京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2024年8月 京都童心の会 通信句会結果

2024-09-29 15:46:41 | 俳句
2024年8月 京都童心の会 通信句会結果

時が残ってしまった所
          金澤ひろあき
 世の中に常は無い。多くの別れを体験した後は、身にしみます。それだけに、時が残ってしまった所に行ってみたくなったのです。
 三重県の関という町は、旧東海道の町並みがよく残っていると聞いたので、訪ねてみました。
 知り合いの親切なNさんと二人旅。JR草津線で柘植(つげ)まで。柘植で関西本線に乗り換えます。これも旧東海道のコースとほぼ重なります。もっとも、江戸の人達は歩きですから、私達はずいぶん楽をしています。
 関西本線は単線で電化しておらず、二両のディーゼル車で山の中の線路をたどります。このゆっくり感が良いのです。
 関駅の観光案内所で地図をもらい歩き出したら、まあ何と気づかずに関宿を通り越していました。どんどん山の方へ行く。こりゃおかしいと引き返します。駅からこんな近くにあるじゃないですか。
  地図通り行って迷子の関の宿  ひろあき
町並みに戻り西へ。鈴鹿峠の方向へ向かったのですが、町並みが江戸風にきっちり揃っています。暑いせいか、人もあまりいない。静かに古い町並みを歩くって贅沢ですよ。
 まちなみ資料館に入り、座敷や蔵、井戸や庭等を見て回りました。けっこう広いので、うらやましい。
  木の階段まあ休みなされ夏の旅 ひろあき
 関の郵便局も周りに合わせて作っています。昔の高札場(公の知らせを書いた板を立てた所)跡にあり、場所的にも似合っています。
 玉屋という大きな旅籠だった所が資料館になっています。蔵の中に広重の浮世絵がありますが、撮影はダメ。ちょっと残念。
 お昼はNさんと近くの店でおこわと蕎麦。くつろぎ過ぎていたら、夕立が来そうに。
  夕立を打ち水とする旧街道 ひろあき
皆さんの選です。
 選者 真・・野谷真治  白・・白松いちろう 修・・遠藤修司
  辰・・蔭山辰子  ひ・・金澤ひろあき 須・・三村須美子
    さ・・岡畠さな子 加・・野原加代子 真理・・岡畠真理子
    芳・・松村芳子  す・・塩見すず子

○野谷真治
1 まっすぐまがっている國の新札 (特 ひ)(特 す)
2 神奈川県民蒲団の中の都知事選
(2は誤字がありましたので訂正しておきます。すみません。)
3 蕎麦湯待つ梅雨明け  加 辰 真理
4 無口の人陽炎したたる 修
5 陽射しの切取線猫昼寝 修 須
○塩見すず子
6 トタン屋根熱さに負けぬ猫の恋 加
7 売れ残り 3人句会へ茄子届く 真
8 整理した鶏頭の花墓に挿す 修
9 熱さの急流をのりきり笑うぞ 須
10 熱さの急流 まっ赤な鶏頭を活け ひ 辰
○松村芳子
11 踏み外す事なく去りしはたた神
12 米寿旅吊橋大揺れ運、不運  須 す
13 独り居の日高き夕餉明日へ生く (特 加)真
14 確かなる西瓜の旨さ自作自賞 辰 真理
15 顔作るしわ知る暇日里の盆
16 庫は炎暑コップ酒飲む唇甘し 修
17 暑中見舞 癖ある友の文字弱し (特 ひ)(特 修)辰 真 す
18 人の世の常をまっすぐ鶏頭立つ (特 辰)(特 須)す
19 初茄子や紫紺つやつや人も尚  加 真理 す
20 背を曲げてこぼれし種を白鶏頭
21 着駅は余儀なき未到 鶏頭は白 須
22 支え合う人を真似たく鶏頭活け
○蔭山辰子
23 デイサービスヘルパー利用者みな仲間 加 芳
24 この歳で知り合えた人皆やさし 加 芳 真理
25 風邪を引き来るべき時か?ただの気管支炎 ひ 須
26 あらいやだ娘一家も同じ風邪 修
27 唐がらしパラパラふって夏うどん 加 真
28 とうもろこしプツプツ甘く楽しみて
29 よくやった石丸君の新時代    す
30 若い人生めよ増やせよ今私の願い
31 賢さも美しさもやはり安定も 芳
32 情熱も時にはヒステリックに聞こえたり 須
33 ただ待つだけ9月10月涼しい日 加 真理
○遠藤修司
34 「知りあいは奥様のことを母さんと呼ぶ うらやむ私」 辰
35 「ジビエ食べしかとたくさん話をす うれしき契り悲しい別れ」 ひ 須
36 「星座大好き青島さん 星になったね」辰 真 須
37 「いいですね!その一言が励みでした」辰
38 「他人の事をけなしたり阿呆アホ」と言う「おまえ一番カスやで」
39 「気候変動有り難い雨 一度にたくさん降らないで」 辰 須
40 温度計危険表示の四十度 そのタイミングで「アイス」を出して 真理
○金澤ひろあき
41 ぬいぐるみ捨てると思い出消えそうな 芳 す
42 夕暮れの百合はゆらゆらする未来   加 真 修 芳 須 す
43 僕を知る人なくなって行く代筆のペン字 修 須
44 病院の椅子の固さ 時間が止まる 真 芳
45 若ければ熱い議論の酒だった   芳
46 傘越しにこの世の声をそっと聴く 真 芳
47 大きなハテナ今日もキラキラ光る目が 須
48 空家とともに消えた灯萩の花   加 修 芳 す
49 猛暑の蓮 たった一人で逝った友 (特 芳)加 真 修 須
50 思わず居眠り単線列車の振動音  (特 真理)加
51 木の階段まあ休みなされ夏の旅 (特 真)芳 真理
52 熱中症アラートぼんやりついているテレビ
53 スケッチのモデルの茄子の光る肌 真 修 須
54 百年の恋の紅鶏頭花 加 芳
○野原加代子
55 蝉鳴きて孫と歩きて耳澄まし 真理
56 夏帽子今年も被り母想い  ひ 辰
57 食卓に食べて嬉しや初茄子を 真理
58 夏菊を供え仏壇に命日や  辰
59 大暑かな水浴びる子ら笑顔出し
60 アイスティ喫茶店にて一人飲み 真
61 風涼し日陰探して木の下や 真理
○三村須美子
62 新入りの赤子猫にもご挨拶 芳 ひ
63 カラスさえ外出控える暑さかな 真 修 芳 真理 す
64 冷房の止まって暑き夜明け前
65 こだわりの一つづつ減る介護かな (特 ひ) 加 真 修 芳
66 ブロック塀の朝顔焦げて枯葉となりにけり
67 握りしめ体いっぱい泣く赤子  辰 真 芳
68 泣く赤子の声の分かりて応う母 辰 修 ひ
69 醒ヶ井に涼を求めてます料理  辰 
70 理由はとやかく殺し合うなよ原爆忌 辰 す
71 今か今かと雨乞いをするトマトかな 加 真 修 真理
72 鳥より早朝いちじくのつまみ食い 修
73 音響く何処かでやってる遠花火  加 辰 真理

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