無意識の領域は、われわれが生まれながらにして既に持っているものでもあり、それが時の経過とともに(後天的に)大きくなっていったものだ。
無意識の意識化を訓練していくことで、無意識領域が次第に小さくなっていくのだが、最終的には「無意識領域は、われわれ自身が作り出したものである」という結論にたどり着く。
そもそも無意識などというものは存在しないということに気付くのだ。
それでは、無意識領域には何があるのか?それは、快、それから不快という二種類の感情だ。
部屋にゴミ箱があるとしよう。当然のように、ゴミを見つけたらゴミ箱に入れる。臭い匂いを放つものであっても、とりあえず蓋でしっかり抑えつければ、匂いは知覚されない。しかし、一たび蓋を開ければ、異臭が鼻を突くことになる。
だから、われわれは蓋をしっかり閉じて、匂いが漏れないようにするのだ。
無意識には、このようにたくさんのゴミが詰まっている。臭いゴミがあると知っていれば、われわれはその蓋を開けたくない。誰でも、異臭を嗅ぎたくないからだ。
しかし、これでは根本的な解決になっていない。
それでは、どうすれば良いだろうか?ゴミ箱のゴミを処分する?それとも、ゴミ箱そのものを置かない!?
いや、違う。
根本的な解決法は、「ゴミを出さなければ良い」ということだ。
そうすれば、ゴミ箱も必要ではなくなるのだ。