ポーランドからの報告

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復活祭とイースターエッグ

2007年04月04日 | 日常生活

イースターエッグは、復活祭のとても重要なアイテムです。
古代より、卵はウサギとともに、復活と子孫繁栄のシンボルとされているためです。

ポーランドでは、復活祭前日の聖土曜日(Wielka Sobota)に、ピサンカ(pisanka) と呼ばれる模様を描いた色つきゆで卵を、イースターバスケットに入れて教会に行き、聖水でお清めしてもらう習慣があります。鶏卵を、たまねぎ、赤ビートなどと一緒にゆでて、殻に紅色や茶色に色づけをし、その後木刀などで模様付けしたものです。ポーランドで流通している鶏卵は、白玉ではなく褐色玉がほとんどなので、簡単に色がつきます。その後そのお清めしてもらったピサンカを、殻をむいて人数分に等分し、復活祭の日の食卓で、皆で分け合って食べるのです。

  

このピサンカの習慣は、キリスト教受容以前の歴史に由来するものです。ポーランドでは、はるか異教の時代から、春の訪れを祝う伝統行事として、このピサンカをおまつりする習慣があり、キリスト教受容以降に、復活祭の行事と融合しました。写真は木製のイースターエッグで、これも民族工芸として古くから伝わるものです。復活祭が近づくと、子供たちはこの木製のイースターエッグのおもちゃを隠して、宝探しゲームをして遊んだりします。

ウクライナ南西部のコロミヤ(Kolomyya/Коломия、旧ポーランド領、現ウクライナ領)という街には、イースターエッグ博物館なるものがあるそうです。建物全体がイースターエッグの形をした、ピサンカについての世界でたった一つの、とても珍しい博物館です。


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