新・桜部屋

主に伝統芸能観劇記。
その他鑑賞日記

八月納涼歌舞伎第2部:平成25年8月22日(木)

2013-09-01 23:02:38 | 歌舞伎鑑賞雑記
 梅雨小袖昔八丈~髪結い新三:三津五郎が新三,勘九郎が勝奴,お熊に児太郎,手代忠七に扇雀,弥太五郎源七に橋之助,大家に弥十郎,大家の嫁に亀十郎。
 三津五郎はこのところ,型の美しいさに磨きがかかって思い切りのいい芝居をしているように思います。どうしても勘三郎の面影を追いがちなこの芝居も,はっとするほど見得に力があり台詞も腹に落ちています。忠七の役は女形の役であるので,時に男になりきれていない優男の場合もあるのですが,扇雀の忠七は色気・弱気・美貌すべて揃った完璧なもの。そして新三に踏まれる形もよい。勘九郎の勝奴は存在感が自由自在に増減できるようでありました。素直に新三を慕うさまは,そのまま三津五郎を慕う姿でもあるのでしょう。お調子者で憎めない若い衆に勘九郎がぴたりとはまっています。一部に続き,弥十郎が渾身の芝居。緩急使い分ける老け役,滑舌もよくて大家の胴欲さが分かりやすい。橋之助の弥太五郎源七はまず型どおりの大親分。
若い役者の精一杯の演技と三津五郎・弥十郎の安定感がぴりっと締まったよい芝居になっていました。

 かさね:福助・橋之助兄弟による舞踊。
特殊効果も特殊な照明もなく,異界の魔となる福助。色男が一転して悪人となる橋之助。きょうだいならではの舞踊。

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