まいらいふ

田舎の日常を楽しいことだけピックアップしながらボチボチお届けしてます。一生懸命でドジな田舎のおばちゃんの毎日です。

おばあちゃん

2010年02月19日 | Weblog
一時

今日も寒い日となりました。
明日からは少し暖かくなるそうです。
だんだん春が近づいております。
気温の変化が激しいので体調には気をつけねばなりません。
ボチボチ花粉の症状も出てまいりました。
みなさまはいかがですか?
これから5月くらいまでは我慢我慢の季節です。

今日のフィギアスケート高橋選手銅メダルおめでと~。良かったわあ。

今日はこの本のご紹介~。



何気なしに買った本でしたが、とっても良かったのです。

この本は8編の短編集ですが、いずれも40代、50代の主人公が出てくる。
自分よりも少~し年輩の方々のお話だけども、共感出来るところが多々あって、どのお話にも最後にはほんわかと安心できる結末になっていて、読後には気持ちよ~くなっていた。

特に最後の1編にとても感動した。

4人兄弟の末っ子の主人公にある日母と同居していた兄から電話がかかってくる。
兄弟には兄と二人の姉がいる。それぞれ事情があり、母親を老人ホームに預けることになった。その母を老人ホームに連れて行く役を言い渡され、帰省する所からお話は始まる。

最初は嫁姑問題か? 認知症なのか? なんてありきたりのことを考えながら読んでいたのですが、実は嫁姑問題もなく、認知症でもなく。とってもしっかりしているお母さんだった。でも歳のせいで多少の手は必要という状態。みんながそんなことはしたくない。って思ってる。それぞれの事情を読んでいくうちに、だんだん共感できるようになってきた。
主人公も喜んでというわけにはいかないけども、ホームに連れて行くことを承諾した。

最後の夜母との話で、「人は生きていれば色んなことがある、でも人の手はふたつしかないんだよ。」「荷物を持つにも順番があるんだ。いくら大事なものを持っていても、もっと大事なものができれば先に持っていたものは手放さないといけくなる。欲張ったり無理をすればそれは大事な荷物じゃなく「お荷物」になるだけ。今、大事にしないとけないものをしっかり抱いて一生懸命働くんだよ。」
主人公は何も言えなくなった……。

翌朝母を車に乗せ、施設に向かう。その道が姥捨て山に続く道のように感じられて仕方なかった。やがて施設に着き、母をおんぶして施設に入る。が足が前に進まない。涙が溢れ洟も……。「お母さんはお荷物なはずがない、おふくろはおふくろだ……」「そうかい」母は幼子を労るように私の頭をゆっくりと撫でた。「ありがとうね。」

で結んであった。

実は一昨年私のおばあちゃんが施設に入った。
ずっと、老老介護で母が面倒を見ていたが、認知症も進み、暴れたり大声を出したりで大変な思いをして父と母が介護していた。「あんなに暴れるといくら血の繋がった母でも憎むようになりそう……」って常々こぼしていた。
そんな時デイサービスで週3日通っていた施設から「順番が来ました。」ってお知らせが来た。父はそんな気は全くなかったものの、施設長さんからの説得もあり、お願いした。

父も自分の兄弟や孫達に告白し施設に入れた。祖母はかなり痴呆が進んでいて施設に行くにもちゃんと承諾していた訳ではなかったが、今は施設の方のお世話で日々の生活を営んでいる。施設に入って、父がたまに面会に行くと、とっても喜ぶ祖母を見て「おばあちゃんが可愛く思えるようになった。」とまで言うようになった。あんなに暴れるおばあちゃんをいくらお仕事とはいえ、ありがたいことです。

この本を読んで、主人公と父がかぶってしまった。自分の母親を施設に入れる時の気持ちが良くわかった。父もこんな思いをして連れていったんだろうなあ。って思った。

昨年祖父の本を発刊し、あらためて祖父や祖母の苦労を文章にしてみて父は祖母の苦労を思い、祖母に対する感謝の気持ちを改めて考えたそうな。なので週に1度は面会に行っているみたいです。