ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式

2007年11月12日 19時38分18秒 | 観る/聴く
今回日本に帰国する時に乗ったエミレーツでは、二本の日本映画を観た。一本は「あかね雲」、もう一本が掲題の映画だ。

この映画、2週間前に東京に出張したインド人社員が、やはりエミレーツの機内で観て面白かったと言っていた。インド人が字幕で観て面白い映画とはどんなものかという興味もあって観た。

2007年2月に封切られたというが、映画は主演の広末涼子がドラム式洗濯機を改造したタイムマシンに乗り、不景気の2007年からバブル全盛の1990年にタイムトリップ。(映画によれば)バブル崩壊の原因を作ったとされる大蔵省の総量規制を阻止する、というまあ荒唐無稽なお話。

面白かったのは、17年前の東京の様子をなるべく忠実に再現しようとしていることで、現在との違いを際立たせて見せていることだ。例えば、重要な小道具として使われる携帯電話は、1990年当時、一般庶民は持っておらず、阿部寛演じる大蔵省の官僚もポケットベルで呼び出され、緑色の公衆電話で電話するという設定だ。広末涼子のへそ出しルックは、ボディコンの若い女性からおかしい指摘されてしまうし、広末がパーティーで踊るダンス(なんという名前かわからないが)が一同の注目を集めてしまう、などなど。

企業も実名で登場する。タイムマシンを発明する薬師丸浩子は、日立製作所の研究所勤務という設定だし、長銀に内定をもらった大学生という設定の劇団一人には「銀行がつぶれるわけないじゃん」と言わせて、苦笑を誘う。かく言う私も、長銀の面接を受けて落っこちた組だ。

まだ無名だった飯島愛、飯島直子、ラモス瑠偉などが、1990年当時の本人役で登場するのもご愛嬌だ。

もともとは漫画が原作のこの映画を観た外国人に1990年当時の日本は本当にこうだったと思いこまれるのは困る(現にインド人社員は私にそう聞いてきた)。だが、当時の日本に若手サラリーマンとして生きた者にとって、わずか17年前(って十分昔だろうか?)の日本の姿に妙に郷愁を誘われるのも事実。

興行収入8億円というから、大ヒットとは言えまい。まだ観ていない人も多いだろう。これからドバイから日本に(またはその逆も)エミレーツで旅行する人に、機内映画で観ることをお勧めしたい。


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