東京都は来年度から10年かけて、都内に約2,000校ある公立小中学校のすべての校庭を芝生にする。都道府県が全校を芝生化するのは全国でも初めてとなる。
皇居の2倍に相当する面積の緑地が新たに生まれる計算で、都は都心部のヒートアイランド現象を抑制すると共に、子供たちが屋外で遊ぶ機会を増やし、運動能力の向上にもつなげたい考えだ。
現在、都内で全面的に芝生化されている小中学校は44校にとどまっている。都は来年度、まず20億円をかけて70校を芝生化する方針で、その費用は「ヒートアイランド対策費」として支出する。
都心部の気温は過去100年間で約3度上昇しており、地球全体の5倍のスピードでヒートアイランド化が進んでいる。真夏の炎天下ではアスファルトや土の表面温度が50度近くまで上昇するのに対し、芝生は30度台にとどまる。
都環境局は、「気温上昇を抑えれば、クーラーなどの使用も減り、二酸化炭素(CO2)の削減効果も生まれる」と期待をかける。
さらに、校庭が芝生になれば、子供たちが積極的に屋外で遊ぶようになり、運動能力の低下が懸念される現代っ子の体力増進につながるという計算もある。
トンボやバッタなどの昆虫も集まるため、環境教育に生かすことも可能と、都では「一石何鳥」もの効果を当て込んでいる。
その一方、芝生は管理が難しいが、優れた維持管理計画を立てた学校には都が全額補助する仕組みをつくり、学校・PTA・地域住民などの連携を促す方針だ。 (参考:読売新聞)