ドロシー・コウ著;2005年平凡社刊
台北へ旅行した際、骨董品店の店先で本物の纏足の靴を見たことがあります。正直、その小ささと古びた生々しさにぎくりとしました。
本書に所収の纏足靴コレクションの写真には、纏足に対する古今の視点が如何にかけ離れているのかについてしみじみ考えさせられる何かがあります。掌の上に咲く刺繍の靴(錯視によって実際より足を小さく見せるテクニック)、単に足を縛り上げ変形を促すものではなく足の骨の再構成によって成される金蓮三寸。人目にさらされることで終焉を告げた纏足の伝統。読み応えのある本でした。
台北へ旅行した際、骨董品店の店先で本物の纏足の靴を見たことがあります。正直、その小ささと古びた生々しさにぎくりとしました。
本書に所収の纏足靴コレクションの写真には、纏足に対する古今の視点が如何にかけ離れているのかについてしみじみ考えさせられる何かがあります。掌の上に咲く刺繍の靴(錯視によって実際より足を小さく見せるテクニック)、単に足を縛り上げ変形を促すものではなく足の骨の再構成によって成される金蓮三寸。人目にさらされることで終焉を告げた纏足の伝統。読み応えのある本でした。
私も台北の林安泰古セキという所で実物を見ました。確かに古びた生々しさがありました。
本を読んで纏足の靴のバリエーションの多さに驚いたのですが、美しく調えられた靴を眺めていると、一針一針心を込めて靴を作った女性達の姿が見えるかのようでした。