

・基本的にダイアナは好意的に描かれているけど、一応不倫のようなマイナス面の描写もある。

・お飾り王族よりはちゃんと慈善事業やっているぶんえらいとは言えるくらいのバランス。夫の浮気相手であるカミラへの当たりがきついのは当たり前のこと。

・ほぼ現代の公職にある人物をここまで味付け濃く描けるのは、欧米ならではのノリで、これはこれで重要なことなんだろうなと思った。

(NETFLIX)

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