Mo.の事件簿 A diary of Mo’s trips

事件簿などという大層なタイトルだが、実は単なる旅行記です。

19.三木美術館。

2013-11-04 | 徳島/Tokushima:2013
「たまごや」を出て13:40。そして関空行きのバスは15:20。
この1時間半をどう過ごそう。

駅から姫路城まで歩いて来る時に、小さな美術館らしきものを見つけていた。
企業付属の美術館。1階はブライダルサロンだし、……まあそんなに大したものはないだろうけど、
雨宿りと時間つぶしをかねてなら丁度いいかな。そもそも他に行くところ思いつかないし。


三木美術館というところでした。


いや実は、屋島寺宝物館に引き続き、全然期待してなかったのにここも良かったの!
3階、4階、5階が展示室で、わたし以外には全く客がいない。

3階は陶磁器等。これといって印象に残ったものはなかったが、なかなか趣味がいいと思った。
全然カワイゲがないラインナップということも多いでしょう、小さい美術館では。
板谷波山の何かがあった。そこまで力作ではなかった気はするけど。

わりとイイネ、なんて思いながら4階の絵画部門へ。
――ここでびっくりした。けっこういいじゃないですか!

牧進「嘉日双鱗図」
トップのムービーの何番目かに出てくる、黄色い睡蓮と鯉二匹の絵。
牧進はねえ、十数年前に仙台市博物館で川端康成展をやったことがあって、その中にあったの。
川端康成が、好きで集めていたそうな。その時の絵は「秋海棠」。わたしはそれがいたく気に入って。
でももう見ることはないだろうなと思っていたの。日本画には詳しくないけど、
そんなに聞く名前じゃないし。

――そしたら、再会しました、こんなところで。
いやー、牧進。なつかしいですねえ、ってなもんですよ。嬉しかった。
もっとも、この鯉は……前回の川端展でも思ったんだけど、この人の鯉は動かないっすねえ。
本人的には得意な画題だそうなんだけど、ぼてっとして動かない。
たしかに鯉って冬なんかぼてっとして動かないこともあるから、それはそれでいいのかもしれないが、
もう少し動くモノっぽく描いて欲しい気がする。

でも植物はいいですよ。この人。他に
「春」「秋」と2枚セットの、杜若と桔梗、女郎花を描いた作品もあり、これが良かった。
だいぶトーンは暗い……写真でいえば、露出を間違えたような暗さ。
狙ってやってるんだろうけれども。

そして東郷青児「花をつむ女たち」。
東郷青児は少女を一人だけ描いている分には単にファンタジーな画風の人という気がするが、
こういう風に群像になると、一人ひとりに微量に含まれる妖しさば増幅されて、
けっこう妖しい絵になりますねえ。本当はこういう絵の人だったか。これも大作。

那波多目功一「白耀」。
一瞬画家の名前をどこで切っていいかわからなくなるが、ナバタメ・コウイチ。ハクヨウ。
画題は大輪の白菊。細い花びらの。
それが月夜に浮かぶ花火のように銀色に広がって……まあこれも無彩色で寂しい絵ではありますが。
いい絵で好きだが、うちに飾るとすれば寂しすぎるな。



5階は茶室と、応接室を兼ねた貸し(?)会議室。
ここからの姫路城の風景は絶景……のはずなのだが、なんでこういう建物にしちゃったかね?





こう見えてれば何の問題もないのに、実際はこう。






あまりにも邪魔だと思いませんか、この縦枠!!
そこまで古いビルとも思えなかったし、この大きさのガラス面の強度確保がそこまで難しいとも
思えないのだが、なんでガラス板一枚にしなかったかね?せめて2枚とかさ。
そうすれば、まるで屏風絵のような、値千金の眺めになっただろうに。
もったいないなあ。ほんともったいない。建築家、出て来い。





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