観劇三昧:ツキノオト
2016/8/31
・死神シリーズ三作目。
・最初が1時間48分、次が1時間46分でまとめているのに、本作はいきなり2時間24分。
・作・演出の戒田さんが煽るスタイル。
・ゲストで主演の客演さんに三作続けて前説をさせる、その際に客席を温めるようリクエストする、ほぼ演技きっかけで物語を始める。
・いきなり多方面から主演役者を追い込んでいる。背負わせている。
・歌のスペシャリストがいる上に、役が変わっているのに、とりあえず『愛しさとせつなさと心強さと』を唄わせること。
・ただ、そういうときでも元気に明るく唄いきれる役者は信頼できる。
・死神のミスで自らの死因を知ってしまった女の話。
・前二作で死神を演じた河上由佳さんが、死神に絡まれる側にまわる。
・死を悟っても全く動揺を見せない彼女は不自然なほど強いのに、親の離婚で泣く。
・人の弱点をつくのがうまい脚本。
・西原希蓉美さんが時々見せるオドオド顔。
・婚約者役の上原日呂さんのソフト男前ぶり。
・やさしい関西弁がずっと聞いていられる感じ。
・にじみ出る腰の低さと演技の安定感。追い込まれる設定で輝くタイプ。とてもコメディ向き。
・その、プロポーズをほっとかれる説得力たるや。
・なんとなく将棋の木村一基八段の雰囲気に似ている。
・どの役者さんも語りの圧が強く、安定感がある。
・加えて音と光の連携が巧み。
・こういう演出効果とクラブDJの関係を、詳しい人どうしが話せば一晩くらい余裕で語り明かせそう(自分は詳しくないので無理)。
・靴下の中に紐をいれるくだりは、さすがに2時間30分近くある話でわき道に過ぎる。
・そういう展開の細かな疑問はあっても、この長い時間を気持ちよく見せられた豪腕演出ぶりがすごい。