[ とある保育園。 今日は読み聞かせ会の日。 ]
園 長 今日は先生たちが、順番に一番好な本を読んでいきます
園児達 は~い
園 長 最初は、ゆりこ先生から。 ゆりこ先生はどの本が好きなのかな?
保母A はい。 ゆりこ先生の一番好きな本は 『しょうぼうじどうしゃ じぷた』 です
男児達 あー、それ知ってるー! おれも好きー!
保母A あるまちの まんなかに しょうぼうしょが ありました…
[ ゆりこ先生の読み聞かせが終わる。次の先生の出番。 ]
保母B みき先生は 『ぐりとぐらだよ』
女児達 やったー! わーい
保母B のねずみの ぐりと ぐらは おおきなかごを もって…
[ だんだんと園児たちも盛り上がってくる。 ]
園 長 最後は経さんね。
保母C 経先生は森本哲郎の 『この言葉!』 を読みます
園 長 え?
保母C なぜ、人間は遠きを求めるのだろう。 「遠き」に夢を求めるからである。
遥かな目標をめざすゆえだ。
たしかに、高遠な理想を掲げるのは、おおいに結構なことである。
しかし、そのために、足もとを見失えば、つまずいてしまう。
メーテルリンクの童話『青い鳥』も、それを諭している。
青い鳥(幸福)を求めて、さんざん森を探し回ったすえ、
わが家の鳥カゴのなかに、その「青い鳥」を見つけるチルチルとミチルの物語だ。
幸福はごく身近にある。
ただ、人はそれに気づかないだけなのである。
[ 静まり返る会場。 微妙な空気が流れる。 気にせず続ける経さん。 ]
保母C 幸福は「ある」ものではない。 幸福に「する」ものなのだ。
どんな状況や境遇にあっても、幸福は自分で作り出すもの、
という自覚がいちばん大切であるはずなのに、
人間は、つい、それを見失ってしまう。
[ 口を開けて茫然と経さんを眺めている園児達。 ]
保母C もういちど、自分の足もとを見つめ直すべき時が、
いま、個人の生活にも、そして社会にも、
訪れているのではなかろうか。
園 長 あっ、終わりましたかね
保母C 第2章。 ある夏。 オアシスでの午後のこと。 ぼくは退屈しのぎに…
園 長 今日は先生たちが、順番に一番好な本を読んでいきます
園児達 は~い
園 長 最初は、ゆりこ先生から。 ゆりこ先生はどの本が好きなのかな?
保母A はい。 ゆりこ先生の一番好きな本は 『しょうぼうじどうしゃ じぷた』 です
男児達 あー、それ知ってるー! おれも好きー!
保母A あるまちの まんなかに しょうぼうしょが ありました…
[ ゆりこ先生の読み聞かせが終わる。次の先生の出番。 ]
保母B みき先生は 『ぐりとぐらだよ』
女児達 やったー! わーい
保母B のねずみの ぐりと ぐらは おおきなかごを もって…
[ だんだんと園児たちも盛り上がってくる。 ]
園 長 最後は経さんね。
保母C 経先生は森本哲郎の 『この言葉!』 を読みます
園 長 え?
保母C なぜ、人間は遠きを求めるのだろう。 「遠き」に夢を求めるからである。
遥かな目標をめざすゆえだ。
たしかに、高遠な理想を掲げるのは、おおいに結構なことである。
しかし、そのために、足もとを見失えば、つまずいてしまう。
メーテルリンクの童話『青い鳥』も、それを諭している。
青い鳥(幸福)を求めて、さんざん森を探し回ったすえ、
わが家の鳥カゴのなかに、その「青い鳥」を見つけるチルチルとミチルの物語だ。
幸福はごく身近にある。
ただ、人はそれに気づかないだけなのである。
[ 静まり返る会場。 微妙な空気が流れる。 気にせず続ける経さん。 ]
保母C 幸福は「ある」ものではない。 幸福に「する」ものなのだ。
どんな状況や境遇にあっても、幸福は自分で作り出すもの、
という自覚がいちばん大切であるはずなのに、
人間は、つい、それを見失ってしまう。
[ 口を開けて茫然と経さんを眺めている園児達。 ]
保母C もういちど、自分の足もとを見つめ直すべき時が、
いま、個人の生活にも、そして社会にも、
訪れているのではなかろうか。
園 長 あっ、終わりましたかね
保母C 第2章。 ある夏。 オアシスでの午後のこと。 ぼくは退屈しのぎに…