京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2022年2月 京都童心の会 通信句会結果 前半

2022-03-11 07:52:56 | 俳句
2022年2月 京都童心の会 通信句会結果 前半
【選評】
○金澤ひろあき
特選 34 国違う友の知らせや酒のあて  青島巡紅
 なかなか会えない異国の友。しかし、大切な存在です。その人とつながる喜びがしみじみと出ています。
 その他、印象に残った句です。
5 ふっくらひらがなひとたびぴえろ   野谷真治
 ひらがなが踊り出してピエロになる。童話の世界が現れます。なんだか懐かしいせか伊賀、心の中で絵になります。
30 火星から来た隕石の糸電話     青島巡紅
 ふだんは忘れがちですが、私達と宇宙のつながりを思う時があります。直接話せる「糸電話」が言い得て妙ですね。どんなお話になるのでしょう。
38 赤切れや母の指思いセーター編み  野原加代子
 たぶん昭和の頃でしょうが、遠い昔の懐かしい時に心が戻ります。母の思い出は切なさとともに暖かいですね。
45 切り口に根命つないで春を待つ   三村須美子
 生け花の切り口に根が生じています。土に挿すと根づくのではないか、そんな気にもなります。生命の力、営みに感動があります。
57 室の杜氏シャツ一枚の寒造     中野硯池
 酒造りで働く杜氏の姿が「シャツ」を描くことでリアルになりました。その現場の匂いまで伝わってくるようです。
66 きさらぎは季が去る二月のことわざか 蔭山辰子
 「きさら」と「季去ら」、音の類似から気付いたこと。実感。気づきや実感は詩になりますね。
77 悪霊も屁っ放り腰を温めて神社の焚火 白松いちろう
 寒い中、悪霊もほっと一息という空想がユニークで楽しいですね。
○岡畠さな子特選
23 おでんこんにゃくダンスしている箸の平和 金澤ひろあき 
○白松いちろう特選
24 醤油の香 私の中にある日本     金澤ひろあき
 毎日の食卓に醤油を欠かすことはできません。一滴の醤油が自分の中にある故郷・日本を呼び覚ましてくれます。海外の旅でも、勿論この香がパスポートを証明してくれるのです。
○三村須美子特選
67 昨日まで冬の風今日は春の陽当り  蔭山辰子
 2月に入ると寒さも底をつき、空は青空が多く光の明るさと言うか、輝きが強まってくる。まさにこの句のように寒い北風、春の陽気が交互にやって来て徐々に春に向かっているのですね。 
○蔭山辰子特選
14 争いのない国はないか社会科教室の地球儀  金澤ひろあき
 北京オリンピック終わったと思ったのも束の間、ウクライナ攻撃のニュースに身を振るう恐ろしさを覚えます。「争いのない国」の地球儀を若い人たちにさし上げたいです。
 パラリンピックも大禍なく行えますように願います。
○野原加代子特選
60 唇の切れそな水菜サラダかな  中野硯池
 冬に食べるサラダは身体が冷たくなりますが、冬野菜は甘みもあり、味は抜群です。身体に良さそうな食物を食べるのも一苦労です。
○野谷真治特選
14 争いのない国はないか社会科教室の地球儀 金澤ひろあき
 ロシアがウクライナに侵攻を始めたと、ニュースが伝えている。
 地球儀を回してみた。もう一回、ただ、回して、しばらく見ていた。


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