廃校で。

2007年10月04日 21時47分16秒 | 教育とふっき~

実家に帰る途中、飯田から、旧上村と旧南信濃村方面を経由してみた。
いまは合併して飯田市になってしまった村だけれど。

飯田市街地から、なぜか山間に突如現れる三遠南信自動車道を経由し、国道152号線へ。
旧南信濃村へ続く道は、超高規格だったり、ときどき国道とは信じられなくなったり。
そして、木沢という集落に着いた。
旧南信濃村。
旧国道152号線に面して、旧木沢小学校があった。
「旧」の数が、その地区がいかに現代から遠ざけられているのかうかがい知れる。
その木造校舎は、誰でも見学ができる、と郵便局の方に伺った。
校庭に車を停め、木造校舎に、スリッパに履き替えて踏み込む。
だれもいない空間。
すこしワックスの匂い。
第一学年、という部屋には、ランドセルまであった。
平成3年で、時は止まったまま。
廊下のオルガン。
唱歌「富士山」を弾いてみる。
小学校、の音がした。
不思議な時間。

  当時の小学生のメッセージだそうだ。
  平成3年。
  よく考えると、16年も昔。
  この字を書いた児童は、自分より先輩。
  目を閉じる。
  思い浮かぶのは、教育実習の場面。
  無言の授業。

黒板の声がする、気がした。
それは、長年この黒板を使った先生か、それとも子どもたちか。

戦争に行く兵隊を見守り、いくつもの歴史を迎え入れたこの校舎。
いつまでも、この場所で日本の行く末を、見守っていてくれるだろうか。

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2 コメント

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Unknown (cobatch)
2007-10-05 00:31:40
ありふれた言葉で申し訳ないけど、読んでいてホロッときました。
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Unknown (ふっき)
2007-10-06 22:22:32
>cobatchさん
自分でも、あの学校の空間の中で、心に響くものがありました。
学校という中でのみ紡がれる時間があること、教師が忘れてはいけませんね。
子どもたちにとって最高の時間になればいいな、なんて思ったり。
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