ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

サウジ・アラビア レイプ被害者に恩赦

2007年12月20日 00時12分14秒 | 法・制度
18日のガルフニュースは、サウジアラビアのアブドラ国王が、200回の鞭打などの刑の判決を受けたレイプの被害者に恩赦を与えたことを報じている。

記事によれば、サウジの司法長官は、今回の恩赦は、判決の正当性を否定するものではなく、より大きな善に資するものと国王が認めた場合に行使することができる権利として、判決を覆したものとコメントしている。

今回の恩赦は、欧米、中でもサウジ最大の同盟国であるブッシュ米大統領の批判に応えたものとされる。要するに、うるさい米国を黙らせるための方便と見るべきだ。ワシントンからは早速この決定を歓迎するとの声明が出されたようだ。

今回はたまたまメディアの注目を集めたせいで、こういう結末になった。結果として被害者女性の弁護士の作戦が功を奏したと言っていいかもしれない。ただ、その弁護士はそのおかげで資格を剥奪されたと言うし、同様な判決がメディアの目にとまるわけではあるまい。(西洋社会から見た)根本的な問題が解決されたわけではない。

今後も、サウジの女性は、西側からみて不自由な生活を余儀なくされ続けるのだろう。

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