京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
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「さんしょ」180を読んで

2023-06-14 17:48:55 | 俳句
「さんしょ」180を読んで
              金澤ひろあき
 お世話になっております。今年も新茶をありがとうございます。
 もう新茶の季節なのですね。実は4月に急に異動を言われ、直後に父が亡くなり、慌ただしくしておりました。コロナの期間中に失ったもの、別れたものの多さと大きさを感じています。
 幸い、俳句という表現手段があるので、救われているのかもしれません。
 「さんしょ」180より、
○沢山の穴開いて来た残り時間で閉じれるか 鈴木和枝
 私も、うっかりを含め、日々穴だらけです。体の不調も増えて、どうにかしょうという意識も次第に薄くなっている感があります。それだけにこの句、他人事とは思えないのです。
○病む足ひっぱってみる桜笑ってた 山口美代子
 ままならないものを抱えている時。それは心であったり、体であったり、対人関係であったりと色々ですが、自分や他者を見つめるきっかけになったりもします。私の場合、病んでいるのは、足ではなく目ですが、この句も他人事ではありません。ままならない足をひっぱってみる。動いてほしいと言わんばかりに。その時感じた「桜の笑い」は、どんな笑いだったのか。考えると心がふるえてくるのです。
○茶畑の平行直角日本人 細川章恵
 京都も静岡もお茶どころ。綺麗に整えられた茶畑の区画が、平行と直角。心を尽くした丁寧さと日々の仕事の尊さを思います。
○青い空さくらの乳房ふくらんだ 山川遊狐
 作者は山形県の方と聞きます。「さくらの乳房」は、ふくらんでいるつぼみをさすのでしょうか。北国の人の、冬を終え春を迎える喜びが、こんな鮮やかな一語で伝わってくるのです。
※俳句誌「さんしょ」発行 静岡県島田市 鈴木和枝様 


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