『「アパート事業」による資産形成入門』大谷義武著（幻冬舎）を読んで

この本は、まさにタイトルのとおり全般にわたるノウハウについて、親切丁寧に書いている。全体に大変わかりやすい。まさに実際にアパート経営をしてみようか、あるいはアパート経営とはどういうものかを勉強してみようという向きには、最適な本だろう。この本だけで踏み切ってしまうのはやや危険だが、何冊か読む本の中の一冊としては、入れておくべき本だ。

ただ、かなりの借金をしてアパート一棟を買うとなると、億を越える投資になるからそこは慎重な姿勢が求められる。なにより何棟も買うわけには行かないので「分散が効かない」恐れがある。

キャッシュフロー的視点は、まさにアパート投資には重要であり、いわゆる収益還元法による収益評価が日本に広まってきたのはいいことだ。その意味で賃料収入による収益をベースとする事業が認知されてきたことは、大変好ましい傾向だ。ただやはり売却せざるを得なくなったときの売却価格という面は、一方で常に意識しておく必要があり、その面でのリスクは当然考慮に入れておくべきだろう。

いずれにしても、この本は大変丁寧にアパート経営を全方面から著していて、参考にできる本だ。

『「アパート事業」による資産形成入門』大谷義武著（幻冬舎）