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暴走の果てに白旗「日立」英原発「3兆円」中西会長の責任 "トップの判断ミスの大きさ!”

2019-10-08 09:07:07 | 社会
https://www.jiji.com/sp/v4?id=foresight_00248_201812270001
暴走の果てに白旗「日立」英原発「3兆円」中西会長の責任
JIJI.com
日立製作所が建設費高騰で隘路に嵌っていた英国原発プロジェクトに対し、ついに白旗を掲げた。

 同社会長の中西宏明(72)は12月17日、経団連会長としての定例記者会見で、「民間の投資対象としてはもう限界だと英国政府に伝えた」と説明。2019年1月中に現行の枠組み変更などについて交渉がまとまらなければ撤退を検討する考えを明らかにした。
 世界的な原発衰退が進む中、日立は活路を英国に求めて巨額の資金をプロジェクトに投じてきたが、このまま撤退となれば、約2700億円に上る現地子会社の資産が雲散霧消する。社長在任当時から先頭に立って計画を進めてきた中西の責任問題が浮上することは避けられない。
第2次安倍政権でのめり込み
 案件は、英中西部ウェールズ地方北部のアングルシー島で計画されている「ウィルファ・ニューウィッド(Wylfa Newydd、「Newydd」をウェールズ語の発音で「ネーウィズ」と表記することもある)原発」(以後、ウィルファ原発と略す)。もともと同地には出力49万キロワット級のマグノックス炉(黒鉛減速炭酸ガス冷却型原子炉)2基を擁する旧ウィルファ原発があり、2012年に2号機、2015年に1号機がそれぞれ運転を終了し、現在は廃炉作業中だ。ウィルファ原発は、その旧原発のリプレース(置き換え)案件として浮上した。
 プロジェクトを提案したのは、イーオン(E.ON)、ライン・ウェストファーレン電力(RWE)の独電力大手2社で、両社は2009年に折半出資で事業主体となる英国法人ホライズン・ニュークリア・パワー社(グロスター市)を設立。同社はウィルファ原発のほか、英国西部サウスグロスターシャー州にある旧オールドベリー原発(22万キロワット級マグノックス炉2基、2012年までに2基とも運転終了)のリプレースも手がける方針を打ち出していた。

 ところが、2011年3月11日に起きた東京電力福島第1原子力発電所事故(いわゆる「3.11」)がプロジェクトを直撃。母国ドイツのメルケル政権が、同年6月に「2022年までに全原発停止」を決定した。これを受け、イーオンとRWEの2社は原発事業縮小の方針へと舵を切り、翌2012年3月に、英政府にウィルファとオールドベリーの原発計画からの撤退を通告する。宙に浮いたプロジェクトと共に事業主体のホライズン社は売りに出され、英政府が国際入札を実施する運びとなった。
 このホライズン社売却の情報を最初に日立に持ち込んだのは、当時、日立取締役だったスティーブン・ゴマソール(70)だったと言われている。
 ゴマソールは1970年に英外務省に入省した元外交官で、日本語と中国語が堪能だった。1999年7月から2004年7月まで駐日英国大使を務め、その退任わずか3カ月後の2004年10月に日立製作所に入社。翌2005年11月に日立ヨーロッパ社会長、2006年10月には執行役専務と重要ポストを歴任し、2011年6月に、外国人として初めて日立本体の取締役に就任していた。
 そのゴマソールが「英国原発計画参入のチャンス」と熱心に呼びかけた相手が、当時社長だった中西である。
 コンピューター・エンジニアリングが専門だった中西は、それまで原発ビジネスにさほど関心を払っているようには見えなかったが、ゴマソールを通じて当時の英首相デイビッド・キャメロン(52)からのメッセージが届いたほか、政界きっての原発推進論者である安倍晋三(64)が2012年9月の自民党総裁選で5年ぶりに党首に返り咲いたこともあり、以後原発案件にのめり込んでいく。ちなみに、中西は著名財界人が名を連ねる安倍の後援会「四季の会」や「さくら会」のメンバーとして知られている。

「予想価格の倍以上」

 2012年10月に行われたホライズン社の株式売却入札で、日立は6億7000万ポンド(当時の為替レートで約850億円)で落札する。実は、ホライズン社買収に真っ先に名乗りを上げていたのは、中国核工業集団と中国広東核電集団(当時、現在の名称は中国広核集団)という中国の国営企業2社だった。

 このうち、核工業は東芝傘下だった米ウエスチングハウス(WH、2017年3月に米連邦破産法の適用を申請し破綻)と、広東核は仏原発大手アレバ(2017年に破綻、現在は仏電力公社=EDF=の傘下で、社名をフラマトムに変更)と、それぞれ企業連合を組んで入札に臨んだが、英政府内で安全保障上の観点から中国企業の原発プロジェクト参入に難色を示す向きがあり、入札1カ月前の9月末には、核工業も広東核も入札不参加を決めた。
 結局、ホライズン社買収は、事実上の単独入札となった日立がモノにした。
 ところが、入札前に業界関係者の間で取り沙汰された買収価格は、「せいぜい5億ポンド(約650億円)前後」とされ、加えて単独入札という願ってもない買い手有利の状況下になったにもかかわらず、日立の落札額は前述のように6億7000万ポンドまで跳ね上がった。同年10月30日付の『フィナンシャル・タイムズ』(FT)は、「(日立の落札価格は)多くのアナリストの予想価格の倍以上」と報じた。
 なぜ、日立はこれほどの大盤振る舞いをするに至ったのか。
 関係者によると、ホライズン社買収担当として交渉に臨んでいたゴマソールが、日立の取締役会に諮る前に株主である独2社や英政府との間で事前に合意に達しており、それを当時社長の中西も内諾していたからだという。
 それを知って激怒したのは、当時会長だった川村隆(79)である。
 川村は、2009年3月期に7873億円の連結最終赤字を計上して経営危機に陥っていた日立を2009年4月の社長就任からわずか1年で立て直し、翌2010年4月に中西に社長を譲っていた。英原発案件を巡るゴマソールと中西の独走に対し、「取締役会を尊重してもらわないと困る」とたしなめたと報じられた(2013年1月28日付『日本経済新聞』電子版)が、「実際はもっと厳しい口調だった」(関係者)とされる。川村の不興を買ったゴマソールは、2014年6月の役員人事で取締役を退任することになる。

「財界総理」でますます引けなく

 だが、6年前のこのホライズン社買収に始まる中西の独走は止まらなかった。リトアニアやベトナムなど日立の受注が内定していた原発案件が次々に白紙となり、原発メーカーとしてのライバルだったアレバやWHが相次ぎ破綻しても、怯むことはなかった。

 ホライズン社買収後、日立はウィルファ原発に出力130万キロワット級の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を2基設置する計画を表明。アレバの欧州加圧水型炉(EPR)やWHの3.5世代タイプの加圧水型軽水炉(PWR)「AP1000」といった次世代型と異なり、ABWRは柏崎刈羽原発(新潟県)6、7号機や浜岡原発(静岡県)5号機など日本国内で施工実績があるため、「建設費が膨張して経営危機を招くことはない」との主張を繰り返してきた。
 今回の12月17日の記者会見でも、中西は「(原発の)建設費が上がったのではなく、みんなが(建設費が嵩むと)予想してしまった」と悔しそうに語ったが、そんな中西の言葉とは裏腹に、当初「2兆円」とされたウィルファ原発の総事業費が、2018年の年明けには「3兆円」に膨らむことが明らかになり、日立は2月、英政府に対して新たな資金支援や原発稼動後の電力を高値で買い取る差額決済契約(CfD=Contract for Difference)での譲歩がなければ「撤退する」との通告を行っている。
 実際、かつて1基当たり5000億円前後と言われた原発建設費の相場は、「3.11」後には安全対策強化などで1兆円超に高騰している。
 加えて、原発ビジネスへの逆風が一段と強まる中、ホライズン社買収後に日立は現地調査や人材教育、英国でのABWRの型式証明取得などに投資を重ね、ホライズン社の資産規模は既に約2700億円に拡大してしまっていた。
 さらに、2014年4月に社長を東原敏昭(63)に譲り、自身は会長となった中西は、2018年5月に日立出身者として初めて経団連会長に就任。「財界総理」と呼ばれるポストを得たことで、安倍政権の絶大な支援を受けて取り組んでいる英原発プロジェクトは、ますます止められなくなったと中西が感じていたことは想像に難くない。
 その経団連会長就任を目前に控えた2018年5月3日、中西はロンドンのダウニング・ストリート10番地(首相官邸)に英首相テリーザ・メイ(62)を訪ね、行き詰まったウィルファ原発計画の打開策を直に交渉。「3兆円」の総事業費のうち、英政府から2兆円の低利融資を受けることなど新たな支援策を引き出したが、プロジェクトを前進させる決め手にはならなかった。

皮肉な巡り合わせ

 日立の現経営陣では、社長の東原は「経済合理性に合致するなら進めるが、そうでないなら凍結も辞さない」と慎重な姿勢に終始しており、それ以上に、取締役11人中8人を占める社外取締役が、英原発プロジェクトに対し「リスクが過大」と反発している。ある日立関係者は「昔のように生え抜きばかりの取締役会だったら、中西会長に押し切られていたと思う」と語っている。

 日立の現経営陣では、社長の東原は「経済合理性に合致するなら進めるが、そうでないなら凍結も辞さない」と慎重な姿勢に終始しており、それ以上に、取締役11人中8人を占める社外取締役が、英原発プロジェクトに対し「リスクが過大」と反発している。ある日立関係者は「昔のように生え抜きばかりの取締役会だったら、中西会長に押し切られていたと思う」と語っている。

 最終的に中西に白旗を揚げさせたのは、日本国内でホライズン社への出資企業が現れなかったことだ。日立はリスク軽減のため、現在100%の出資比率を3分の1未満に引き下げることを目指しており、新たな出資企業として、大手電力会社や政府系金融機関を想定していたが、WHとその親会社の東芝の経営危機を目の当たりにした各社は触手を伸ばさなかった。
 そうした電力業界の流れを決めたのは、東京電力ホールディングス(HD)である。東電の原発は米ゼネラル・エレクトリック(GE)が開発し、日本では日立や東芝が製造を手がけてきた沸騰水型軽水炉(BWR)であり、その一角である日立とは人的な繋がりも深い。
 なにより、現在の東電HDの会長は中西の上司だった川村なのである。東京大学工学部時代から原子力発電の研究に取り組んでいた川村は、中西以上に原発への思い入れが強く、2017年6月の東電HD会長就任に際しても、その思いを隠さなかった。
 だが、エンジニアとして原発への知見が深く、加えてホライズン社買収当時のゴマソールと中西の「暴走」とも言える独断専行に批判的だった川村は、英国での原発計画に深入りするリスクを感じていたに違いない。
 東電HDの出資見送りの方針が明らかになると、中部電力など他の大手電力も横並びで同調する意向が伝わってきた。「東芝の二の舞になりかねない」と危惧された中西の暴走を食い止めたのが、その中西を後継者に選んだ川村だったとしたら、運命の皮肉な巡り合わせと言える。(2018年12月)
杜耕次

感想
東芝、関電と経営者がおかしいから、会社がおかしくなっていきます。
経営者の判断ミスは致命傷になります。
その判断に私利私欲や政権の意向が入っていたかどうか。
それよりも、環境に人のためになる施策かどうかが問われるのでしょう。

https://blog.goo.ne.jp/egaonoresipi/e/12294fe3487d5c46424645781381a81c
「会社はいつ道を踏み外すのか 経済事件10の深層」田中周紀著 ”経営者の踏み外しは影響大”


https://blog.goo.ne.jp/egaonoresipi/e/8d1fb7011b59c7a3eeaf0dcc037eccc8
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