2025/6/9
・紋別市のオホーツクとっかりセンターに勤務する飼育員がその仕事内容を紹介する本。
・世の中に動物園や水族館はたくさんあるけど、アザラシに限定した施設は日本でここだけ。
・紋別で実際に見たときに色々疑問に思ったこともあり、中の人の本を読んでみる。
・もともとは1987年、民家の庭先に作られた小さなプールでアザラシを飼育したのが始まりだという。
・現在、施設の職員は紋別市から業務委託を受けている民間会社の社員という立場になる。
・アザラシの保護はもちろん、調査研究の場であるとともに、紋別の貴重な観光資源にもなっている。
・予想はしていたけど、保護したアザラシは個体によって野生復帰か飼育継続かが異なる。飼育方法も違う。
・このあたり、全て野生復帰させようとするオランダとは違う。
・野生復帰させたアザラシを追跡調査したら、すぐに死んでしまうことが多かったそうだ。それでは保護の意味がない。
・自分が現地で見ることができたのは、名前が付いていて人に慣れているようなアザラシだけだった。素人でもそういう個体を野生には返せないのはわかる。
・そもそもアザラシの保護が正しいことなのかどうかという、施設の存在意義にかかわるようなことについても、わりと率直に書かれている。観光、研究に有用ではある一方で漁業被害など悪い面もある。
・シンプルに弱っている動物がいたら助けたいという動機のほうが強そうだが、それだけでもないのもたしか。
・著者は小さい頃からアザラシが好きで、段階を踏んで、道外から紋別にやってきた。道外から紋別にやってくるのは結構勇気いると思う。「好き」は強い。
・中の人だからこそわかる、給餌のやり方や個体差の話がとても具体的。読んでいると自然とアザラシの解像度があがる。顔で個体識別できるのはさすが。
・自分は説明されてもゼニガタアザラシとワモンアザラシの違いが良くわからなかった。
・現地で見てきたキョロちゃんは、餌を食べるのがあんまり上手じゃなかったそうだ。そのわりにトレーニングができて、飼育員に褒められるのが好きっぽい。
・そういえば、餌やり体験の時に、当番でもないのに近づいてきてくれた。えさ目当てかなと思ったけど、もしかしたらホントに遊んでほしかったのかもしれない。
・アザラシ好きが書いた、読めば誰しもアザラシが好きになるような本だった。