大助の駆けある記

日本共産党・木佐木大助の山口県議会通信

3月議会報告…一般質問Ⅱ知事の政治姿勢②エネルギー政策について

2014年03月24日 | 記事

 エネルギー政策について伺う。

 福島第一原発事故から3年が経ったが、福島県では今なお、13万5598人が避難生活を強いられている。長期避難が続く福島では、今年1月末までの関連死が1660人で、地震や津波による「直接死」の1607人を上回った。

 今なお、毎月30人ほどが新たに関連死と認定され、「原発事故関連死」とも呼ばれるなど、避難生活が長期化する原発事故の深刻さを浮き彫りにしている。

●原発に対する知事の基本認識
 
 原子力発電は、放射性廃棄物の処理も含めて、人類にとって「未完成の技術」であり、「極めて高いリスク」を伴うものだ。

 村岡知事は、このたびの知事選挙において、「エネルギー政策は国の問題」とされ、原子力発電に対する認識を明確にされていないが、上関町への原発建設が計画されているわが県において、「国が決めること」、「地元の政策選択を尊重する」などと他人事ではすまされない。

 知事は、原子力発電について、その安全性と、将来あるべき姿について、どのような見解をお持ちなのか、お尋ねする。

●上関原発建設計画について
 
 次に、中国電力が計画している上関町への原発建設について伺いたい。

先月、示された政府の「エネルギー基本計画案」では、原子力発電を「重要なベースロード電源」に位置づけているが、発電方式ごとの目標は示されず、新増設の位置づけはあいまいなままだ。

 そうしたなかで、安倍首相は、新年六日の伊勢神宮参拝直後の年頭記者会見で「原発の新増設については、現在のところ全く想定していない」と明言した。原発の「新増設」を「全く想定していない」と述べたことは極めて正しい選択だ。

 中国電力が上関原発建設のために申請した公有水面埋立免許の延長申請について、山口県は、①上関原発が国のエネルギー政策に位置付けられていることを説明できているか、②その上で、士地利用計画が確定しているか、など法律上の要件である正当な事由の有無の判断ができることとなれば、埋立権者として、許可・不許可の判断ができると説明してきた。

 国策の責任者である内閣総理大臣が「新増設は、現在のところ全く想定していない」と言明された以上、「エネルギー政策の位置づけ」も「土地利用計画」も全く見通しがないと考えるが、お尋ねする。

 こうした状況を踏まえれば、埋立免許の延長申請を不許可にすることこそが、「国のエネルギー政策」に沿った対応になるのではないか。

 見解を伺いたい。

□村岡知事の答弁要旨
 
【原子力発電について】
 
●3 ・1 1 を経験した我々日本人が、将来に向けて、出来るだけ原子力に依存しないエネルギー構造に変えていきたいと考えることは当然のことと考えている。

●一方、エネルギーは国民生活の安定向上と国民経済の維持・発展に欠くことのできないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本。あるべき姿は国の責任で示されるべきものと考えている。

●そのうえで、国のエネルギー政策において、原子力発電を利用するとされた場合には、国や事業者は、安全性を最優先し、不断に追求することが重要と考えている。

■再質問
 
 福島原発は収束・廃炉にすすむどころか、未だに汚染水が垂れ流され、ちょうど三年前の今日、原子炉でメルトダウン・メルトスルーの事態が発生し、今日に至るまで原子炉の中身の状況すらわからない最悪の事態が続いている。

 安倍首相は、昨年九月のIOC総会で、「状況は、完全にブロックしコントロールされている」と宣言したが、今それを信用する人は誰一人いない。

 福島の現状をどう見ているのか、あらためて知事の見解を伺う。

●埋め立て免許の申請はどうする
 
 あの安倍首相が、伊勢神宮という天皇家歴代の神々の前で誓った「新増設は全く想定していない」という宣言は、極めて重大であり、中国電力が何と言おうが、「上関の原発新規建設はしない、できない」ということではないか。

 ならば知事は、四月十一日には、中電がまともな回答できず補足説明がまた必要な事態になれば、キッパリと「公有水面の埋め立て免許の延長申請は認めない」と通告すべきだ。

 四月十一日以降もさらに伸ばしていくことになれば、結局は、「国のエネルギー政策が固まり、しかも新増設が明記され、その数値目標が示されるまで、中電のために山口県は待ち続ける」という、極めて恥ずかしいことになる。知事答弁を求めたい。

□上関原発問題に対する藤部副知事の答弁要旨
 
●総理の発言は承知しているが、現在、審査を継続し、「事業者が主張する上関原発の重要電源開発地点の指定についての立証」を求めているところだ。

 埋立免許権者の県としては、あくまでも申請及び補足説明の内容を審査する過程で、事業者の主張によって「上関原発が国のエネルギー政策に位置付けられていることを説明できているかどうかの確認」をして、その上で、「土地利用計画が確定していること」など、正当な事由の有無が判断できることになれば、行政処分ができると考えている。

●埋立免許権者としては、「国のエネルギー政策に沿った対応になるかどうか」ではなく、あくまでも申請及び補足説明の内容に、予断を持つことなく、公正な立場で審査をしていく。

 回答の提出がない時点で、すぐに許可・不許可の行政処分の判断を行うことは考えていない。