幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「イノベーションの競争戦略 優れたイノベーターは0⇒1か? 横取りか?」内田和成編集 ”インベンターよりイノベーターを目指せ”

2022-08-28 09:28:48 | 本の紹介
デザインシンキング

・イノベーションは技術革新だけに頼るのではなく、人々を取り巻く環境の変化や商品やサービスを利用する心理変化が、成功させる要素として必要

・もし「イノベーション=技術革新」だとするならば、イノベーションを起したアップルが当時生み出した「革新的な技術」とは何だったのか。
説明書がいらないほどのユーザーインターフェイス、持ち歩きたくなる製品デザイン、さらには楽曲単位で音楽をダウンロード、といった当時ではタブーとも言える発想を生み出したのである。

・3つのドライバー
1)社会構造
2)心理変化
3)技術革新

・イノベーションストリーム
ステップ1;トライアングルによりドライバーを捉える
ステップ2;ドライバーを梃子に新しい価値を創造する(価値創造)
ステップ3;顧客の態度が変わる(態度変容)
ステップ4;顧客の行動が変わる(行動変容)

・なぜzoomなのか?
zoomの強みは、映像圧縮技術だ。つまりその分、テレビ会議をしていても映像が安定するし、多人数が参加した場合でも不具合は少ない。

・イノベーションのトライアングル
1)イノベーションの源泉とは、企業の技術革新だけではなく、外部の3つの環境要因によってこそ引き起こされる
2)環境要因とは、社会構造・心理変化・技術革新である。これらをイノベーションのドライバーと呼ぶ
3)ドライバーは掛け合わされると強力に作用し、イノベーションを一気に進める力になる
4)ただし、ドライバーは諸刃の剣でもある。イノベーションを引き起こす一方で、マイナスに働けばイノベーションを阻害したり、企業を潰したりするほとの影響力をもつ
5)ドライバーの掛け合わせは企業自らが選び取る場合もあるが、偶然の産物として生まれることもある。いずれの場合も、企業が自らの成長ドライバーとしてそれらを見立て、活用できるかが問われる

・早い・便利・簡単な個人間輸送「宅急便」作業

・態度変容の累計
1「非常識」が「常識」に ポカリスエット   汗をかいたらすぐ水分補給
2    〃      インデックスファンド 投資で市場平均と同じリターンを追及
3    〃       Sansan       人脈は会社の共有資産
4「難しい」が「簡単」に ストライダー    子どもが自転車に乗ることは簡単
5    〃       freee        経理は簡単かつ有意義な作業
6「好き・嫌い」が    食べログ      点数の良し悪しで店舗選び
7「良い・悪い」に    ツイッター     リツイート数が多い情報は正しい

・べアースがもたらしたこれまでにない顧客価値は「気の合いそうな赤の他人と手軽に出会える」


・インスタ映えする行動「インスタグラム」
・「Zenly」
「相手の居場所や行動をコミュニケーションなしに簡単に把握できる」というこれまでにない価値を想像した。

・メルカリは不用品をスマートフォンカメラで撮影し、商品説明と値段を添えて投稿するだけのシンプルな操作で、誰でも簡単に3分で出品できるようにした。さらに、独自の配送システムとして、匿名配送や全国一律送料などを導入した。カスタマーサポートにも力を入れ、トラブルが起こった際の入金停止や商品代金補償も行った。その結果、「フリマアプリ難しそう、トラブラが心配」と思うライトユーザーをどんどん取り込んだ。

・Kindle開発担当者は、このLIBRIe(ソニーの電子書籍)の課題を見抜き、当初予定にはなかった無線通信機能を搭載したプロトタイプを政策した。Kindleは、通信機能を掲載することで端末本体でも簡単に電子書籍を購入して読める体験をつくり出したのである。またさらに、自社端末以外にもアプリを開放するという戦略をとることによって、どの端末からでも書籍を読めるようにした。

・ビズリーチでは課金への抵抗が低く、より良い仕事に就きたい意欲が高いハイクラス人材にターゲットを絞っている。求職者は費用を払うだけでなく、審査に通らなければ登録はできない。そのため、企業は費用を払うほど高い転職意欲があり、かつスクリーニングされた質の高い求職者に、データベースから直接アプローチできる。企業は、データベースを利用する費用と入社の際の成果報酬をビズリーチ側に支払うが、このときの費用は、求人広告費や一般的なエージェントやヘッドハンターに支払う報酬よりも安い金額設定になっている。つまり、企業にとってみると、重要ポジションの人材を確実に安く採用できるのである。

・モール型のショッピングサイトである楽天が登場することで、中小企業も簡単にネットに出店できるようになり、生活者にとっても1つに店がまとまっているので探しやすくなった。中小をはじめとした企業のサイトの中から商品を探すのではなく楽天の名の下に「ネットでも安心して簡単に探しやすく商品を買うことができる」という態度変容が起こった。

・BASEが持ち込んだ新しい価値創造とは、「ECサイトを無料活簡単に開設できる」ことにある。サイト運営者からは初期費用や月額費用をとらず、ものが売れたときい販売手数料を徴収する。BASEはサービス公開当初、わずか3週間で7000店舗以上のECサイトが作成され、その流通総額は700万円を超えた。創業から9年経った2020年度は、出店数150万店、流通総額950億円(前年同期比122%増)となっている。
BASEの大きな特徴は、出店しているショップの9割以上が4名以下の少人数であり、1名で運営が最多で7割超、かつ7割の加盟店が自信で商品の制作も担当していることだ。つまり、BASEは近年拡大しているメルカリなどと同じCtoCに近い感覚で、個人の作品が多数売られるネットモールなのである。

・クックパットVSクラシル、DELISH KITCHEN
クラシルやDELISH KITCHENなど、「動画によるレシピ」という新しい価値観を提示するサイトの存在である。クックパットにレシピはユーザーから投稿されるのに対し、動画レシピサイトでは管理栄養士が監修し、各社が投稿したレシピで成り立っており、アプリのダウンロード数では、すでにクラシルがクックパットを追い抜いている。

・小林(阪急電鉄創業者)は「ターミナルデパート」によって、「郊外と都市の両方で豊かに生きる」という行動変容を達成した。ターミナル駅で買い物ができるようになることで、心中産層の人々に、都市部で買い物を楽しみ、郊外のマイホームで豊かに生きる、という習慣が生まれたのだ。
阪急百貨店の経営によって、電鉄会社がその始発駅に百貨店を兼営することが有利であることはもはや疑う余地はない。そこで南海、京阪、大軌などの諸電鉄も相次いでビルディングを建設し、百貨店を開業したが、いずれも自身の経営ではなく大丸にやらせているのである。

・レッドブルの登場
1970年初頭、タイでは日本産の栄養ドリンクリポビタンDが広く普及していた。これに目をつけたのが、タイ北部の貧しい家に生まれた中国系タイ人、チャリアオ・ユーウィッタヤーである。青年時代に果実の栽培などをして家計を助けた彼は、その経験をもとに製薬会社で働き、薬学の知識を得た。そして1976年に、独自に調合した「クラティンデーン」をリポビタンDより安価な値段で売り出した。発売から3年後より低所得層にの労働者を中心に爆発的なヒットを記録した。
マテシッツは、クラティンデーンブランドの保有者、ユーウィッタヤー一族を交渉し、マテシッツ49%対ユウィッタヤー一族51%の株保有率で、レッドブル社をオーストリアのザルツブルグに設立した。栄養ドリンクとして成分はそのままに、クラティンデーンの味を西洋人好みにアレンジし、炭酸を加えた商品が1987年に感性した。誕生した商品の名はレッドブル。その起源こそがリポビタンDであった。
リポビタンDのような「体力回復」ではなく、「情緒を盛り上げる」価値をつくり出し、高価格帯で若年層を主なターゲットに欧州展開する、という発想にいきついたのだ。

・「イノベーションの連続」のポイントは次の3点である。
1)第一のイノベーションでもった自社の強みが何かをしっかりと理解する
2)次に起こる世の中のトレンドを理解し、そのトレンドに自社の強みを活かせるかどうか判断する
3)顧客の意見を吸い上げすぐに製品やサービスにフィードバックしていう仕組みを作り上げる

・他社に遅れてイノベーションを起すためのポイントは次の3点になる。
1)他社が起こしたイノベーションを徹底的にベンチマークし、長所&短所を調べる
2)先行するイノベーションで顧客が潜在的に満足していない点を自社の資源で埋められないかを考える
3)第一のイノベーションで完全に満足していく顧客は狙わず、少しずらした顧客を狙う

・古い話になるが、偉大な発明王として知られるエジソンが、実は我々の言うところのイノベーターであったことは意外に知られていない。エジソンは発明の1つに白熱電球があることはよく知られている。しかし、電球は単独では光ることができない。電気が必要である。エ自素案は街や家庭あるいは職場や工場に電気がきて電球が灯れば人々の生活は豊かになると考えた。そこで自らが電力会社を設立し、発電、送電などの電力供給のための装置を用意、人々が電気を自由に使える世界を生み出した。まさにランプの生活から電球の生活への態度変容をもたらしたのである。

・イノベーションの4つの提言
1)行動変容にコミットする
 ・プッシュ戦略;時間をかけて、手を替え、品を替え
 ・プル戦略;「面倒くさい」や「リスク」を取り除く
 ・行動変容のための仕掛け・仕組み
2)イノベーションを見るレンズを変える
3)事業継続に強くこだわる
4)自前主義を放棄する
 ・他人の力を借りるか、他人の成果を横取りするか
 ・他人のふんどしで相撲をとることを否定しない

・インベンターよりイノベーターを目指せ
 新しい製品やサービスを開発して世の中に送り出した人のことをインベンター(発明者)と呼び、そうした製品やサービスを使って世の中の人々の態度変容をもたらした人のことをイノベーター(変革者)と呼ぶことにする。

感想
イノベーションの切り口を3つの視点から検証され、それぞれの商品、サービスをその観点から考察されています。
消費者に歓迎されるにはそれなりの理由があるようです。

内田和成先生の早稲田大学での最終講義「プロとして生きる」

「論点思考 BCG流 問題設定の技術」内田和成著 "問題の本質を間違えない!”

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