遠藤の親友であり、影武者であり、分身であるところの「アニキ」がつづる、歯に衣着せない連ドラレポート集。タイトルの頭文字50音制覇を狙っているとか。ネタバレがいやな人は気をつけてお読みください。
「のだめカンタービレ」
コントラバスのエピソードは好きだ!
ハリセンもな!
ベタなの好きなんだよ。文句あるか。
ま、いいや。それは。
マンガをドラマにするのは大変なんだよ。
ドラマは尺が決まってるけど、マンガって面白ければいくらでも長くなるからな。
エピソードの取捨選択は脚本家のセンス。効率よくまとめるのは技術の問題。たとえば、コントラバスさんに彼氏ができるところは省略して、譜面の書き込みを見せるだシーンだけ残す。それもセンスだ。
超人気マンガのドラマ化だからハードルの高さもハンパねえ。原作に忠実なだけならマンガを読めばいいし、離れたら離れたで文句は出る。そのへんの場のバランス感覚はいったいどうつけてるんだろうねえ。
でさ! 脚本はいい仕事したって感じだけど、演出は大仕事をしたよな。
いや、千秋のDVぶりを特殊効果を使ってコミカルにするのも大事だけど問題はそこじゃない。マングース着ぐるみとピアニカも驚異的だったが、それもまだ「いい仕事」だ。
マンガのよさを損なわないのも大事だけど、もっと大事なのはドラマにすることで原作にプラスアルファをつけること! マンガの絵文字を実際に音に戻す作業って…考えただけで気が遠くなる。音楽なんてわかんねえけど、そんな俺でも「ひどい演奏」と「いい演奏」の区別がつくように見せるのは大変だったろう。
マンガじゃ音の表現には限界がある。演出で見せるしかない。グルメマンガで腹が膨れないのといっしょだ。そのへんは原作を超えたよな。
上野樹里の顔も回を重ねるごとにどんどん面白くなる。連ドラを一気に見ると役者の成長ぶりがわかりやすくて面白いな。
「ウォーターボーイズ」のときも思ったけど、力のある素材って難度は高いけど、博打に勝ったときの見返りもでかい! 時々忘れそうになるけど、出てるのみんな役者だもんな。うまいことやったよな。
連ドラだから「エンタメ」としての完成度はマンガ以上に要求されるしな。
まったくよくやるよ、ほんと!