ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

不都合な真実

2007年08月05日 23時59分50秒 | 観る/聴く
ドキュメンタリー映画「不都合な真実」をビデオショップで借りてきて観る。この映画、米国の元副大統領アル・ゴアの地球温暖化に関する講演を追いかけたものだ。エミレーツの機内プログラムにもあり、少し前から気にはなっていたが、まだ観ていなかった。観終わっての感想だが、もっと早くに観ていればよかったと思う。

この映画は、温室効果ガス(有り体に言えば二酸化炭素?)の排出との因果関係が疑われる様々な自然現象をとりあげている。長女の中学校では、生徒が教室の冷房を効かせ過ぎると、先生が「ツバルやオランダが水没するよ」と注意するそうだ。ツバルこそ出てこないが、標高が低いオランダが水位の上昇によって、水没してしまうという話が出てくる。この他、米国ニューオーリンズを襲ったハリケーン「カタリーナ」がそうだし、2004年に日本を襲った10個の台風も例に挙げられている。現時点ではまだ5号だが、この先日本に何個の台風が来るのか、興味深い。当時思いが及ばなかったが、30年ぶりにオマーンやUAEの東海岸を襲ったサイクロン「ゴヌ」も、今から考えれば温暖化の影響が疑わしい。

私はすっかりゴアに共感してしまった。友人に話すと、温暖化は地球がたまたまそういう時期にあたっているだけではないかと言われた。まずはこの映画を観てほしいと思う。

歴史に「もし」という問いは禁物と言われる。だが、もしゴアが大接戦を演じたブッシュとの大統領選を制して大統領になっていたら、この世界はどんな姿になっていただろう、という感慨を禁じ得ない。米国は京都議定書を批准しただろうし、イラク戦争もきっと起こらなかっただろう。

現実はイラクでは戦争終結後も内戦状態が続き、米国は京都議定書を批准しないまま今日に至る。映画は、エンディングで私たちにできることからはじめようと訴える。自動車は燃費の良いものを選ぼう。できるだけ、歩くか自転車に乗ろう。この映画を観ることを人に勧めよう、と。残念ながら、一番目のは手遅れなので、せめてこの映画の宣伝くらいはしようと思った次第。


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