Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

インド式結婚式 その2

2008-11-02 | ◆少し文化的
バブニート君の結婚式が開かれるのは、彼が生まれ育ったチャンディガル(Chandigarh)という街だと言う。といっても、「それどこ? 聞いたことない」のである。調べてみると、チャンディガルはインドの首都であるデリーの北およそ300キロくらいのところにあるらしい。

古い遺跡などはないので観光都市としては有名ではないので、日本のガイドブックには載っていない。しかし、よくよく調べてみると、結構興味深い街であることが判ってきた。チャンディガルという都市は、1947年にインドとパキスタンが分割された後に作られた人工都市なのである。その経緯はこうだ。

チャンディガルのあるパンジャブ州は、インドとパキスタンが分割された際に、パキスタン側に行ってしまった。そのため、インド側にもパンジャブ州の州都が必要となり、紆余曲折の後にチャンディガルという新しい都市を建設することになったのだという。しかも、都市計画には建築家のル・コルビジェなどを招聘している。

そのため、街の中にはル・コルビジェやその弟子の手による建築が点在し、また、インドでは恐らく他では見られない碁盤目状の道が街を駆け抜ける。地図で上空から見るとこんな感じである(Google Mapがうまくリンクしてくれないので、イメージのみ貼り付けました)。



さて、飛行機はバンコク経由でデリーへ到着し、その日は遅いのでデリーで一泊することとなる。翌朝は、7時40分発の列車でチャンディガルへ向かう。およそ3時間半の行程だ。朝とは思えない雑多な喧騒を抜けてホームへあがると、これまた雑然とした雰囲気で人々が列車を待っている。



意外にも定刻どおりに列車が到着し、予約してある席へと座る。一応エアコン付き、食事付きの一等車両である。決して綺麗とは言えないが、なかなか快適な座席である。しかし、走り出すと、その両側に見える風景は、インドの貧困そのものである。人と牛と豚が、ほぼ同じレベルで生活しているかのような日常と、ひたすら広い耕作地帯が交互に目に入ってくる。



そして出てきた朝食。これまた砂糖、塩、ティーバッグ、ガムなど、やたらと雑多なものがトレーの上に所狭しと置かれているのが印象的であった。朝食にコーンフレークが出たのであるが、注がれるミルクがホットミルクである(つまり、煮沸してある)ところに心遣いを感じるのであった。