https://news.yahoo.co.jp/articles/bf51c3a99ff2c1a75a56e0f96befb3c9975a8a3c?page=1 7/27(水) 16:35AERA dot.
作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、新型コロナについて。
先週から今週にかけて、6人の知人が新型コロナの陽性になった。そのうち2人とは一緒に食事をしていたので、症状はないのだけれど、この原稿を書き終わったらPCR検査に行ってこようと思う。スタッフにも数人陽性者がいて、断らなければいけない仕事も出てきた。第7波を肌で感じている。
気がつけば、あっという間にコロナの国内の死者数が3万人を超えていた。オミクロン株に変異してから、「オミクロンは弱毒性だ」「重症化しにくい」「致死率が低い」などとはよく言われていたけれど、オミクロン株に置き換わった第6波の死者数は12000人を越えている。第1波から第5波までの全ての死者数をあわせても18000人強だったことを考えると、けっして凄まじい勢いで人が亡くなっているのがわかる。今の第7波も、毎日50人ほどの方が亡くなっている。致死率は低くても、死者の絶対数がこれだけあれば社会への打撃は大きい。
先日、70代の母と話した。母はワクチンの副反応があまりに強かったため、4度目のワクチンを打つかどうか迷っているという。そして「コロナになって死んでも、仕方ないな」とも言った。は?と驚くと、「私の周りはみんなそんな感じ。コロナになったら死んじゃうかも……って、みんな覚悟してるわよ」と平然と言うので、なんて答えていいのかわからなかった。
たとえ持病があっても、たとえ高齢者でも、肺炎になるまで病院にかかれず、40度の熱にうかされながら死を意識するような不安を強いられる人は多い。第7波に入り、東京ではこれまで陽性者に2箱配られていた食料が、1家族(3人)2箱に縮小されたという。「自分でなんとかして」と、政治から言われているようなものだ。先日、自民党・前政調会長の下村さんが陽性になったことを公表したが、風邪をひいたら国会内の医務室ですぐに診てもらえ、“症状がある人は受けられない”と国が決めた無料PCR検査を受ける下村さんのような方には、「国に助けてもらえない」という不安を感じている一般人の姿は、見えているだろうか。
それにしても16兆円のコロナ対策交付金の行方を考えると、眠れない。自治体幹部の公用車の購入や、学校のトイレや体育館の改修、自治体指定のゴミ袋の配布など想像を絶する独創的な使い方が問題になったが、いまだに詳細は報告されていない。わかっているのは、コロナ対策予算が医療現場のエッセンシャルワーカーの人件費や、人材を増やすためには十分にあてられなかったことだ。病床やワクチンのための予算はあっても、人件費をけちる。モノを買ったり、モノを直したりなど、特定の業界に利益を生むことはするが、人への予算は最低限。そんな姿勢は、今の日本のリアルな姿なのだろう。金と命を平然とてんびんにかけるようなこの国の横顔を、コロナ禍になって何度も目撃してきた。
岸田さんは「聞く力」をアピールして自民党総裁選を勝ち抜いた。でも、いったい、岸田首相はどんな声を聞いているのだろう。第7波をどう乗り切るつもりなのか、国の姿勢が明確に見えてこない。さらにそんななかで9月に安倍元首相の国葬を行うなんて、コロナ対策のお金で公用車を買っちゃうくらいに突飛で非常識な発想に感じる。中曽根元首相の内閣・自民党合同葬ですら、1億円近い税金が使われ、交通規制が行われ、自衛隊が動員され、かなりの“喪”モードを街に強いたことを考えれば、国葬レベルは簡単に想像できるだろう。フツーに国全体が“喪”モードになる。にぎやかな音は禁止される。ハレ系の振る舞い、イベントは自粛される(秋祭りの季節だというのに)。街にサイレンが流れるかもしれない。黙祷を促されるかもしれない。国葬が予定されている9月、コロナの死者は何人になっているだろう。
そういえば、今年のジェンダーギャップ指数は146カ国中116位だった。先進国で最下位、という言い方がよくされるが、フツーにアジア(東南アジア・北東アジア)最下位である。一方の性が理不尽な状況にあるのを放っておけた社会に民主主義が育つはずもなければ、人権感覚も薄まっていくだろう。人口の半分の声を“聞かない”選択肢が、日本をじわじわと壊しているのかもしれない。男だけで決めて、男だけで金を回し、女を見下し続ける社会で私たちの声は聞かれない。そんな政治を本気で変えようともせずに、第7波に振り回される最中に国葬を決断する岸田さんの「聞く力」が、疑わしくなってきた。
感想;
「聞く力」は最初からなく、「聞くふりをする力」ではないでしょうか?
赤木さんの奥さんの「きちんと調査して欲しい」を岸田首相はしっかり受け止めたとあたかも「聞く力」をPRされましたが、最初から調査する気持ちはさらさらもなかったのです。
安倍元首相から学び、美味しいところを継続されているように思います。
これだけ自民党は参議院選挙で大勝したので、さらに「聞く力」は不要になったのです。
「聞くふりをする力」も要らなくなっているのかもしれません。
今はどれだけ自民党の保守勢力の機嫌を取りながら、自分の力を強めていくかなのです。
3年間、白紙の委任状を渡してしまった責任の付けは国民に返ってくるのです。
その一つ目がコロナのように思います。
コロナ対策費を医療機関充実に使っていないのですから、当然と言えば当然の結果です。
高級国民でない私たちは、免疫力を高めること。
持病ある、高齢である人はワクチンを打ち、重症化を防ぐしかないのです。
作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、新型コロナについて。
先週から今週にかけて、6人の知人が新型コロナの陽性になった。そのうち2人とは一緒に食事をしていたので、症状はないのだけれど、この原稿を書き終わったらPCR検査に行ってこようと思う。スタッフにも数人陽性者がいて、断らなければいけない仕事も出てきた。第7波を肌で感じている。
気がつけば、あっという間にコロナの国内の死者数が3万人を超えていた。オミクロン株に変異してから、「オミクロンは弱毒性だ」「重症化しにくい」「致死率が低い」などとはよく言われていたけれど、オミクロン株に置き換わった第6波の死者数は12000人を越えている。第1波から第5波までの全ての死者数をあわせても18000人強だったことを考えると、けっして凄まじい勢いで人が亡くなっているのがわかる。今の第7波も、毎日50人ほどの方が亡くなっている。致死率は低くても、死者の絶対数がこれだけあれば社会への打撃は大きい。
先日、70代の母と話した。母はワクチンの副反応があまりに強かったため、4度目のワクチンを打つかどうか迷っているという。そして「コロナになって死んでも、仕方ないな」とも言った。は?と驚くと、「私の周りはみんなそんな感じ。コロナになったら死んじゃうかも……って、みんな覚悟してるわよ」と平然と言うので、なんて答えていいのかわからなかった。
たとえ持病があっても、たとえ高齢者でも、肺炎になるまで病院にかかれず、40度の熱にうかされながら死を意識するような不安を強いられる人は多い。第7波に入り、東京ではこれまで陽性者に2箱配られていた食料が、1家族(3人)2箱に縮小されたという。「自分でなんとかして」と、政治から言われているようなものだ。先日、自民党・前政調会長の下村さんが陽性になったことを公表したが、風邪をひいたら国会内の医務室ですぐに診てもらえ、“症状がある人は受けられない”と国が決めた無料PCR検査を受ける下村さんのような方には、「国に助けてもらえない」という不安を感じている一般人の姿は、見えているだろうか。
それにしても16兆円のコロナ対策交付金の行方を考えると、眠れない。自治体幹部の公用車の購入や、学校のトイレや体育館の改修、自治体指定のゴミ袋の配布など想像を絶する独創的な使い方が問題になったが、いまだに詳細は報告されていない。わかっているのは、コロナ対策予算が医療現場のエッセンシャルワーカーの人件費や、人材を増やすためには十分にあてられなかったことだ。病床やワクチンのための予算はあっても、人件費をけちる。モノを買ったり、モノを直したりなど、特定の業界に利益を生むことはするが、人への予算は最低限。そんな姿勢は、今の日本のリアルな姿なのだろう。金と命を平然とてんびんにかけるようなこの国の横顔を、コロナ禍になって何度も目撃してきた。
岸田さんは「聞く力」をアピールして自民党総裁選を勝ち抜いた。でも、いったい、岸田首相はどんな声を聞いているのだろう。第7波をどう乗り切るつもりなのか、国の姿勢が明確に見えてこない。さらにそんななかで9月に安倍元首相の国葬を行うなんて、コロナ対策のお金で公用車を買っちゃうくらいに突飛で非常識な発想に感じる。中曽根元首相の内閣・自民党合同葬ですら、1億円近い税金が使われ、交通規制が行われ、自衛隊が動員され、かなりの“喪”モードを街に強いたことを考えれば、国葬レベルは簡単に想像できるだろう。フツーに国全体が“喪”モードになる。にぎやかな音は禁止される。ハレ系の振る舞い、イベントは自粛される(秋祭りの季節だというのに)。街にサイレンが流れるかもしれない。黙祷を促されるかもしれない。国葬が予定されている9月、コロナの死者は何人になっているだろう。
そういえば、今年のジェンダーギャップ指数は146カ国中116位だった。先進国で最下位、という言い方がよくされるが、フツーにアジア(東南アジア・北東アジア)最下位である。一方の性が理不尽な状況にあるのを放っておけた社会に民主主義が育つはずもなければ、人権感覚も薄まっていくだろう。人口の半分の声を“聞かない”選択肢が、日本をじわじわと壊しているのかもしれない。男だけで決めて、男だけで金を回し、女を見下し続ける社会で私たちの声は聞かれない。そんな政治を本気で変えようともせずに、第7波に振り回される最中に国葬を決断する岸田さんの「聞く力」が、疑わしくなってきた。
感想;
「聞く力」は最初からなく、「聞くふりをする力」ではないでしょうか?
赤木さんの奥さんの「きちんと調査して欲しい」を岸田首相はしっかり受け止めたとあたかも「聞く力」をPRされましたが、最初から調査する気持ちはさらさらもなかったのです。
安倍元首相から学び、美味しいところを継続されているように思います。
これだけ自民党は参議院選挙で大勝したので、さらに「聞く力」は不要になったのです。
「聞くふりをする力」も要らなくなっているのかもしれません。
今はどれだけ自民党の保守勢力の機嫌を取りながら、自分の力を強めていくかなのです。
3年間、白紙の委任状を渡してしまった責任の付けは国民に返ってくるのです。
その一つ目がコロナのように思います。
コロナ対策費を医療機関充実に使っていないのですから、当然と言えば当然の結果です。
高級国民でない私たちは、免疫力を高めること。
持病ある、高齢である人はワクチンを打ち、重症化を防ぐしかないのです。