新・桜部屋

主に伝統芸能観劇記。
その他鑑賞日記

幻想と絶望~漫文漫画で読み解く日本統治時代の京城

2005-10-31 21:22:57 | よみもの
申 明直 著,東洋経済新報社 2005年刊

時は1930年代の京城、「モン・パリ」の歌が蓄音機から流れ、京城三越にはマネキンガールがやってくる。危ういバランスで立つ娘、そして京城という植民地下で強引に花開いたモダニズム。
皮膚で識っているこの感覚が漫文漫画で鮮やかに蘇ってくる。
原題『モダンボーイ京城を闊歩す』

欲を言えば、図版を全て納めて欲しかった。
解説と図版NO.を残したままで図版のみ省略されているのが非常に残念。

江戸の花街「遊郭」がわかる

2005-10-31 09:19:58 | よみもの
平成17年 技術評論社刊
古今亭志ん生の落語「付き馬」CD付き

古典芸能の中でも、とりわけ人形浄瑠璃が好きなので上方の浄瑠璃に対して江戸の落語が全く守備範囲外というのはいかんのではないかと、常々思っておりました。
この本には落語CDが付属で付いておりますので、この機会に落語の世界を覗いてみようかと・・・。
結論から言うと、向いていませんでした。
テンポが生理的に心地よくないのです。言葉が私を素通りするのです。

ムック「遊郭」としてはとても良く出来た本だと思います。

阿片(OPIUM)

2005-10-04 10:02:20 | よみもの
マーティン・ブース著 1998年扶桑社刊

厚さ5センチ強の大著。読む甲斐あり、資料的価値有り。
阿片の歴史・科学的成分・阿片の用法に始まり、アヘン戦争・黄禍・フーマンチューに至るまで、ありとあらゆる阿片の話が1冊に。