新・桜部屋

主に伝統芸能観劇記。
その他鑑賞日記

ラーマーヤナ①~④

2007-01-27 21:38:24 | よみもの
「ラーマーヤナ」 アショーカ・K. バンカー著

ちょっと禍々しい色あいをしたハードカヴァーの後ろに「ポプラ社」と。
なつかしのポプラ社,少年少女の心をときめかせた思い出の出版社。
ラーマーヤナは大長編叙事詩を現代に蘇らせた意欲作だそうです。
確かに,ちょっとばかりとっつきの悪いインドの英雄譚がエキゾチックな魅力で
描かれているのでDBデジタルのハリウッド映画を見ているよう。
美の賛美も魔の表現もアーリアの根源に根ざすもので,残酷な描写は清々しいほど。

4巻に登場のシータ皇女が特にお気に入りなのですが,金庸の武侠ものにも似た女性
として存在しておりまして,21世紀を闘う巨象と巨龍の流れはここから始まっているのかしら;
と見当違いの感想を持ちました。
シータ皇女の登場シーンが白眉でして,自分の中に眠っていた
「義経コンプレックス」とでも言うべき嗜好を思い出してしまいました。
圧巻!の一言です。