新・桜部屋

主に伝統芸能観劇記。
その他鑑賞日記

満洲鉄道まぼろし旅行  川村 湊 (著)

2009-05-13 21:56:12 | よみもの
 神戸から船で大連へ渡り、満鉄を利用しての移動。各地のヤマトホテルを泊まり歩いて満州観光を楽しむ。
まぼろし旅行ですが、ベースになっている旅行者の記録や写真は実際のものであるので虚と実が入り交じる不思議な感覚を味わうことのできる1冊でした。
満州という国民無き国家を創りあげた暗い情熱とのちに起こる悲劇。
 ふと、先日の北海道旅行の際に出会った女性の事など思い出しました。
「私は好き放題に生きてきたのよ。若い頃には満州にも行ったわ、夫とは大恋愛の末一緒になったの。我が人生に一点の悔い無し!なのよ」
・・・あなたは覇王ラオウ様ですか?という突っ込みは置いておいて、人生終盤に於いてのあの瞳の輝き。
満州という言葉の歪な魅力は今なお生きているようでした。

大暴落1929 ジョン・K・ガルブレイス著 (日経BPクラシックス)

2009-05-10 21:57:27 | よみもの
サブプライムローン問題から話題に上ることの多くなった金融工学とかローンの証券化とか、最近の金融は複雑すぎると思いましたが、
90年前に編み出されたテクニックでも私には理解不能でした。私が理解できる限界が空売りです。
作者は1950年代にこの本を書き上げ、上梓。そしてまた日本での再発行が2009年。
作者は2006年に亡くなっておられますが、やっぱりね:という後書きが読めるような気がしました。


「0の焦点」  松本清張

2009-05-10 21:52:14 | Weblog
なぜ今頃?ですが、お友達のマダムが貸してくれたので読んでみました。初松本清張。
今なら携帯電話1本で済む用事も、上越新幹線&特急北国で日帰り出来る金沢も(むしろ羽田~小松空港が有効か)遠い裏日本。
出張がちな男が東京・金沢で二重の人生を送ることができた不思議な時代。クライマックスまで読み進むうちに先さきの情景が目に浮かんできました。
犯人はお前だ!!あれ?デジャヴ??
・・・清張ドラマ、テレビでやりすぎだよ。ラスト5分だけ見ていたTVドラマが徒になりました。あ~あ、もったいないことをした。

写真はヤセの断崖(実物)先だっての能登地震でもっきり折れてしまい、昔日の迫力はなくなってしまったそうです。