こちらアメリカではレントゲンによる検査を行うことができます。そのため殆どのカイロプラクティックのクリニックではレントゲン設備を備えています。
今朝も一緒に働いているドクターと今まで診た患者さんのケースについて話していました。そん中、彼の患者さんで以前、腰痛で来られた方がいたそうです。
その患者さんは典型的な腰痛の症状を持っていたそうです。痛みは明らかに筋肉、靱帯など軟部組織からのものでした。長時間立ったままでいたり、座ったままだと腰が痛くなります。前かがみになると痛みが酷くなる・・・。
ぼくの友人のそのドクターも単純な腰痛だと判断しましたが、念のため腰のレントゲン検査を行いました。そうしたところ、腰椎(腰の部分にある背骨のことです)の一つがどうもおかしく見えるということで、治療後には患者さんに精密検査を勧めたそうです。
患者さんは友人のアドバイスに従い、精密検査を受けたそうですが、結果は悪性腫瘍だったそうです。肺から転移したものだったようで、その3ヵ月後に亡くなりました。
悪性腫瘍(いわゆる癌のことです)が原因の腰痛だったということですね。悪性腫瘍には特有の症状があります。例えば・・・
- 急激な体重減少
- 食欲不振
- 呼吸が難しい(肺がんの場合)
- 腰痛ならば、姿勢を変えても痛みに変化がない
- 痛みは深い部分からくる感じがする
- 倦怠感
などがあります。
ぼくの友人のケースで難しいのは、その患者さんの症状は腰痛だけだったということです。しかもその腰痛が典型的な筋骨格系の痛みであったということですね。
こうなるとまさか悪性腫瘍であるとは思いません。このケースではレントゲンが唯一の疑うべき材料だったわけです。
我々カイロプラクターが治療する範囲は主に筋骨格系の疾患ですが、それ以外の症状についても熟知している必要があるわけです。