ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

サウジアラビアにおける女性の権利

2007年10月23日 00時36分24秒 | 法・制度
10月22日のガルフ・ニュースに興味深い記事が載っていた。

当地のエミレーツ・タワーズで21日に開催された新アラブ婦人フォーラム(New Arab Women's Forum)において、サウジアラビアで女性の乗用車の運転が禁じられている問題を端緒として、激しいやりとりがあったという。

そもそもは、パネルディスカッションの中でサウジの在ドバイ総領事夫人が、サウジの女性には全ての権利が与えられているから、女性が乗用車を運転する必要はないという発言をしたのに対し、聴衆の中にいたサウジのテレビ局のプロデューサーかつ司会者が食ってかかったということらしい。

このプロデューサー女史、「サウジの女性は社会的または政治的な権利を何らもっておらず、総領事夫人はそのような女性達を代弁する権利がない。屈辱的だけど」(She doesn't have the right to speak on behalf all Saudi women who don't have any social or political rights. It's humiliating to say that.)と述べたという。また、彼女によれば、もし女性達が全ての権利を持っているなら、(自分で言えば済むことで)そもそも総領事夫人に代弁してもらう必要はないではないかと。むべなるかな。

彼女はこうも言っている:「かわいそうな女性達は働くことを禁じられ支援もなく生きるために物乞いをしている」(Poor women are begging to live because they are banned from working and have no support.)

彼女はアラビア語で平等を意味する「モサワ」というトーク・ショーを担当しているという。他人事ながら、こんなに言って番組を降ろされたりしないのだろうかと心配になる。

ドバイでは、アバーヤを着た女性が乗用車を運転する姿は普通に見かける。また、ムハンマド首長夫人のハヤ王女(ヨルダンの王室からお嫁入りしたらしい。国連の平和大使でもある)のように洋服を着、髪もかくさない女性も珍しくない。銀行や役所などで働く女性も多い。

同じ湾岸諸国でも、UAEとサウジアラビアでは、女性の権利については大きな差があるようだ。


最新の画像もっと見る