ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

硫黄島からの手紙

2007年04月28日 22時39分24秒 | 観る/聴く
レンタルビデオショップで「硫黄島からの手紙」を借りてきて観る。この映画、アカデミー賞発表の前後にドバイでも上映はされていたが、大ヒットとは行かなかったようで、映画館に観に行こうと思ったときはもう終わっていた。

観終わっての感想だが、クリント・イーストウッドにどうしてこの映画が撮れたのか不思議と言う他ない。日本人の心情の機微がわかっているし、不自然に感じるところが全くと言ってない。脚本を書いたのは、名前からすると日系人のようだが、自然な日本語だし、俳優も渡辺謙をはじめとして実力のある俳優を使っている。アメリカでヒットさせるだけなら、他の映画でよくするように日本語のアクセントがちょっとおかしい日系二世や三世を使うなどして、もっと手を抜けたはずなのに、そうしないことにあくなき本物へのこだわりを感じる。

太平洋戦争を日本人の視点で描いたこういう映画がアメリカ人によって作られ、賞こそ逃したもののアカデミー賞にノミネートされることをどう理解したらよいのか。アメリカという国の懐の深さを想う。

個人的には、頼みにしていた本土からの援軍が断たれ、それでも本土を守るために最後まで闘い抜こうとする栗林中将の姿に、東京への支援要請に応答のない自分を重ね合わせて、感情移入してしまった。戦場と違って、生死がかかっているわけではないし、会社のために命を投げ出すつもりなどさらさらないけれど。


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