小千谷から(Ojiya kara)

新潟県中越大震災の、とある被災者からのメッセージ
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被災したからわかったこと

2005年09月05日 12時27分47秒 | 新潟県中越大震災・地震
お盆に陶芸家の友達が私の帰省に合わせてオフ会を開いてくれました。
この工房は昨年の大型の台風で2度も浸水被害に遭っています。
「せいくらべ」の歌詞のように、工房の壁にマジックで 
「9/29台風21号」「10/20台風23号」と水位の線が二本引かれていました。
新潟の地震で話題は一色となり風化してしまったけれど・・・・。

「でも僕はな、それでもこの町が好きなんよ。
水害が何度あってもやっぱりこの町が好きじゃけん一生この町に住み続けたいって思うんよ。
被災せんかったらこんな気持ちには気づかんかったかもしれんなぁ。」

はじめてこの工房に遊びに行ったのは2年前の夏でした。
つまみを作ろうと小さなキッチンにお邪魔したときのこと。
「これなー全部僕が作ったんよ。」
トマト・なす・きゅうり・ピーマン・ゴーヤ・・・
「この魚もなー、僕が釣ったんよ~。」
きれいに下処理をして整理して冷凍庫に入れられていて。
・・・私はかなりの衝撃を受けました。

彼はスライスしたたまねぎを船の形をした器に手際よく盛り付けました。
「僕なー船が好きじゃから船みたいな食器ばっかりつくってしまうんよ~。」
スライスしたトマトときゅうりをのせ、めんつゆとオリーブオイルをかけながら
「簡単じゃろ?でもすげーおいしいんよ~^^」
高校のころはすごくインテリっぽくてとっつきにくかった彼が屈託なく笑いました。
本当にこの町が好きでスローライフを満喫している彼は同性からも「あんなふうな生き方って素敵だよね」と好感をもたれています。

今、沖縄のあたりを北上中の台風14号も大型で非常に強い勢力をもっているみたいですね。
台風のたびに心配で、彼の仲間が運営しているまちBBSを見ていますが、その充実した内容に遠く離れて故郷を想う私はいつも助けられています。