東京三菱銀行とUFJ銀行のシステム統合において、勘定系システムに日本IBMを採用することが決まった。予測されていたことではあるが、これを機にして金融SIビジネスの更なる競争激化が進行することとなる。
日本経済新聞(2/6)によると、これにより日立は年間250億円の収入減になるという。また、同紙は、日立が「勘定系」に対するところの「情報系」システムでの失地回復を狙うだろうと予測するが、「勘定系」と「情報系」のシステム投資額は7:3程度であるという。
恐らく日立は失った売上を回復すべく、猛烈な巻き返しを「勘定系」以外の分野で仕掛けてくるだろう。もちろん、これは三菱東京UFJ以外も戦場となる。また、日本経済新聞は情報系での失地回復に触れているが、当然その分野にいるのはIBMだけでなく、他のベンダーも危機に晒されることとなる。
新聞記事だけ読んでいると、あたかもメガバンクのシステムは大手メーカーのみの争いのような印象を受けるが、大手行のIT投資予算総額は1,000億円を超える規模であり、勘定系はその中で大きな割合を占めるとはいえ、それが全てではない。つまり、勘定系などの大型システムの統合によって、波及的にそれ以外のシステムを担っているITベンダーへも競争激化の波が押し寄せるのである。
昨日のエントリーの続きで言えば、金融機関向けITサービスは以下のように振り分けられると予測できる。まずは、金融機関のIT要員とシステム関連会社。これが、ここ最近の統合により相当に膨らんでいる。続いて、勘定系などの基幹システムを担当するベンダー、及び緊密な政治的関係を持つ大手ベンダー。これは大垣氏も指摘する株式持合いや貸出などの関係を持つ先である。そしてその先に政治力のないベンダーが実力のみで勝負する世界がある。
ただし、この最後の実力で勝負するベンダーがITバブルの中で総合力をつけることに注力したために、下降局面ではユニークな実力を発揮できない状況におかれている。そんななか、大手金融機関のシステム統合は、本来なら政治力で仕事を取ることが出来たベンダーをこの最後の領域へと押し出す構図となる。
さらにメガバンク領域で押し出されてしまったベンダー(大手も中小も多かれ少なかれ押し出されているはず)は、システム要員をメガバンクほどには抱えていない地域金融機関へと向かうこととなる。そして激戦区は更にエリアを拡大する。
今日の日経1面は「富士通、薄型パネル撤退」である。その理由は、採算の取れない薄型パネルビジネスから撤退し、「主力としている情報・サービス事業に経営資源を集中する」ためだそうである。
今後のSI業界、「A社よりB社の方が望ましい」という程度のコア・コンピタンスで生き残るのは困難であろう。「A社でないと実現不可能である」といわれるレベルが求められる。業界側の改革を環境変化のスピードが上回っていると思えてならない。
日本経済新聞(2/6)によると、これにより日立は年間250億円の収入減になるという。また、同紙は、日立が「勘定系」に対するところの「情報系」システムでの失地回復を狙うだろうと予測するが、「勘定系」と「情報系」のシステム投資額は7:3程度であるという。
恐らく日立は失った売上を回復すべく、猛烈な巻き返しを「勘定系」以外の分野で仕掛けてくるだろう。もちろん、これは三菱東京UFJ以外も戦場となる。また、日本経済新聞は情報系での失地回復に触れているが、当然その分野にいるのはIBMだけでなく、他のベンダーも危機に晒されることとなる。
新聞記事だけ読んでいると、あたかもメガバンクのシステムは大手メーカーのみの争いのような印象を受けるが、大手行のIT投資予算総額は1,000億円を超える規模であり、勘定系はその中で大きな割合を占めるとはいえ、それが全てではない。つまり、勘定系などの大型システムの統合によって、波及的にそれ以外のシステムを担っているITベンダーへも競争激化の波が押し寄せるのである。
昨日のエントリーの続きで言えば、金融機関向けITサービスは以下のように振り分けられると予測できる。まずは、金融機関のIT要員とシステム関連会社。これが、ここ最近の統合により相当に膨らんでいる。続いて、勘定系などの基幹システムを担当するベンダー、及び緊密な政治的関係を持つ大手ベンダー。これは大垣氏も指摘する株式持合いや貸出などの関係を持つ先である。そしてその先に政治力のないベンダーが実力のみで勝負する世界がある。
ただし、この最後の実力で勝負するベンダーがITバブルの中で総合力をつけることに注力したために、下降局面ではユニークな実力を発揮できない状況におかれている。そんななか、大手金融機関のシステム統合は、本来なら政治力で仕事を取ることが出来たベンダーをこの最後の領域へと押し出す構図となる。
さらにメガバンク領域で押し出されてしまったベンダー(大手も中小も多かれ少なかれ押し出されているはず)は、システム要員をメガバンクほどには抱えていない地域金融機関へと向かうこととなる。そして激戦区は更にエリアを拡大する。
今日の日経1面は「富士通、薄型パネル撤退」である。その理由は、採算の取れない薄型パネルビジネスから撤退し、「主力としている情報・サービス事業に経営資源を集中する」ためだそうである。
今後のSI業界、「A社よりB社の方が望ましい」という程度のコア・コンピタンスで生き残るのは困難であろう。「A社でないと実現不可能である」といわれるレベルが求められる。業界側の改革を環境変化のスピードが上回っていると思えてならない。
その点、SI業界は、大やけどするリスクが低いのかもしれないですね。開発リスクがあるとはいいますが、最後は人員を投入してなんとかしてしまう、というのが逃げ口になっている気がします。火噴いたから人員を投入するってーのは、経営の意思決定というレベルではないような。
さて、縮小する市場にプレイヤーがひしめくSI業界、どうするんでしょうね。e-Tetsuさんが言うように、ユニークであるか、コスト競争力があることが、生き残る条件なんでしょうね。
もともとパッケージでの対応が多い、ということと、仕事の受け方がTime chargeベースということなので、全部リスクを顧客側に負ってもらっているということなんでしょうか。
あと、業界構造的には、どうなんでしょう。金融機関のトレンドとしては、システム開発は外注化or内製化, e-Tetsuさんはどっちを感じますか?
完成品系の製造業でも、部品まで自社で作っている企業の方がいま強いですよね。品質、というよりは、コスト競争力で、という意味で、ですが。
金融機関は、これから内製化する方に戻っていく、なんてこと、ないんでしょうか。もしそうだと、競争の構図がまた変わってきますよね。。。