「たまごや」を出て13:40。そして関空行きのバスは15:20。
この1時間半をどう過ごそう。
駅から姫路城まで歩いて来る時に、小さな美術館らしきものを見つけていた。
企業付属の美術館。1階はブライダルサロンだし、……まあそんなに大したものはないだろうけど、
雨宿りと時間つぶしをかねてなら丁度いいかな。そもそも他に行くところ思いつかないし。
三木美術館というところでした。
いや実は、屋島寺宝物館に引き続き、全然期待してなかったのにここも良かったの!
3階、4階、5階が展示室で、わたし以外には全く客がいない。
3階は陶磁器等。これといって印象に残ったものはなかったが、なかなか趣味がいいと思った。
全然カワイゲがないラインナップということも多いでしょう、小さい美術館では。
板谷波山の何かがあった。そこまで力作ではなかった気はするけど。
わりとイイネ、なんて思いながら4階の絵画部門へ。
――ここでびっくりした。けっこういいじゃないですか!
牧進「嘉日双鱗図」
トップのムービーの何番目かに出てくる、黄色い睡蓮と鯉二匹の絵。
牧進はねえ、十数年前に仙台市博物館で川端康成展をやったことがあって、その中にあったの。
川端康成が、好きで集めていたそうな。その時の絵は「秋海棠」。わたしはそれがいたく気に入って。
でももう見ることはないだろうなと思っていたの。日本画には詳しくないけど、
そんなに聞く名前じゃないし。
――そしたら、再会しました、こんなところで。
いやー、牧進。なつかしいですねえ、ってなもんですよ。嬉しかった。
もっとも、この鯉は……前回の川端展でも思ったんだけど、この人の鯉は動かないっすねえ。
本人的には得意な画題だそうなんだけど、ぼてっとして動かない。
たしかに鯉って冬なんかぼてっとして動かないこともあるから、それはそれでいいのかもしれないが、
もう少し動くモノっぽく描いて欲しい気がする。
でも植物はいいですよ。この人。他に
「春」「秋」と2枚セットの、杜若と桔梗、女郎花を描いた作品もあり、これが良かった。
だいぶトーンは暗い……写真でいえば、露出を間違えたような暗さ。
狙ってやってるんだろうけれども。
そして東郷青児「花をつむ女たち」。
東郷青児は少女を一人だけ描いている分には単にファンタジーな画風の人という気がするが、
こういう風に群像になると、一人ひとりに微量に含まれる妖しさば増幅されて、
けっこう妖しい絵になりますねえ。本当はこういう絵の人だったか。これも大作。
那波多目功一「白耀」。
一瞬画家の名前をどこで切っていいかわからなくなるが、ナバタメ・コウイチ。ハクヨウ。
画題は大輪の白菊。細い花びらの。
それが月夜に浮かぶ花火のように銀色に広がって……まあこれも無彩色で寂しい絵ではありますが。
いい絵で好きだが、うちに飾るとすれば寂しすぎるな。
5階は茶室と、応接室を兼ねた貸し(?)会議室。
ここからの姫路城の風景は絶景……のはずなのだが、なんでこういう建物にしちゃったかね?
こう見えてれば何の問題もないのに、実際はこう。
あまりにも邪魔だと思いませんか、この縦枠!!
そこまで古いビルとも思えなかったし、この大きさのガラス面の強度確保がそこまで難しいとも
思えないのだが、なんでガラス板一枚にしなかったかね?せめて2枚とかさ。
そうすれば、まるで屏風絵のような、値千金の眺めになっただろうに。
もったいないなあ。ほんともったいない。建築家、出て来い。
この1時間半をどう過ごそう。
駅から姫路城まで歩いて来る時に、小さな美術館らしきものを見つけていた。
企業付属の美術館。1階はブライダルサロンだし、……まあそんなに大したものはないだろうけど、
雨宿りと時間つぶしをかねてなら丁度いいかな。そもそも他に行くところ思いつかないし。
三木美術館というところでした。
いや実は、屋島寺宝物館に引き続き、全然期待してなかったのにここも良かったの!
3階、4階、5階が展示室で、わたし以外には全く客がいない。
3階は陶磁器等。これといって印象に残ったものはなかったが、なかなか趣味がいいと思った。
全然カワイゲがないラインナップということも多いでしょう、小さい美術館では。
板谷波山の何かがあった。そこまで力作ではなかった気はするけど。
わりとイイネ、なんて思いながら4階の絵画部門へ。
――ここでびっくりした。けっこういいじゃないですか!
牧進「嘉日双鱗図」
トップのムービーの何番目かに出てくる、黄色い睡蓮と鯉二匹の絵。
牧進はねえ、十数年前に仙台市博物館で川端康成展をやったことがあって、その中にあったの。
川端康成が、好きで集めていたそうな。その時の絵は「秋海棠」。わたしはそれがいたく気に入って。
でももう見ることはないだろうなと思っていたの。日本画には詳しくないけど、
そんなに聞く名前じゃないし。
――そしたら、再会しました、こんなところで。
いやー、牧進。なつかしいですねえ、ってなもんですよ。嬉しかった。
もっとも、この鯉は……前回の川端展でも思ったんだけど、この人の鯉は動かないっすねえ。
本人的には得意な画題だそうなんだけど、ぼてっとして動かない。
たしかに鯉って冬なんかぼてっとして動かないこともあるから、それはそれでいいのかもしれないが、
もう少し動くモノっぽく描いて欲しい気がする。
でも植物はいいですよ。この人。他に
「春」「秋」と2枚セットの、杜若と桔梗、女郎花を描いた作品もあり、これが良かった。
だいぶトーンは暗い……写真でいえば、露出を間違えたような暗さ。
狙ってやってるんだろうけれども。
そして東郷青児「花をつむ女たち」。
東郷青児は少女を一人だけ描いている分には単にファンタジーな画風の人という気がするが、
こういう風に群像になると、一人ひとりに微量に含まれる妖しさば増幅されて、
けっこう妖しい絵になりますねえ。本当はこういう絵の人だったか。これも大作。
那波多目功一「白耀」。
一瞬画家の名前をどこで切っていいかわからなくなるが、ナバタメ・コウイチ。ハクヨウ。
画題は大輪の白菊。細い花びらの。
それが月夜に浮かぶ花火のように銀色に広がって……まあこれも無彩色で寂しい絵ではありますが。
いい絵で好きだが、うちに飾るとすれば寂しすぎるな。
5階は茶室と、応接室を兼ねた貸し(?)会議室。
ここからの姫路城の風景は絶景……のはずなのだが、なんでこういう建物にしちゃったかね?
こう見えてれば何の問題もないのに、実際はこう。
あまりにも邪魔だと思いませんか、この縦枠!!
そこまで古いビルとも思えなかったし、この大きさのガラス面の強度確保がそこまで難しいとも
思えないのだが、なんでガラス板一枚にしなかったかね?せめて2枚とかさ。
そうすれば、まるで屏風絵のような、値千金の眺めになっただろうに。
もったいないなあ。ほんともったいない。建築家、出て来い。