グローバル・スタンダードの最高峰資格CFAとCFPを持つ完全独立のFP・資産運用アドバイザー尾藤峰男の書評ブログ

びとうファイナンシャルサービスはお客様の利益のみに目をむけた金融機関から完全独立のFP・資産運用アドバイザーです。

『ハイコンセプト』ダニエル・ピンク著(三笠書房)を読んで

2012-02-10 13:44:35 | 書評
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お知らせ情報
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-こうすればセカンドライフを豊かに過ごすことができる-

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これからの人生は、国の制度や周囲に頼ることはできません。自分でしっかり判断して、人生を切り開いていく必要があります。資産運用もまさにその通り。このセミナーで、人生を安心して過ごすことができる「正しい資産運用法」を、ぜひ学んでください。きっとかけがいのない時間となることでしょう。

~参加無料 限定10名~

日時:2012年2月25日(土)15:00~17:00
場所:TKP東京駅丸の内会議室ミーティングルームC(日比谷帝劇ビル地下1階)(最寄り駅:有楽町・日比谷駅)
http://tkpteigeki.net/access/index.shtml


申し込みは、下記メールまたは電話にて「2月25日セミナー参加希望」
として、お名前とご連絡先をお知らせください。
E-メール: info@bfsc.jp
Tel: 03-6721-8386


講師:尾藤 峰男 びとうファイナンシャルサービス代表取締役

講師プロフィール:
米国CFA協会認定証券アナリスト、CFPR、日本証券アナリスト協会検定会員、
1級FP技能士、金融機関から完全に独立したFP・資産運用アドバイザーとして、
個人の金融資産や退職金の運用助言・ライフプランニングサービスを提供する。
2000年当社設立。グローバルな投資理論や外国株投資・国際分散投資への造詣
が深い。日本経済新聞、週刊東洋経済、日経マネーなどへのコメント多数。日経CNBCにもたびたび出演。著書に「いまこそ始めよう 外国株投資入門」日本経済新聞出版社。投資助言・代理業として関東財務局登録。


◆このセミナーで「セカンドライフを豊かに過ごすための資産運用法」がわかる!◆

30年以上の経験と資産運用の頂点の資格を持つ、FP・資産運用アドバイザー
尾藤 峰男だからこそ語ることのできる「セカンドライフを豊かに過ごすため
の資産運用法」をお話します。

日本の将来が不透明で、先行き閉塞感がつのる中、老後や家族の将来はどうな
るか、一人で考えあぐねていても、解決の糸口はなかなか見つかりません。

証券会社や銀行に相談しても、本当に役に立つ情報は提供してくれません。自
分たちが売りたい商品のための情報しか話さないのです。

一度きりしかない人生を幸せに生きるためには、資産運用で失敗はできません。
金融機関から完全独立で、お客様の利益を最優先におくびとうファイナンシャ
ルサービスだからこそお話できることがあります。土曜の午後のひと時を、「
本当の資産運用とは」を学び、セカンドライフを豊かに過ごすために使ってみ
ませんか。



『お仕事帰り・休日の無料個別相談』サービスのご案内

弊社は、『お仕事帰り・休日の無料個別相談』サービスを実施しています。次のようなことでお困りの方、お悩みの方に的確なアドバイスをさせていただきます。

● 退職金が入ったが、どう(運用)したらいいかわからない…。

● お金はほとんどが、利息のつかない定期預金においてある。

● 自己流の運用のやり方でほんとうにいいのか、自信がない。

● 証券会社のいうとおりにしたら、株や投資信託で大損した…。

● 銀行や証券会社は、高い手数料の商品ばかり勧めるので、信用できない。

● お金の運用を、本当に信頼できる人に訊きたいが、誰に訊いたらいいか
  わからない。

● 大切な老後の資金を間違いなく、着実に殖やしたい。

● 仕事が忙しいので、お金の運用に時間はないが、それでもしっかり殖やし
たい。

● 今後の日本のことを考えると、海外に投資すべきだと思うが、どうしたらいいかわからない。

資産運用は、やり方によって大きな差が出ます。金融機関から完全独立のFP・資産運用アドバイザーが価値あるアドバイスを提供する「無料個別相談」をお気軽にご利用ください。

『お仕事帰り・休日の無料個別相談』スケジュール
毎週水曜日 18:30~
毎週土曜日 13:00~、15:00~、17:00~

なお、他の曜日につきましても別途調整いたしますので、ご相談ください。
完全予約制ですので、事前に下記までご氏名、ご連絡先をお知らせください。
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『ハイコンセプト』ダニエル・ピンク著(三笠書房)を読んで


この本は、右脳重視を前提に「六つのセンス」を伸ばすことが成功への道を開くといっている。

・ 「機能」だけでなく「デザイン」
・ 「議論」よりは「物語」
・ 「個別」よりも「全体の調和」
・ 「論理」ではなく「共感」
・ 「まじめ」ではなく「遊び心」
・ 「モノ」よりも「生きがい」

たとえば、「物語」のところでは、人間は論理を理解するようにはできていない、人間は物語を理解するようにできているという。-今の時代は、誰でもすぐにタダで検索できる時代だから、一つ一つの事実の価値は低くなってしまう。そこで、それらの事実を「文脈」に取り入れ、「感情的インパクト」を相手に伝える能力が、ますます重要になってくる。そして、この「感情によって豊かになった文脈」こそ、物を語る能力の本質である。-

いいたとえ話(比喩)ができる人は、全体思考的能力が高いという。豊かな時代には、斬新で人をひきつけるものを考案し創造できる人が、もっとも多額の報酬を得ることができる。その意味で、比喩を作れる能力が不可欠だという。

要は、物質で満たされた時代には、右脳的感性がますます必要になってくるということだ。


『ハイコンセプト』ダニエル・ピンク著(三笠書房)

『ローマ帝国衰亡史 上・下』エドワード・ギボン著(PHP)を読んで

2012-02-09 10:58:52 | 書評
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『ローマ帝国衰亡史 上・下』エドワード・ギボン著(PHP)を読んで


18世紀の歴史家が著わしたローマ帝国1500年の歴史。史上最大のスペクタクルといってよいほど、スケールが大きい。東ローマ帝国が滅びたのは1453年、ギボンがこの書を出版したのは1776年であるから、300年余りが経過している。それをわれわれが、出版後230年で読んでいるわけだ。

叙述が生き生きとして、プルターク英雄伝にも似ている。またこの書は、膨大な歴史資料に基づいて書かれていて、記述が正確だ。20年の歳月をかけ書き上げただけのものはある。なお、この版は、原本10巻の抽出版であることをお断りしておく。

原題は、The History of the Decline and Fall of the Roman Empireである。盛衰記でないところが興味深い。この本を読むと、国家がどうして栄え、どうして没落していくか、そしてまたどうして盛り返してくるか、さらにはどうして長く国家が存続するかが1500年の時の中でわかるのだ。ローマが没落した最悪のときには、ローマの人口は数千人しかなかったという。

賢帝により国は栄え、愚帝が続くと国は傾き、滅亡に向かう。当たり前のようだが、その時に生きた人びとにとっては、只中にいるため、なかなか立ち位置が測りにくいようだ。ローマ帝国は、東ローマ帝国が滅亡するまで1500年にわたり存続した国家である。いまの日本も、景気とか外交などという表面的なものではなく、もっと長い時間の流れの中で捉えると、国家の盛衰という視点が出てくる。

ここで期待できるのは、やはり、どの時代でも人である。日本も急展開を図るには、ここに期待するしかないだろう。さもなくば、破綻を待つのみといってよい。

この書を読むと、たいへんよい充実感を覚える。いちいち史実を覚える必要はないので、国家という観点や人間の諸行動、歴史の流れというようなことを感じられるこの書を手にとって見ることをおすすめする。


『ローマ帝国衰亡史 上・下』エドワード・ギボン著(PHP)


『ヘンリー・フォードの軌跡』ヘンリー・フォード著(創英社)を読んで-No.3

2012-02-07 11:26:45 | 書評
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『ヘンリー・フォードの軌跡』ヘンリー・フォード著(創英社)を読んで-No.3


(フォード時評)
・ 成功は、えこひいきしない。

・ 成功は模倣では得られない。成功とは、みずから創造するものだ。成功とは独創的なものだ。

・ 成功した人物について、さまざまに検討することは賢いことではないし、その人物の真似をするのはもっとも愚かなことだ。それは、その人物の表面的に見える姿や資質というものは、彼が成功した理由ではないことが多いからだ。そして、その人物の成功の秘密は非常に優れているために、その人の内部に隠されているためだ。

・ 産業や企業の世界では、金銭的な成功が不可欠である。さもなければ、企業を続けることも、新しい事業を始め新しい雇用を生むことも、そしてより良い賃金を払い、人々の幸福に貢献することもできないのだ。

・ 成功した人物を見れば、彼らがみなごくふつうの人間であり、ただ成功を手にするように努力し、みずからを適応させてきただけなのがわかる。

・ 成功は勤勉がなくてはありえない。それは、精神、頭脳、みずからの手を動かす労働の集中であり、みずからが望むことに対してすべての力を投げ出すことである。

・ 限界は障害ではなく、道標である。

・ 限界は、前向きに、肯定的に捉えるべきものだ。できないと考えるのではなく、できると考えるべきだ。人間のエネルギーが、一生の目標である限界に向かって力強く流れるならば、成功への機会に恵まれる。こういう意味での限界は、人を正しい道に導き、横道にそれるのに警告を発する道標だ。

・ 人は、その好みと能力という神から与えられた性格の中でみずから進む方向をもっている。できないと考える事柄は、同時にできる事柄を指している、といってもよい。みずからが行った失敗は、成功のチャンスのある方向を示している。

・ 限界というものが存在することは、すべての人が経験的にわかっているが、それは障害としてではなく、親切な暗示として存在していると考えるべきだ。われわれが限界や制限と呼ぶものは、それをすばらしい暗示と考える限りよい目標となる。そうでなければ、目標は達成することはできないし混乱したものになってしまう。


(自分への評価の捉え方)

・ 自分のやったことへの評価を過剰に気にする人は、少なくともたいした人間ではない。

・ みずからの配慮、信頼性、誠実なプライドや力が仕事に注入され、それによって一層そういったものが自らの中に深まっていく。そしてそのようなものの輝きは、長い間隠されることはないもので他の人々の目を引くことになる。つまり評価は単なる作られたもの(仕事)にあるのではなく、その人自身にあるということだ。

・ もし人がみずからの仕事の質にみずからの将来を託す誠実さを持つならば、報われるチャンスは大きい。

・ 誠実さの強さは、それ自体報われるのを期待しないところにある。報われるのを求めるのではなく、誠実さの強さは、それ自体で価値のあることを求めるのだ。

・ 評価されるかどうか自分ではわからない事柄を行うことによって、自分にとって決して損失にならない何物かを行うことになるのだ。つまり決して隠してはおけない一つの資産を身につけることになる。

・ 人の中に見受けられる共通した誤りのひとつは、評価をあまりにも気にする点にある。気にしすぎては駄目なのだ。

・ 結局、われわれ人間は、みずからの生活を神の手にゆだねざるを得ない。

・ 価値のある、調和の取れた企業とは、ひとつの目的に向かって進む、つまり成り行きではなく、目標に向かって進む組織である。

・ 人の価値をどうやって測るのか。その人の能力によって決める、あるいは、好き嫌いというその人の持つ人間性によって決めないというのが、答えとしよう。

・ 本当の指導者、リーダーは、計画と実行の優れた人物であり、彼らは、肩書きを持っているとは限らない。肩書きを持った本当のリーダーは、みずからの肩書きを自慢するようなことはしない。

・ 不況の時期は、事業にとっては良い時期なのだ。起りうる最良の事柄はゆっくりやってくる。不況は商売にとって祝福すべきことなのだ。商売での弱点が浮かび上がる。

・ 貧しさは依然として最高の事業要綱だ。昔のアメリカ人の節約と勤勉の精神は不変なのだ。

・ 事業の成功は、奉仕によって人々と関係することにあり、向こうからやってくる人々だけに顔を向けるということはない。

・ われわれが“きびしい時期”というものは、経済的に“好況”の始まりなのだ。つまり、不況期は古い時代の終わりであり、新しい時代の導入期なのだ。

・ 節約は浪費といえる。それは人生の喜びや活力を無駄にしているからだ。

・ 人生で人々が犯す最高の罪のひとつは、ものを誤って使うことにある。

・ 余裕を持つことは、正しく望ましいことだ。

・ 若い人たちは、節約する代わりに投資すべきだ。自身の創造的価値を高めるために、そうしたあとで収入の一部を貯めるべきだ。みずからをより生産的にしないのは、節約ではない。究極のみずからの資本を無駄にし、みずからの投資価値を低下させることになる。

・ 使用は前向きであり、活力があり生命を与えるものだ。

・ 人は、物質的に多くを得ることができると同時に、使用によって、より多くの精神的なものを得ることができる。


『ヘンリー・フォードの軌跡』ヘンリー・フォード著(創英社)

『ヘンリー・フォードの軌跡』ヘンリー・フォード著(創英社)を読んで-No.2

2012-02-06 09:59:42 | 書評
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『ヘンリー・フォードの軌跡』ヘンリー・フォード著(創英社)を読んで-No.2


1929年の大恐慌のときも、人員カットせず給料は上げ従業員はなんの痛手も被らなかった。企業が大きくなるのは、その経営者のビジョンの大きさによるということが、フォードをみているとよくわかる。いまの日本の経営者が、まさに見習うべき言葉の数々がここにある。


・ 需要はみずから生まれるものではなく、作られるものだ。

・ 年齢が問題ではない。経験と学ぶ能力だけにある。常に学び続ける人は、若さを保てるばかりでなく、肉体的能力とは関係なく、常にその価値を高めているものなのだ。

・ 男性でも女性でも、その価値は生きてきた年月とは関係ない。みずから進んで働き、前向きに進もうとする人たちにはチャンスがあり、その価値は高い。仕事もせず前進する努力もしない人間の居所はない。ただ、みずから進んで働くだけでは十分とはいえない。単に前向きというだけでも十分ではない。この双方が組み合わされなければ、いずれか一方では役に立たないものだ。

・ 繁栄の基礎は家庭にある。

・ 金を貸す側が目立って成功するような事業システムは、本当の繁栄をもたらすシステムではない。

・ 守銭奴に近い極端な倹約は、自由にお金を使うことより大きな社会悪である。

(若者たちへ)
・ 思考するということは創造することであり、物事を分析することでもある。思考することは、物事をその要素に分解し、それを分析し、そして再び組み合わせることでもある。考えるということは、根源まで掘り下げる仕事であり、より高い知見の助けを借りることでもある。考えることで事実を知り、事実は、より掘り下げることで見出せる。

・ 整頓された工場や工具類、正確な計器、精密な生産方法が、円滑な仕事や、効率の良い機械を生み出す。明確な考え方、清潔な生活、正直な行動が生産活動でも家庭生活でも成功する基本であり、おのおのに関連する人々の助けとなるのだ。

・ 人生の深い本物の知恵というものは、書かれたものではない、他人から教えられることのできない、みずから学ぶべきものの中に多くある。経験を通じて育つものであり、かつ、みずから理解し、認識できるものだ。

・ 人間には、考えるための暇な時間的余裕が必要であり、世の中のためには考える人間を必要とする。

・ よく調整されたアンテナには、それに合った波長、考えが受信される。良い考え、アイデアを得るには、それが受信できるようにわれわれの側に意識的準備が必要だ。

・ 問題の発生は人間の知性への挑戦なのだ。問題というものは、それが解決されて始めて解決者に対価が与えられる事柄なのだ。問題を避けるのではなく、進んで問題を受け入れるべきだ。そして、解決のための正しい思考によって問題から利益を得るのだ。

・ 人は、どんなに多くの学位を大学でとっても、考えることをしなければ、教育された人間とはいえない。物事を常に考えている人間が物事を成し遂げることができるのだ。

・ 満足な人生とはみずからの能力を最大限に発揮することにある。その成功により、ますます大きく、ますます良くするように、その能力を、広く、深く伸ばしていくことだ。成功にとっての二つの大きな障害は、恐れとプライドである。恐れについて、注意深く分析したり、その原因を追求することは、多くの場合、その解決方法を明らかにし、恐れや、その原因といったものが、いかにくだらないかを示す。産業の再編成に対する反対はプライドから生じる。成功するための運営の基礎を築こうとする場合、変えなければならないことの10中9は、人々の無意味なプライドに起因する。人の持っているプライドは、通常、間違ったことに対するプライドであることが、少し観察すればすぐわかる。

・ プライドは、それを抱く人間を惑わし、その影響がすべての人間の障害になる。プライドは、それまで役に立っていた経歴を無駄にしてしまう。みずからのやり方、考え方の虜になるとき、そして、それを一番重要だと決め込むとき、また、自分の考えに対する批評に腹を立て、自分中心の考え方に傾倒するとき、その人間は退歩の道をたどることになる。

・ いかに多くの知識層が、分析に精力を使うのではなく、単にあら探しの域にとどまっているかに私は驚く。

・ 時期の到来の徴候を読み取ることは、すべての人間に開かれた情報収集の方法である。知恵の二つの本質は、根本的なことを知ることと、その発展を知ることである。
・ あるものを見るということは、そのものを看破する事だ。表面の動きは、ごく小さなものなのだ。われわれは遠い昔の結果として今日というものを見ていることになる。そして遠い将来の根は、現在では隠れていてわれわれには見えない。表面の動きのすべてを本当に見ることができる人間が、将来を知ることができる。

・ 問題を解決するのは、評論する人ではなく、実行する人、行動する人である。実行できない人は、物事を率直に考えることができない。怠惰で、精神がゆがんでいるのだ。手を実際に使うことが、頭脳を活性化するという事実に耳を傾けないのは実に不思議なことだ。建設的でないことを、あれこれ考え込むのは、一種の病気である。そのような人間は不正直であり、見方が偏っているのだ。


『ヘンリー・フォードの軌跡』ヘンリー・フォード著(創英社)

『ヘンリー・フォードの軌跡』ヘンリー・フォード著(創英社)を読んで-No.1

2012-02-03 13:00:08 | 書評
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講師:尾藤 峰男 びとうファイナンシャルサービス代表取締役

講師プロフィール:
米国CFA協会認定証券アナリスト、CFPR、日本証券アナリスト協会検定会員、
1級FP技能士、金融機関から完全に独立したFP・資産運用アドバイザーとして、
個人の金融資産や退職金の運用助言・ライフプランニングサービスを提供する。
2000年当社設立。グローバルな投資理論や外国株投資・国際分散投資への造詣
が深い。日本経済新聞、週刊東洋経済、日経マネーなどへのコメント多数。日経CNBCにもたびたび出演。著書に「いまこそ始めよう 外国株投資入門」日本経済新聞出版社。投資助言・代理業として関東財務局登録。


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『ヘンリー・フォードの軌跡』ヘンリー・フォード著(創英社)を読んで-No.1


あのヘンリー・フォードの自叙伝だ。大変誤った印象を小生はもっていて、T型フォードを「いけいけどんどん」で大量生産し、大もうけした人物とみていたが、大きな間違いだった。非常に優れた高潔な経営者である。いわばアメリカ版松下幸之助といってもいいだろう。フォードの考え方は、いつの世にも通じる人間のあるべき姿が述べられている。


・ 初めに良いアイデアが出れば、さらに新しいアイデアをいろいろ探し回るのではなく、初めのアイデアを完成することに集中するほうがよい。

・ 考えを人に伝えるには、言葉より図で説明する方がはるかに早い。


(事業に取り組む上での心構え)

・ 金というものが仕事以前にあれば、仕事そのものを駄目にし、奉仕の基本を壊してしまう。

・ 仕事より先に金について考える時は、失敗のおそれを生み、それが事業の妨げになる。

・ 奉仕をまず考え、仕事をできる限り最善の方法で行う人には、必ず道が開けてくる。

・ 価格は、生産者の経済性が向上することによって下げられるべきで(これは大変重要なことだが)、価格に大衆が満足しないための需要低下によって下げられるべきではない。

・ 事業を作り上げるには非常に多くの人の助けを必要とする。事業は共同作業で得られるもので、その共同作業に携わった一人ひとりが貢献しているのだ。

・ 1人の人間は自分の力だけでなく他の人の力を借りて初めて一人前になる。

・ 自分の仕事は賃金を得るためだけのものではなく、生活に快適さを与え、自分の子供たちへ将来のチャンスを可能にし、妻にも生活の楽しみを与えるためのものであると考えれば、仕事というものがすばらしいものになる。

・ 生産者が成功するには、その消費者に奉仕する能力が生産者に必要なのだ。

・ 大きな事業とは財力ではなく、奉仕の力の大きさで決まる。

・ 事業家が借金してよいときは、金が要らないときだ。

・ 金を使う原則は正しく使うことである。


(私の信条)

・ 将来に対する不安を持たないこと、そして過去に対する崇拝の念を持たないこと。

‐将来を恐れ、失敗を恐れる人は、みずからの活動が制限される。失敗は、再度知性を持って挑戦する機会なのだ。一生懸命やって失敗するのは恥ではない。失敗を恐れるのは恥である。

・ 競争の無視
‐物事を最良にしようと考える人は、自分自身でそれを実行しなくてはならない。他人から仕事を奪うような競争は罪悪である。

・ 利益以前に奉仕がある
‐利益がなければ事業は発展しない。しかし利益は事業の基礎ではなく、その事業の結果でなくてはならない。

・ 生産とは安く買い、高く売ることではない
‐原料を正当に購入し、可能な限り少ない追加コストで、それを消費財に転換し、消費者へ製品を分配するプロセスが生産だ。

・ 広い大きなビジョンを持つ人は自然と他を押さえてしまう。

・ 事業は大衆によって作り上げられてきたのであり、したがって事業の第一の責任は大衆のために果たさなければならない。

・ 本当の事業は、その顧客を創造することなのだ。

・ 「それはできません」ということに対する挑戦から始まった。

・ 標準を定めるには十分な時間を取るべきである。

・ 産業の真の目的は、働く人がみずからその一部である大衆に奉仕することにあり、品質の良い価格の安い品物で世の中を満たすことによって、人々を苦難から身も心も自由にすることなのだ。

・ 産業はすべての可能な方法で、社会に対して資源を節約する責任を果たす必要がある。

・ 改善とは、コストを下げ、市場を大きくし、賃金を高くし、そしてより多くの仕事を作り出すことなのだ。


(事業の基本原則)

・ 製品を市場へ送り出すために可能な限り最良品質の製品を、常に大量生産し続けること。そして生産をもっとも経済的な方法で行うこと。

・ 常に高品位、低価格、低コストの実現に努力すること。

・ 賃金を徐々に、しかも着実に上げること。決して下げないこと。

・ 消費者に、製品をもっとも経済的な方法で供給し、生産コストの低下のメリットを消費者に還元すること。


『ヘンリー・フォードの軌跡』ヘンリー・フォード著(創英社)

『商経-無一文から一兆円を稼いだ中国商人の教え』史源著(インプレス)を読んで-No3.

2012-02-02 11:30:02 | 書評
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『商経-無一文から一兆円を稼いだ中国商人の教え』史源著(インプレス)を読んで-No3.


胡雪岩の商売の真骨頂が出てきている。いつの世でも変わらぬ真実だ。

・ 名を知らしめる戦略が必要だ。-よい名声を築くためには、方法も工夫しなければならない。名声を築くという目的のためには、場合によっては計略を使ってもよい。

・ 潜在的な顧客に知ってほしいことは、わざと知られないようにする。言い換えれば、その人に知らせるという目的のためには、わざと知らせたくないふりをする。-胡雪岩の計略の中核である。

・ 好奇心という人類共通の普遍の特性をうまく利用したからこそ、胡雪岩は成功することができた。

・ 「昨夜、薬の神様である桐君老人が私の夢枕に立ち、龍虎丸の調合の秘訣を伝授してくれた」と胡雪岩が言い出した。

・ イメージ戦略を重視し、ブランド品をつくれ-店名や看板に工夫を凝らす。重視するポイントは二つ。まず自分の店ならではの独自のブランドを開発する。次に、誠実な対応で顧客の信頼を高める。口コミで評判はいやがうえにも高まっていく。

・ 誠意を持って人の心を動かせば、相手も同じことをしてくれる。

・ 人材は富を運んでくる。人材を入れたければ、まず人心を洞察する慧眼を持たなければならない。

・ 協力関係にあるパートナーに対しては、『金銭勘定』だけでなく、『人情勘定』もつけるべきだ。金銭勘定の裏にある『人情』は、金銭よりももっと重要だからだ。

・ 「金銭勘定」と「人情勘定」が両立できないときは、胡雪岩は常に後者の人情を第一に考え、人情のためにはたとえ金銭を犠牲にしてもかまわなかった。

・ 金銭だけを細かく勘定する人は、少しは利益を得られるが、大きな成功をおさめることは難しい。

・ 商売を成功させるには、厚い情を持って全力を投入しなければならない。これを商売の心といい、このような“心”は12文字の経営哲学で概括できる。〝和気生財〟〝彼此互恵〟〝利益均分〟

・ 商売を伸ばすためには、世事や人情をよく心得、人間学についても達人でなければならない。

・ 自分の利益だけを追求していては、必ず行き詰る。他人の利益も配慮してやる必要がある。「情けは人のためならず」-人のためにしてやることが、やがて自分の利益に帰ってくる。

・ 利益追求の中にあっても、「世のため人のために」を忘れるな。


『商経-無一文から一兆円を稼いだ中国商人の教え』史源著(インプレス)

『商経-無一文から一兆円を稼いだ中国商人の教え』史源著(インプレス)を読んで-No2.

2012-02-01 10:05:08 | 書評
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『商経-無一文から一兆円を稼いだ中国商人の教え』史源著(インプレス)を読んで-No2.


・ 商店は礼儀をもって客に接し、徹底したサービスを提供してこそ、客を集め、金を稼げる。

・ 利益と危険を同時に見つめながら、果敢な決断を下すことができる能力が事業の成敗を左右する。

・ 思うに幸運というものは、1日に14時間、1週間に7日、仕事に没頭する人々の上だけに降ってくるのである。

・ 金を稼ぐ本当の魔術がある。-『君子は財を好むも、道を持ってこれを求める。』 実際の事業では、『道』の中に手腕も含まれている。手腕とは、いわゆる技術的な能力のことだ。

・ 巨大な富を蓄積した成功した経営者たちは、「借鶏生蛋」という特殊な能力を積極的に活用している。

・ 「謀」 とは、戦略戦術である。駆け引きといってもよい。これには二つの種類がある。一つは、人をだましたり陥れたりするような駆け引きであって、これを使ったのでは、いずれ身の破滅を免れない。もう一つは、人を生かし自分を生かすための駆け引きである。こちらは事業を伸ばすために必要とされるもの。

・ 一度立てた計略は親にも教えない-商売を『手活』に営む上で重要な要素は、策略をめぐらし、手立てを講じることである。商売においては、頭を使わなくてはならない。自分がまず頭を使わなければ、誰かが先に策略をめぐらし、手立てを講じて商売の主導権を握ってしまうからだ。商売をする人は、必ず敏捷で効果的な策略と手立てを駆使する必要がある。またその策略と手立ては、必ず優れて絶妙でスキのないものでなければならず、決して安易に手軽な策略を使ってはならない。さらにもう一つ重要なことは、策略をめぐらし手立てを講じるときは、考えの幅を広げなければならない。あらゆる要素を考慮して、念頭においてこそ、真の『手活』と呼べる。

・ 戦略的な目を持つ実業家の成功の秘訣は、その誠実さと信用であり、市場のニーズを的確に満たすことである。決して人をだますことではない。

・ 『誠実招来天下客、無欺誉攬万人心』

・ 信義と誠意を持って客に接すれば、顧客も安心して任せてくれる。そうすれば顧客はますます増え、商売もますます繁盛する。しかし、誠意というのは決して馬鹿正直になることではない。一流の製品が消費者に認められない、あるいは売れ行きが伸びないときは、「詐を持って誠実を売る」という経営戦略も試みるべきだ。誠意を持って客に接するのも、知恵が必要だ。

・ 企業にとって利益追求は一時的な目的に過ぎない。企業を長期的に発展させるためには、社会の発展と結びついた経営を行い、よりいっそうの社会責任を負うべきである。

・ まず、金看板を築けば必ず繁盛する-実益も名声も手にすることができる。究極的には、名声と利益は同じものである。

・ 商売においては、まず名声を求め、その後利益を追求するべきだ。

『商経-無一文から一兆円を稼いだ中国商人の教え』史源著(インプレス)