新・桜部屋

主に伝統芸能観劇記。
その他鑑賞日記

蜷川十二夜(於:大阪松竹座7月17日観劇)

2009-08-30 23:02:17 | 歌舞伎鑑賞雑記

野田歌舞伎以来、すっかりお馴染みになった現代風味の歌舞伎。
シェークスピアのあまりにも有名な「十二夜」を歌舞伎で上演:
菊之助は双子の兄妹2役。妹が兄を慕って「男装のお小姓」として就職~でも女心を隠しきれない~という演じ手は「菊之助(男子)」。
今のは乙女?男装女子?菊之助?何がなにやら混乱してしまいました。
菊五郎はもったいない捨助役。もっとたくさんお姿を拝見したかったが狂言回しとして終盤を締める存在感はさすがの菊五郎、華があります。
亀次郎が侍女麻阿(まあ)役で、声も姿もハリと勢いがあって素晴らしい女優ぶり。ふ、と力を抜いてから客席と息を合わせて劇場の空気を持ち上げる技。
いつのまにこんなステキな俳優さんに育っていたのかしら。翫雀、イッツ ミー;正道の歌舞伎では少し物足りない彼、こんなところで遺憾なく魅力を発揮できるなんて・・・切なくなるほど役に嵌っていました。
鏡を多用した舞台はきらきらしく、大阪松竹座の奥行きの浅い客席の奥まで映りこんで不思議な一体感を出していました。

まねっこ

2009-08-09 00:07:45 | food
ここ数年ルピ屋では夏冬の福袋のみのお付き合い・・・だってリーズナブルなんですものv
普段は相方から送ってもらうムジカの朝堂島が常用なのですが、たまには香り高いお茶など飲んでみたくなりましたので「夏の福袋ヴァラエティ」です。
・はちみつ和梨・鉄観音・のんびり田舎茶・サクランボ・ヴェール・あふたぬーんてぃー
・トライアングル・アプリコット・ウェディング・セレモニー・ライムダージリン・TOKIO
さて、飲みきるのに何ヶ月かかる??

6月大歌舞伎

2009-08-02 23:57:49 | 歌舞伎鑑賞雑記
女殺し油地獄:
何があっても必ず観に行く演目は、仁左衛門さんの与兵衛。練りに練った演技、こなれた台詞、不条理な若者の心理を得心させる演技力。生理的に気持ちの良い間合いで仁さまの目が左から右へ移り、ひとごろしの表情へ変貌する。あの一瞬を味わうことの出来る幸せは手放したくないものです。兄嫁に孝太郎、期待以上の出来でした。前回は秀太郎の兄嫁でこれに勝るものはないのではと思っておりました。しかし、孝太郎は27歳人妻の色香を原作通りに演じており、こときれる間際の型の力強さも彼の若さがよい方向にはたらいていたようです。与兵衛の母に秀太郎、父に友衛門。老夫婦の涙をさそう愛情劇が後半の悲劇への呼び水となっています。滅多にないほど演者と息の合った義太夫節と三味線の糸に乗り、ほのぐらい油屋の室内で繰り広げられる青年の殺人劇。数百年経っていてもいつまでも新しい魂を吹き込まれる近松作品。きっと次も来るぞえ・・・とつぶやいてしまう一幕でした。

双蝶々曲輪日記:
濡れ髪長五郎に幸四郎、吉右衛門が放れ駒。素人力士の放駒があこがれの大関を目の前にして緊張し、虚勢を張り、
やがて自分の意地と男を表に出す。・・・前半部分に全く魂が入っておりませんでしたね。

福助と梅雀で蝶の道行き
不思議な電光の演出で蝶や地獄の炎を演出。福助の動きが時に過剰に見えるためくどさを感じてしまい、残念。
旧い舞台写真を見るような静止画はうつくしいものでした。