----<白夜行>-----------------------
19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。絶望の白い光の中、魂の荒野を行く男と女を、叙事詩的スケールで描く傑作ミステリー長篇。
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---<幻夜>--------------------------
阪神淡路大震災の直後に、出会った男と女。男が犯した殺人を知る女は、彼を徹底的に利用し、野心を実現していく。だが彼女にも恐るべき秘密が。名作『白夜行』の興奮が再び!
------------------------------amazonより--------
二冊とも以前読んでいたのですが・・・また読みたくなって古本屋さんで購入。
東野圭吾さんの本は・・・すごい
ミステリー?サスペンス??ノワール???どんなジャンルにもはまらない、独特の世界ですね
雪穂と亮司二人のつながりも内面も全く描かれないままに、淡々と物語が書き進められていく<白夜行>、雅也の視点から美冬の冷酷さを見ることができる<幻夜>・・・どちらも引き込まれて一気に読まされる、すごい作品です。
作品としての完璧さ、という点ではやっぱり<白夜行>。とんでもなく冷酷で惨いことをやっているのに、読んでいる間に雪穂に魅かれてしまう・・・読者をも虜にしてしまう魔力が、雪穂にはありました。そして、文中にまったく描かれていない、雪穂と亮司の絆も切なさを感じさせるものがありました。
一方、<幻夜>は雅也の心理描写があり、美冬の裏面での言動も描かれる・・・・と、美冬の魅力は雪穂には遠く及びません。それでもストーリーで一気に読ませてしまうのは東野さんの筆力というものなのでしょう。
<幻夜>の解説では三部作の完結編がある(かも)?とにおわされていますが・・・ぜひ読みたいですね