スポーツドクターSのざっくばらん

スポーツ障害専門カイロプラクターによる奮戦記。

十人十色

2010-09-04 08:40:33 | カイロプラクティック


カイロプラクティックの適応症状には、いろいろなものがありますが、その中でも腰痛はカイロプラクティック療法によって非常に効果的に改善が可能です。

しかし、「腰痛持ちの人が10人集まれば、10通りの原因がある」と言われるくらい、その痛みの原因はさまざまです。当然のように、個々の患者さんへの治療法は、同じ腰痛を訴えられていても異なるものになって当然と言えます。いや、むしろ異なっていて当然でしょう。

アメリカではX線を備えているクリニックがほとんどなので、その場で骨(関節)の状態を視覚的に判断することが可能ですが、日本ではそういうわけにはいきません。そのため、視診(姿勢のチェック等)や問診、そして触診による圧痛点の場所や関節の状態(サブラクゼーション)を把握することが診断の要となります。

特に触診は感覚が頼りであるため、その技術レベルに大きな差が生じます。経験の浅いカイロプラクターでは感じられないことが、何十年もの経験豊富なカイロプラクターにかかれば、いとも簡単に鑑別されてしまいます。


話を腰痛に戻します。先ほど書いたように腰痛の原因はさまざまです。ここでその一つ一つを列挙していくような無謀なことはしません。無数だからです。

先日、腰痛を訴えておられる方が来院されました。問診によると、ゴルフのスィングを行ったとき、一瞬鋭い痛みが局所的に現れるとのことでした。場所は腰椎(腰にある背骨)下部の右側の一点。

触診検査により腰椎5番が大きく回旋変位を起こし、さらにその下側の骨である仙骨にも回旋が認められました。ちょうど、右側の腰仙関節(腰椎5番と仙骨との間の椎間関節)の関節面が圧迫されている状態です。

このような状態でゴルフのスィングのような捻じりを加えると、完全にかみ合っている関節面には大きな摩擦力が作用します。それがこの方の自覚症状と結びついていると思われました。

この患者さんのケースで重要なのは、痛みが局所的であるということ。これは関節からの痛みの特徴的な症状です。特に脊椎の椎間関節のような比較的小さい関節では、より局所的な痛みになる傾向があります。しかし、鑑別診断として深層部筋である回旋筋群や多裂筋、さらに椎間関節を覆っている関節包からの痛みである可能性もあります。

ただし、原因構造を一つに断定する必要はありませんし、原因はむしろ複合的であることの方が多いです。筋肉と関節はお互い影響しあいますので、どちらかに問題があり、他方はまったく正常ということの方がむしろまれであると言えます。

上記のケースでもサブラクゼーションだけでなく、それに伴って生じる周辺構造へのさまざまな影響が相まって、一つの痛みとして現れていたと考える方が自然でしょう。





Dr.S

名古屋・岐阜のスポーツ障害専門カイロプラクティック治療院

 

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